空軍を除隊したジョニー・キャッシュは、初恋の女性ヴィヴィアンと結婚し、テネシー州メンフィスで訪問セールスの仕事を開始した。 向かない職業について塞ぎ込んでいたジョニーは、ある日、街角のサン・レコードに飛び込んで強引にオーディションの約束を取りつける。 空軍時代に書いた曲を歌った彼は合格し、プロのミュージシャンとして活動を始めることになる。 やがてツアー中、少年時代の憧れの的だったタレント、ジューン・カーターと共演したジョニーは、彼女への恋心を燃やしはじめるが、、。

 

 

 

 

 

 

こちらは2005年制作の アメリカ 映画 アメリカ です。 (136分)

 

カントリーミュージックに止まらず、ロック、ロカビリーと、現在でも彼に影響を受

 

けたミュージシャンとファンの多いジョニー・キャッシュの波乱の人生を描いた伝記

 

映画です。

 

 

 

 

演劇  正直、私はガッツリと彼の音楽は聴いた事はなく、数曲知っている程度で、既に

 

エルビスや、ボブ・ディランのような伝説の イコン的 な存在になっていました。

 

そんな彼の幼少期から、ミュージシャンとして再起するまでが描かれています。

 

 

 

 

貧しい家庭に生まれ、幼い頃から綿花を育てる手伝いをしていたジョニーは、ラジオ

 

から流れるゴスペルや多くの音楽をよく聞いていました。 彼には仲の良い兄がいまし

 

たが、その兄を事故で亡くしてしまいます。 兄を可愛がっていた父親と、その出来

 

事から大きな確執が生まれた彼は、18歳で空軍に入隊。ギターを買って歌う事を覚

 

えます。

 

 

 

 

除隊後、結婚しメンフィスでセールスマンに就きますが、音楽の夢を諦めきれず、た

 

またま見かけたローカルレーベルの 「サンレコード」 のオーディションに合格し、レ

 

コード発売にこぎ着けます。 そこからレーベル所属のミュージシャン達 (エルビ

 

スや、ジェリー・リー・ルイス等) と車でツアー行脚。これまでの生活では味わえな

 

かった充実した生活。 キラキラ  しかし、そのツアーに参加していたジューン・カーター

 

にいつしか魅かれてしまうジョニー。 

 

 

 

 

ツアーの高揚、家庭の不和、ジューンへの想いというストレスの中で、いつしか薬に

 

頼るようになってしまっていくジョニー。 ライブ中、オーバードースで倒れる程の

 

依存症になり、逮捕までされて、キャリアに傷が付いた彼。 皆に見放されたジョニ

 

ーに手を差し伸べたのはジューンとその両親。 献身的な看病により、薬を断つまでに

 

回復するジョニー。 

 

 

 

 

再起を図ったレコーディングは、彼が最悪の状態の時に多く寄せられた刑務所の受刑

 

者達からのファンレター。 そこでのライブレコーディング。 反対するレコード会

 

社を押し切って刑務所でのライブの幕が開くのでした、、。

 

 

 

 

多くのミュージシャンの伝記にありがちなストーリーではありますが、( 貧困、思い

 

がけない成功、戸惑い、不安、アルコールとドラッグ、人間不信、転落、再起 ) 実

 

話 (多少のアレンジはありますが) なので、しょうがないのであります。  本

 

 

 

 

しかし音楽ファンからすると、ミュージシャンは破天荒な人ほど面白く、神格化して

 

しまいますよね~。   それを絵に描いたような ジョニー・キャッシュ.。最後

 

まで彼を認めてくれない父親との確執には胸が痛みました。

 

 

 

 

これを演じるのが、こちらも癖の強い ホアキン・フェニックス。 アウトロー感や、兄

 

との関係と、かなり似た部分も多く、正にハマリ役。 なりきり演技もさることなが

 

ら、劇中で歌っているのはホアキン自身で、本人にかなり近い歌声に聞き惚れてしま

 

います。カラオケ

 

 

 

 

同じくジューンを演じる リース・ウィザースプーンも本人が歌唱しており、ホアキン

 

とのデュエットは見物です。 この演技によって彼女はこの年のアカデミー主演女優

 

賞を受賞しています。 ホアキンはゴールデングローブ賞は受賞しましたが、アカ

 

デミー賞の方は 「カポーティ」 の フィリップ・シーモア・ホフマン でした。 残念。

 

 

 

 

しかし、何かにとりつかれたような演技をさせると、本当に上手いホアキン。本人の

 

ジョニー・キャッシュを知らない方が観ても、彼の人間性に共感出来る作品になって

 

いますし、何よりそこで演奏される楽曲が彼を代弁していて、音楽映画としても魅力

 

的で、当時のミュージシャンの雰囲気も味わう事が出来る作品です。 音譜 

 

 

 

 

本作とは別になりますが、ジョニー・キャッシュという人を初めて見たのは、ナント

 

あの「刑事コロンボ」でした。シリーズの第3シーズンの 「白鳥の歌」 という回で、

 

有名なゴスペル歌手役で登場、新興宗教に心酔している妻に弱みを握られていて、彼

 

のギャラは妻に全て奪われ、収益金は全て礼拝堂の建築費につぎ込まれてしまい、遂

 

に彼は妻を計画殺人で殺す事になる。 というお話でした。 

 

 

 

 

中学生の頃に観たドラマでしたが、この映画を観た後で脳内でその後を「コロンボ」 

 

と繋げてみるとちょっと不思議な楽しみ方が出来ます。ってかなりマニアックな余談

 

になりました。すいません。

 

 

 

 

そんな訳で、ジョニー・キャッシュをご存知ない方でも、無垢な恋愛映画、音楽映画

 

として楽しめる映画だと思いますので、機会があればご覧になってみて下さいです。

 

では、また次回ですよ~!  パー

 

 

 

 

 

 

 

彼を敬愛する多くのミュージシャン、俳優が登場しています。勿論BONOも 音譜