モスクワ。音楽家一家のクズネツォフ家の子供たちがある日、一匹の子猫をもらってきた。誕生日パーティでチグラーシャ(トラちゃん)と名付けられた子猫だが、ある日チグラーシャは窓辺からトラックの荷台へ落ちて見知らぬ通りまで運ばれてしまう。チグラーシャは元の住処を探して町をさまよううち、ワーシャという猫に助けられる。ワーシャはチグラーシャを古アパートの屋根裏に住む雑役夫のフージェンの元に連れて行く。そこには迷い猫が大勢いたが、、。
こちら猫好き、動物好きにはたまらない作品の登場でございます。
製作年度の割に画質が古めかしいのもご愛嬌。 オープニングの音楽からして、なんと
も可愛らしい始まり。音楽家一家のクズネツォフ家の誕生日に引き取られたこねこ。
チグラーシャ と名付けられ、幼い姉弟はその愛らしさにメロメロ。 イタズラ盛りの
チグラーシャに両親は振り回されっぱなしでありました。
ある日、イタズラ中のチグラーシャは、2階の窓から下へ落下! 落下した先はトラッ
クの荷台で、そのまま何処かへと運ばれてしまいます。 「ここはどこ~?」 と見知ら
ぬ町を彷徨うチグラーシャ。犬に襲われそうになった所をワーシャという猫に助けら
れ、そのままワーシャに付いて行くチグラーシャ。
たどり着いた場所は、古アパートの屋根裏 そこには他にも沢山の猫が暮らしていまし
た。そのアパートの主人は 雑役夫のフージェン。 優しい彼はチグラーシャも温かく迎
え入れてくれました。 その一方、クズネツォフ家の姉弟はチグラーシャの事が心配
でたまりません。
張り紙をしたりと捜索しますが、チグラーシャは見つからず悲しんでばかり さて
無事にチグラーシャはクズネツォフ家の姉弟の下へと帰る事が出来るのでありましょ
うか といったお話です。
児童向けに制作されている作品ですが、中盤から主人公であるはずのチグラーシャよ
り 雑役夫のフージェンの生活がメインになる一幕も。 そしてこのフージェン、地上げ
屋?にアパートを追い出されそうになったり、失業したりという 世知辛い 大人的な事
情 が挟み込まれます。
後半では、地上げ屋に殴られたフージェンを助けようと、猫達が いっせいに地上げ屋
に襲いかかるという、まるで ホラー映画のような展開のサービスまであり、子供が見
たら 「ネコ怖い~」 と思ってしまうのでは?
と心配になる私でありました。
やや中盤フージェンが主人公になりますが、この方実は ボリショイサーカスの天才調
教師さんだそうで、 映画をご覧になれば分かりますが、かなり猫達が自然に馴
れているな~と思ったら、そういう事だったのでした。ただ、やはり犬 と比べ
ると調教 ( 演技させる事 )は難しいのでしょうね、撮影の苦労が伝わって来ます。
「子猫物語」 に比べると人間ドラマが中心になっていますが、色々な種類の猫
とそれぞれの個性が楽しめる映画です。 ロシア独特の街並みと雪の中で生きる人間
と猫。
ちょっとラストのフージェンの表情に、それでもどこか孤独な哀愁が垣間見え、子供
向け映画にとどまらない深さも感じた私でありました。 そんな訳で、猫好きな方だ
けにとどまらず動物好きな方は、この機会にご覧になってみて下さいませ。、です。
では、また次回ですよ~!