ポール・ビーグラーはミシガン州検事を辞め弁護士に転じたものの、依頼がほとんどなく、魚釣りをして日々を悶々と過ごしていた。 そんなある日、彼は親友のパーネルからローラ・マニオンという女性を紹介される。ローラの夫で陸軍中尉のマニオンは、妻をレイプしたバーニーという男を射殺する事件を起こして起訴されていた。ローラは夫の弁護を依頼してきたのだ。 早速裁判が始まるが、検察側は中央から派遣されたベテラン検事ダンサーが担当、彼はローラが挑発的な女であるとして、次々と有力な証拠や証人を出し、ポールを追い詰める。ポールも負けずに証拠を集め、何とか無罪に持ち込もうとするが、、。

 

 

 

 

 

 

こちらは1959年制作の アメリカ映画 アメリカ です。 (160分)

 

以前ご紹介した 「悲しみよこんにちは」 「バニー・レークは行方不明」 の オット

 

ー・プレミンジャー監督による法廷サスペンス映画で、あえてのモノクロで撮影され

 

ています

 

 

 

 

  主人公ポール・ビーグラーは元検事で、現在は弁護士に転職していましたが仕事

 

の依頼はほとんどなく、釣り三昧の日々を送っていました。 そんなある日、友人の

 

パーネルからローラという女性の仕事を紹介されます。 ローラはバーニーという男

 

にレイプされ、それを知った夫で陸軍中尉のマニオンはバーニーを射殺してしまい

 

起訴され拘留の身でした。 ポールはマニオンに会い、弁護を引き受ける事にします

 

が、、。

 

 

 

 

映画の半分は法廷内でのやりとりが中心になっています。   物語の主人公ポー

 

ルを演じるのが アメリカの良心とも呼ばれる 名優ジェームズ・スチュワート。彼の丹

 

念な捜査と、法廷での緻密なやりとりを丹念に描いている為に作品の上映時間が、や

 

や長くなった事が考えられますが、そこは手堅い監督の上手さか、飽きる事なく鑑賞

 

する事ができました。

 

 

 

 

当時としてタブーとされていたレイプという事件を題材にしている為、それに関わる

 

言葉、性交、避妊具、精液、パンティ、といった言葉が飛び交う事もセンセーショナ

 

ルだったようです。 

 

 

 

 

反面、女性被害者のメンタル的な描写や、心のケアといった部分にはほとんどスポッ

 

トが当てられず、それによって起こった殺人事件の審理がどんどんと進んでいく事に

 

多少の違和感と時代を感じる部分を正直感じました。 

 

 

 

 

ただ、テーマとして重くなりがちな作品をジェームズ・スチュワートの漂々としたキ

 

ャラクターのジョークと、彼のチームの二人によって和ましてくれています。対する

 

検事を ジョージ・C・スコットが演じ、起訴する方、される方の対比が映像として

 

楽しめます。

 

 

 

 

法廷もののサスペンス映画というと、「情婦」や「真実の行方」 のようなラストを期

 

待してしまいますが、本作はそのような映画的な ひねり はありません。

 

 

 

 

が、判決が決まった後もマニオンとローラの夫婦のキナ臭さが最初から最後まで尾を

 

引き、本当にこれで良かったのか はてなマーク という疑問が湧きます。ある意味、アメリカの陪

 

審員制度の怖さも感じ他の裁判映画とはまた違う恐ろしさを感じる作品でもあります

 

 

 

 

本作のオープニングタイトルと、アートディレクションを私の好きな ソウル・バスが

 

担当し、音楽を デューク・エリントン が担当。 映画を様々に彩っています。 ちゃ

 

っかりとご本人も出演されていて、ジェームズ・スチュワートとピアノ共演しちゃっ

 

たりしていました。  音譜 可愛いらしいわんこも見られますよ。 熊あたま

 

 

 

 

サスペンス的な醍醐味は少な目でありますが、アメリカ社会に於ける殺人の裁判とい

 

う過程のディティールと、俳優陣のアンサンブルを楽しめる作品ですので、機会があ

 

ればご覧になってみて下さいませ、です。  目

 

では、また次回ですよ~!  パー