フランスのマルセイユで刑事が1人殺された。同じ頃、ニューヨークのブルックリンでは、通称ポパイと呼ばれるドイル刑事と相棒のラソー刑事が、麻薬の売人狩りに躍起になっていた。2人は、とあるクラブで金使いのあらい男を見つける。そのイタリア人の男はサル・ボカといい、麻薬ルートとつながりを持っていた。 一方、マルセイユの港では刑事を射殺した殺し屋ニコリが、フランスの実業家シャルニエと密談していた。シャルニエはテレビ・スターのアンリを使って、アメリカの麻薬ルートとのコネクションを図っていた、、。

 

 

 

 

 

 

こちらは1971年制作の アメリカ映画 アメリカ です。 (104分)

 

今さらの感じもありますが、アメリカン・ニューシネマ( 好きな映画がてんこ盛り )

 

代表作の一本で、この年のアカデミー賞では、作品賞、監督賞 (ウィリアム・フリ

 

ードキン)、主演男優賞 (ジーン・ハックマン)、脚色賞、編集賞、の5部門を受賞

 

しております。 ベル

 

 

 

 

 

 

ナゾの人 数年に一度は観返したくなる作品というものがあるもので本作もそんな一本です

 

初めて観たのは小学生の頃。 〇〇ロードショーだったと思いますが、そんな子供の私

 

でも 「何だか分からないけど面白い!」 と衝撃を受けた作品でありました。 それも

 

演は男前とは言いづらい?ジーン・ハックマン と ロイ・シャイダー という二人。 

 

 

 

 

 

 

この頃からクセの強い顔が好きだったんでしょうかね?  この当時は、今のような マ

 

ーベルやDCのようなお子様向け映画 (失礼あせる) なんてものは皆無で、大人の映画ば

 

かりを多数放送しておりました。

 

そんな中でも本作はキャラクターやサスペンス、アクションにカースタント等が盛り

 

だくさん ドキドキ、ワクワク しながらも大人の映画を観ている満足感がありました。 

 

 

 

 

 

 

今回観て印象深かったのがやはり ジミー・ドイル こと ポパイ の ワーカホリックの狂

 

感。   差別用語バリバリ、暴力上等の捜査方法。 昭和刑事臭プンプンです。 ただ、

 

あるバーで羽振りの良い男を見つけ、犯罪の臭いを嗅ぎつけた瞬間、その男を凝視

 

るポパイの顔の(赤いライトに照らされた)ショットが通常より長めに映され、フ

 

リーズしたような状態に。ここにポパイの狂気と、フリードキンのセンスがうかがえ

 

ました。 カチンコ 

 

 

 

 

 

 

ついついアクション面が注目されがちな作品ですが、このような繊細な部分もちゃん

 

演出されているのでした。

 

フランスから訪れた実業家シャルニエを貼り込む場面の寒さ演出。 日本なら あんパン

 

と牛乳ですが、こちらは ピザとコーヒー  ピザ  不味いコーヒーを捨てる場面が印象的

 

した。その後、尾行しますが 携帯も無い時代。 尾行するポパイと、尾行されている

 

のを知っているシャルニエとの無言の駆け引き。 

 

 

 

 

 

 

歩き、走り回るポパイ。 地下鉄でのサスペンス感はたまりません。  電車  

 

有名な列車を車で追うというカーチェイス場面での編集と撮影の見事さ。 

 

予算も少なかった為、大掛かりな交通規制が出来なかった事で、進入してしまった車

 

事故を起こしてしまった場面もそのまま使用されているという時代のパワーも感じ

 

ます。

 

 

 

 

 

 

そして初見の時から何故か印象的に残っているのが、麻薬が積まれていると睨んだ車

 

の中を探す場面。 座席を外し、シートを剥がし、エンジンルームと、隅から隅まで

 

徹底的に調べるポパイ達。 車体の重さが普通よりも重いが、しかし見つからない、。 

 

いった地味な場面ながらも、「おぉ~!」 と驚かされる隠し場所の面白さ。 

 

 

 

 

 

 

追い込んだシャルニエに向かって、ポパイが二人にしか分からない バイバイ の合図

 

ポパイに引っ張られながらも捜査する相棒のラソー。 バディムービーとしても楽しめ

 

ます。

 

 

 

 

 

 

ノンフィクションを映画化したもので、モデルになった二人の刑事も、アドバイザー

 

として参加しており、その上 かなり ガッツリ と出演もされておられます。  ウインク

 

当時のニューヨークをゲリラ的に撮影しながら、その舞台の中で、後の映画にも様々

 

影響を与える要素が密に詰まっている作品です。 

 

 

 

 

 

 

フィルム独特の質感に焼き付いた、作り手の意気込みを感じさせられる作品です。メラメラ 

 

そんな訳で、未だに引きずられる魅力のある映画でございますので、もし興味が湧き

 

ましたら一度ご覧になってみてはいかがでしょうか  目

 

では、また次回ですよ~!   バイバイ