レイジング・ケイン
児童心理学者のカーターは子育てをしながら、子供の心理を観察し続けていた。しかしその行動は次第に常軌を逸していく。そんなカーターを手助けする、双子の兄弟ケイン。一方、町では子供が行方不明になるという事件が起きていた。やがてカーターとケイン、そして彼らの父親にまつわる過去が明らかになっていくが、、。
こちらは1992年制作のアメリカ映画
です。 (92分)
ご存知、ブライアン・デ・パルマ監督の作品で、ベトナム戦争を描いた 「カジュアリ
ティーズ」 エリートの転落を描いた 「虚栄のかがり火」 と、違ったジャンルの作品
を撮っていた デ・パルマ監督が、自身の得意ジャンルとバジェットに戻って来た感の
ある作品でございます。
2年前に休業した精神科医の カーターは、同じく医師で働きに出ている妻 ジェ
ニーの代わりに子育てに専念していました。 ある日、娘と公園で遊んでいたカーター
は、息子を連れた友人のヘレンと偶然会い自宅まで車で送ってもらうことになります
しかし突然、カーターは麻酔で彼女を眠らせます。 彼の狙いはヘレンの息子だった
のでした。 ![]()
自分でやった事にパ二クるカーター。そんな彼の前に、双子の弟ケインが現れます。
ヘレンを殺して海に沈めるようアドバイスをするケイン。
彼は気弱なカーター
とは正反対の性格の持ち主で、カーターの代わりに行動するようになるのでありまし
たが、、
うん十年ぶりの再鑑賞となった本作。 過去作以上に「サイコ」 オマージュがプンプ
ン漂っておりまして、デ・パルマ大好きな多重人格ものでございます。その上、映画
自体が多層構造、妻 ジェニーの夢か、、いや、本当だった! と、これまた入り組んだ
作り、、。
カーターは多重人格で、妻は不倫して二つの顔を使い分けているという、人間の多面
性をとことん探求しております。 それを象徴する カメラのモニターに映る本人の映
像や、時計というアイテム。
人格も時間も行ったり来たり。 脚本も自分で書い
ている為か、デ・パルマ自身が一番楽しんでいるのでは?と思ってしまいます。
中盤での不倫相手との病室でのキスシーンからの~妻の顔ー
後半のカツラを
奪われた女医のヘアスタイルー
の二つの場面が最も恐ろしく、一歩間違うと
笑ってしまいそうになるショットでありました。 ( 恐怖と笑いは紙一重でございます
ね、、、 )
主人公カーターを演じるのが曲者 ジョン・リスゴー 。 シャマランの 「スプリット」
が参考にしたであろう 独り変化 を披露してくれます。( 個人的には「ミッドナイト
クロス」の殺人鬼の方が怖かったですがね )
当時のカメラでは大変だったで
あろう、本当の長回しカメラのワンショットシーン もう、意地としか思えません。
ラストでは、これまた3階のマンションを使った多層構造のスローモーションでのサ
スペンス演出と、ピタゴラスイッチ感。 ここではこれまでのデ・パルマ映画総集編
とでも言えそうな エレベーター、乳母車、ナイフ、女装、という こだわりの オンパ
レードです。 ![]()
おまけの 2段落ちラス トは 「キャリー」 を彷彿とさせる シーンがありますが、これ
また紙一重ともいえるショックが待ち受けていたのでありました。
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妻のジェニーの場面になると、ソフトフォーカスな映像になって、いきなり 昼メロ感
が漂ったりと、ちょっと映画自体までも多重人格的になっている気もしますが、これ
ぞ デ・パルマ映画とも言える作品に仕上がっています。
もろ時代感が出た映画ですが、それを含めて色々と楽しめる作品だと思いますので、
この機会にでもご覧になってみて下さいませ、です。 ![]()
では、また次回ですよ~! ![]()













