凄腕スナイパーの米軍兵士マイクは、砂漠でのテロリスト暗殺に失敗し、相棒のトミーとともに退却を余儀なくされる。しかし移動中に地雷原に迷い込んでしまい、トミーが爆死し、自身も地雷を踏んで一歩も動けなくなってしまう。無線で救助を要請するも、救援が到着するのは52時間後。昼は灼熱、夜は極寒という地獄の環境の中、次々とアクシデントに見舞われ、次第に意識も混乱していくマイクだったが、、。
こちらは2016年制作のアメリカ スペイン イタリア の合作映画です
(106分)
シンプルな ワンシチュエーションスリラー映画。 たまにこの手の B級ジャンルを観
たくなるものです。 しかし、よく見ると 主役が最近観た「君の名前で僕を呼んで」
の アーミー・ハマー 。「ちょっと観てみよ!」 と手を出してみたのでありました。
砂漠でのテロリスト暗殺に向かったマイクとトミー。 狙ったテロリスト
のボスに照準を合わせますが、何やら結婚式を始める模様。 「こんな席では撃
てない」 と言いだすマイク、「嘘~ん!」 と思いつつバタバタしてる間に見つかって
しまい、逆に追われる羽目になり、砂漠地帯へと逃げのびる二人。 応援を呼びます
がGPSが故障。
大まかな先に村があると知り砂漠を進む事になります。 地雷地帯を示す錆びたプレ
ートを見つけますが、楽天家のトミーは気にせず進みます。 次の瞬間トミーの足元
で地雷が爆発 ほら言わんこっちゃないと思っていたら、マイクまで地雷を踏
んだ模様。両足を失ったトミーは希望を失い、銃で自決してしまいます。 残された
マイクは地雷を踏んだ片足を動かせない状態で、離れたトミーの身体から無線機を手
繰り寄せ、本部へ連絡。 近くで戦闘中の部隊が迎えに行けるのが 52時間後と告げ
られます。
無事に生き残る為には、踏んだ左足をそのままに、 灼熱の砂漠の真ん中で、砂嵐
と獣の脅威と闘わなくてはならなくなるマイクでありました。
ここまで聞くと、サバイバルサスペンスの印象が強いのですが、砂漠に一人のマイク
の前に謎の砂漠の住民が現われ、マイクに哲学的な話や質問を投げかけて来たリしま
す。「一歩を踏み出す勇気を持て」とマイクに諭し去って行きます。 同時に、脱水
症状と熱によって幻覚を見だします。 それは過去の少年時代の父親の暴力や、
若い頃の後悔の場面。
それを繋げるのが地雷を踏んだ 「一歩」 の足。それぞれ、ある一歩が踏み出せなかっ
た事による後悔が走馬燈のようにマイクを襲ってくるのであります。 サスペンス的
な娯楽映画を期待すると少し物足りなく感じてしまうかも知れませんが、サバイバル
を基本とした人間ドラマとしては、なかなか見応えのある作品となっています。 ほ
ぼ アーミー・ハマ一 のー人芝居で見せられるのも、彼の演技力ありきでございます
な。(坊主頭が似合っています)
過去に向き合いながら自問自答を繰り返し「人生で踏み出せなかった一歩」を踏み出
そうとする主人公を、地雷を踏んで一歩を踏み出せないことで表現してるのが憎い
限りです。
シチュエーションスリラーと、人間ドラマ。 両方を堪能出来るお得な作品でござい
ますので機会があればご覧になってみて下さいませです。
では、また次回ですよ~!