アメリカ、コネティカット州。 現代文学の巨匠として名高いジョゼフのもとにノーベル文学賞受賞の報せが舞い込み、ジョゼフは40年間連れ添った妻ジョーンと喜びを分かち合う。 さっそく2人は作家となった息子を伴い授賞式に出席するためスウェーデンのストックホルムを訪れる。 するとジョーンの前にジョゼフの伝記本執筆を目論む記者ナサニエルが現われる。 彼は、作家として二流だったジョゼフがジョーンとの結婚を機に傑作を次々と生み出した事実を突きつけ、その裏には単なる内助の功以上の秘密があったのでないのか、とジョーンに迫るのだったが、、。

 

 

 

 

 

 

こちらは2017年制作の スウェーデン  アメリカ アメリカ イギリス イギリス の合作映画

                              です(101分)

 

ノーベル文学賞を受賞した夫と、その妻を巡る 心理サスペンス風味の人間ドラマです

 

 

 

 

  アメリカの作家、ジョゼフのもとに念願のノーベル文学賞受賞の連絡が入ります

 

妻のジョーンと抱き合って喜びますが、二人には他人に言えないある秘密がありまし

 

た、、。

 

 

 

 

父親にコンプレックスを持つ作家志望の息子を連れ立ち、授賞式の行われる

 

スウェーデンのストックホルムへと向かいますが、その機内にはジョゼフの伝記を執

 

筆しようと目論んでいる記者のナサニエルがいました。 飛行機

 

 

 

 

現地に到着してVIP扱いされる二人でしたが、授賞式本番が近づくにつれ夫婦に不

 

協和音が鳴り始めます。 そんな最中、妻のジョーンはナサニエルに声を掛けられバ

 

ーで飲む事に。そこでナサニエルに、ジョゼフの受賞に疑問がある事を告げられます

 

 

 

 

作家志望であったジョーンと結婚して以来、ジョゼフの作品が激変したというのです

 

これには妻であるジョーンが大きく関与しているのでは?と問い詰めるナサニエル

 

に、笑って否定するジョーンでしたが、、。 というお話です。  

 

 

 

 

本作での主要人物は4人。 夫、妻、息子、記者ですが、特に夫婦を演じる二人が見

 

事なアンサンブルを見せてくれます。 この演技で妻を演じた グレン・クローズがゴ

 

ールデングローブ賞で主演女優賞を受賞しておられます。ベル 夫を演じた ジョナサン

 

・プライスも見事でしたが、グレン・クローズの繊細な演技に注目が集まってしまっ

 

た感があって分が悪く残念でしたが、それがアンサンブルというものなのですね。

 

 

 

 

個人的に素晴らしい場面に感じたのが、記者のナサニエルがジョーンを誘い、バーで

 

会話するシーン。 ナサニエルを演じるのが クリスチャン・スレーター。このシーン

 

では、賞を授与される夫のジョゼフの作品の多くをジョーンが執筆したのではない

 

か?と聞き出そうとするナサニエルと、その疑念を受け流そうとするジョーンの上半

 

身だけの会話場面です。 

 

 

 

 

この会話だけの静かなシーンですが、まるでチェスを打つような緊張感があり、 

 

グレン・クローズは勿論ですが、核心に触れずに のらりくらりとジョーンを追い詰め

 

るクリスチャン・スレーターの演技にうなってしまった私でした。

 

 

 

 

どちらが欠けても成立しない関係。  正に夫婦という形態を象徴したような関係の ジ

 

ョゼフとジョーン。 そんな女性にとって不遇だった時代 がバックグラウンドに深く

 

存在し、新たな時代に変化した事で、抑えていた感情が揺さぶられ、叫びそうになる

 

妻の自尊心。

 

 

 

 

スウェーデンの国王に 何の仕事をされているのか?と尋ねられたジョーンが返した

 

「キング・メーカー」 という言葉の重みと意味。 その時のジョーンの絶妙な表情。

 

時折 舞台的な演出と、照明に映し出せれるグレン・クローズの表情はホラー映画を

 

越える怖さがありました。( 般若顔のせいでしょうか、、?)

 

 

 

 

長年連れ添った夫婦、パートナーとしての尊厳。そのピークに起こった最高で最悪な

 

出来事によって起きる夫婦の歪み。そして愛について問われるような作品です。大人

 

の作品をご覧になりたい方はこの機会にでもご鑑賞してみて下さい、です。  目

 

では、また次回ですよ~!  パー