空前のペットブームの影響で、日本国内で年間30万頭以上の犬猫が処分されている実態に迫るドキュメンタリー 地道に捨て猫の世話をしてきた猫好き老人が、「動物を大切に思ってもらえるような映画を作ってほしい」と飯田に話を持ちかけたことが企画の発端となり、飯田は処分を行う行政施設、保護を行う動物愛護団体などを訪ね、動物を取り巻く人間模様をカメラに収めていく、、、

 

 

 

 

 

 

こちらは2009年制作の 日本映画 日本 です (118分)

 

小規模なドキュメンタリー映画を撮っている  飯田基晴 監督のもとに、昔から捨て猫の

 

世話をつづけて来たお婆さんから、「そんな現状を伝える映画を作って欲しい」 という依

 

頼の、インタビュー映像からこのドキュメンタリー映画は始まります。 しかし監督自身は

 

動物愛護に興味や、理解がある訳ではなく、特に動物好きという事でもなかったのでし

 

た。 これが逆に客観的で、中立な立場でこの作品を撮れたのだと思います。 映画は

 

監督のナレーションによって説明されて行きます。この声のトーンも、また普通過ぎて耳

 

に馴染みやすいのでした。 

 

お婆さんは 「私が生きているうちに観せてもらえれば良いです」 と言い、製作費も自腹

 

で出す旨を伝えます。 何故そんなに はてなマーク という疑問が湧きますが、「人間も勿論好きで

 

すけれど、人間より まし みたい 動物の方が、、。」 と語るお婆さん。

 

ナレーションで、「さて何処から手をつけていいのか、、、」 まず周りの町でインタビュー 

 

当然 「家族です」 と答える人がほとんど ペットショップの犬に着せる服や ぶたT  専用の

 

ケーキ イチゴケーキ  誕生日会 クラッカー  介護施設で動物との触れ合いや、お金を払って犬とお散歩

 

ドッグショー、ドッグレース、好きが高じてブリーダーになった人、等が紹介されます。 

 

そんなペットビジネスのおかげで、犬の頭数は1250万頭、猫が 1300万頭で、今や

 

2兆円規模の一大産業となっているそうです 札束

 

「ペット大国と言えても、決してペット天国ではない」 現実が分かってきます。 一旦町を

 

離れ河川敷等に目をやると、「犬猫を捨てないでビックリマーク」 という看板が目につきます 皆さん

 

も公園等で、度々目にすることでしょう 目 野良化した犬猫には過酷な生活が待ってい

 

るのでした。日本全国の自治体で処分される犬猫の数は、約 35万匹 1日に1000匹

 

近くが殺されている事になります くもり どうしてこうなるのか?何とかならないのか?とい

 

う所が、映画のテーマになります。 まず向かったのが行政の施設 しかし多くの施設で

 

の撮影は   施設は良いが動物の撮影はダメ 理由は「動物を写すと、可哀そうとい

 

う意見が多く寄せられる為」 「しかし、内心では、自分達の仕事を理解してもらう為には

 

協力したいと思っている」 と答えます。 なんとか千葉県の愛護センターが取材をOKし

 

てくれます 成犬の収容期間は5日!その間に飼い主が訪れないと処分になります。 

 

犬舎で御主人のお迎えを待つ犬のなんとも言えない表情が悲しそうです 飼い主が直

 

接持ち込んだ場合は翌日に処分です。  ドクロ

 

方法は炭酸ガスによる窒息死 希望すれば引き取る事が出来るか聞くと、「譲渡は生後

 

2カ月程度の犬猫、大きくなっていると性格が出来上がっている事、病気の予防がなさ

 

れているか不明である事、貰い手が子犬 子猫を希望する事がほとんどだという理由で

 

す」 そこでの処分数は犬で 8613頭 譲渡数は 329頭 猫の処分数が 10216匹 

 

譲渡数は 100匹譲渡率は犬で 3、7% 猫で1% つまりは、ほとんどが 殺されて い

 

る事になります、、。

 

その撮影中にも動物が運ばれて来ます。そこに訪れる犬猫は、元々好きな人が気軽に

 

飼いはじめ、育てきれない、貰い手がいない、近所からの苦情と、皆 人の都合の犠牲

 

者です。 次に向かったのは民間団体 そこでは猫が4、50匹 犬が15匹前後保護さ

 

れています。 白血病の猫、すぐ噛む犬 人に対する不信感や恐怖心から、噛みつく事

 

を憶えてしまうと矯正するのは非常に難しいようです 歯 そこに犬を連れて来た女性が

 

いました。 離婚で子供二人を引き取り、生活保護を受けざるを得ない為、犬を手放さ

 

なくてはいけなくなった女性 「処分にならなくて良かった」 泣きながら別れを惜しみま

 

す。 人それぞれに、様々な理由があります。

 

各地で譲渡会を開き貰われる子もいますが、全くダメな日もあります。 そんな地道な活

 

動を続ける日々 ある日、先日の女性が持ち込んだ犬、2匹のうちの1匹が貰われて行

 

きます。   今までずっと一緒だった、もう1匹が柵の中から吠えています そんな別れも

 

あるのでした。 時には、野良猫の捕獲にも出掛けます。大きなネズミ捕りのような仕掛

 

けです ケージ 捕まえた猫は不妊治療を施し、元の場所に戻します これも意外でした ライン-草

 

ここでは手術の様子を見ることが出来ます 中でも驚きだったのが、妊娠している猫が

 

いる場合もある事。 もう数日で産まれるような状態で取り出します 残酷にも思えます

 

が、誰も責められないのではないでしょうか、、? 十字架

 

行政と民間が連携した所もあります 譲渡対象になっている犬にしつけを教え、譲渡さ

 

れやすくしたりと、なるほどな~と思わされます。 反面、やはり行政施設であり職員によ

 

って譲渡対象か否かを選別されます。 1匹でも危険な犬を譲渡してしまうと、他の犬も

 

助けられなくなる。その為の選別でもあり、犬にとっては命の選別になります 職員の一

 

人にインタビューすると、動物好きで動物園の職員に就ければ、と思っていたらこちらに

 

配属になったという若い職員 処分するなら、せめて動物好きの私達がやってあげるの

 

が良いのではと、、、

 

そこでは猫は譲渡対象にはなっておらず、すべて処分になります 処分機は朝一番に

 

動かす為、その後やって来た猫は、その場で麻酔薬の注射によって安楽死させます。 

 

小さな子猫に一匹ずつ注射する場面は胸が痛みます  

 

他にもホームレスと野良猫の写真を撮り続けている写真家と、その妻で野良猫のエサと

 

世話を続ける女性。 猫用ミルク  山梨県で多数の捨て犬を学生ボランティアと一緒に世話を

 

する年金暮らしの貧しい男性 等の方が紹介されます。

 

数年前、徳島で、崖で動けなくなった犬がニュースになった事を憶えているでしょうか?

 

いわゆる 「崖っぷち犬」 その犬は保護され、全国から引き取りたいという問い合わせが

 

殺到しました。  手 手 手  2匹の姉妹犬と思われ、崖に佇んでいたのは1匹、姉妹

 

で保護され、テレビが殺到 多数のカメラの前で譲渡が行われました 但し、崖っぷち犬

 

だけ引き取り手が現われ、もう1匹の姉妹犬は引き取られませんでした、、、もやもや 

 

勿論同じ施設の裏で、他の犬は同じ成犬であるにも関わらず雲泥の差で、殺処分を待

 

っているのです  その施設は特殊な形態をとっていました。 そこでは殺処分をしない

 

のです。 そのような残酷な事をする施設は反対だ!という住民が多く、苦肉の策で、

 

殺処分用の鉄の箱に動物を入れ、それをトラックに積み込みます。そして何と!ハッ

 

積んだトラックの走行中に、そのコンテナの中で殺処分を行うのです。 さすがにガスを

 

流す中の場面は撮影されていませんが、、、

 

これにより、便宜上 「その施設内では 殺処分は行われていない」 事になるのです。 

 

そうしないと建設反対で出来ないというのが現実です。そもそも何故その施設を建設し

 

なければいけないのか?という所にまで考えが及ばない人間のいやらしい エゴ です。

 

監督の他の作品の上映会で、イギリスに行きそこでも取材しています。日本との大きな

 

違いが多々見られ、意識の違いの大きさを感じます 保護施設で少年に何故ここで犬を

 

選ぼうとしたか聞くと、「だって捨てられた犬は辛い目にあってきたから、幸せにしてあげ

 

たいんだ」 と答えが返ってきます。 確かに。 そして野良猫はほとんどいません 発見

 

したら電話して「保護」 にやって来て、そして譲渡されます。

 

映画製作が長期に渡り、この映画を作るきっかけとなった お婆さんの 稲葉恵子さんは

 

完成を待たず亡くなりました。 この映画はドキュメンタリー映画で、ドラマのように泣か

 

せるような音楽等は入っていませんし、センチメンタルに主張する事もありません。淡々

 

とそこにある現実をそのまま見せつけてくれます。  オッドアイ猫 パグ 黒猫 トイプードル 三毛猫 チワワ黒

 

それを観て、個人個人でそれぞれ考えるのが良いのではないでしょうか ?   動物が好

 

きな方はかなり辛い部分もあるかと思いますが、観る意味がある作品なのは確かだと

 

思いますので、機会があればご覧になってみて下さいです 目

 

映画はこの一文で幕を閉じます。 

 

   「この作品を稲葉恵子さんと ここに登場し 処分された犬と猫たちに奉げる」 

 

                                        では、また。 パー

 

 

 

鑑賞するのに苦痛を伴う映像となっています。 坂本龍一 の曲にのせて、、。