1943年、ロシア戦線。ソ連軍との戦闘が激化し、撤退を余儀なくされていくドイツ軍の小隊長シュナイター伍長は、勲章を手に入れることしか興味のない無能な指揮官のシュトランスキー大尉を嫌悪していた 2人の関係が険悪になっていくなか、シュトランスキーは勲章を得るため、シュナイターの部隊を策略にかける。

 

 

 

 

 

 

こちらは1977年制作の イギリス イギリス 西ドイツ ドイツ の合作映画です (127分)

 

「ワイルドバンチ」 「わらの犬」 「ゲッタウェイ」 等で バイオレンス映画の巨匠 と

 

呼ばれるサム・ペキンパー 監督の唯一の戦争映画であります ドンッ ティーガーⅡ 何故か近くの 

 

T◎UTAYA には、リメイクの 「わらの犬」 があるのに、ペキンパー版が無いと

 

いう謎(主演は ダスティン・ホフマンなのに、、、)また愚痴が出てしまった あせる

 

 

 

 

ペキンパー作品として、前知識なく観始めたのですが、始まってしばらくちょっと混

 

乱してしまいました と言うのも、この作品 ロシアの地で、ソ連軍と戦うドイツ軍の

 

お話でありまして、前線でソ連軍に追い込まれているドイツ軍部隊が描かれています

 

女子受けしないジャンルの作品でござりますな、、、笑い泣き 原題は「鉄十字」で、戦時

 

勲章を意味するようです。

 

 

 

 

良く映画で観るナチス作品では、きちっとした制服姿で、冷酷で非人間的なイメージ

 

しか見ていない為、しばらくドイツ軍だと気付かなかったのでした (制服も薄汚れて

 

いるし、よくやる右手を上げるポーズ等も登場しません はい ) そして最もややこしい

 

のが、監督はもとより主役の シュナイターを演じるのは アメリカ人俳優の ジェーム

 

ズ・コバーン で、喋りは当然英語です (戦争映画あるあるですがね、、、) 映画の

 

中同様、こちらの頭も混乱しました。イギリス、西ドイツ の合作なのですが、終始ナ

 

チス軍を皮肉った内容の作品で、ある種の反戦映画でもあります 白旗 それは印象的

 

なオープニングクレジットから始まっています。

 

 

 

 

ナチスの実写映像が映る中、バックに流れる曲は 戦地から帰った息子の無事を喜ぶ

 

母親の心情を歌った童謡です 劇中では戦場での英雄 シュナイター と 貴族で志願し

 

て鉄十字勲章 十字架 キラキラ (戦争に貢献した人物に与えられる、名誉ある勲章) 目当てで

 

来た シュトランスキー の対立が軸となっています 軍の武闘派と貴族の上官、戦争中

 

の同じ軍の中でも地位を巡っての争いが起こっているなんて、会社の 出世争い と同じ

 

レベルと言いたげです。

 

 

 

 

反面、戦場での戦闘場面は圧倒的な迫力があります 当然、全て実際に爆薬が人の近

 

くで爆発しますし、実物の戦車が戦場を走り回り、砲撃して来ます 銃弾が飛び交い、

 

砂煙が舞い、観ているこちらですら どちらがどちらなのか、判断出来なくなってしま

 

います。それを短いカットやスローモーションで表現された場面は、混沌の極みです 

 

現在では、もうこの画は撮影出来ないのではないでしょうね? 

 

 

 

 

そしてこの作品の面白い所は、ドイツ軍であるにも関わらず、ナチスという党を嫌っ

 

ている所です そしてドイツ軍を普通の人間として描いている事です 劣勢になって

 

撤退を余儀なくされる場面 シュナイターの小隊が味方陣地に戻って来る場面では、

 

シュトランスキーの画策によって 味方からの銃撃に遭うという皮肉な裏切りも起こり

 

ます 

 

 

 

 

戦場での 鉄十字勲章 とはいったいどんな意味を持っているのか はてなマーク という問いが投

 

げかけられていて、最後は実戦経験の無い シュトランスキーを基地から引きずり出

 

し、敵が向かってくる戦場へと出て行く シュナイター 銃器の扱いも分からないシュ

 

トランスキーの姿を見て、高笑いする シュナイターの姿で幕を閉じます 銃  

 

 

 

 

その声は、まるでこの愚かしい戦争を笑っているようでもあり、階級制度やそれを生

 

んだ人間社会を笑っているようでもあります ドクロ DASH! そんなシュナイターも、明ら

 

かに PTSDで、戦場でしか生きられないような人間です 少年兵や女性ばかりの隊

 

も登場し、戦争による様々な、現場での負の部分が描かれた作品となっています 叫び

 

 

 

 

とにかく主演の ジェームズ・コバーンがカッコイイのでありました レンタルDVD

 

で残念だったのが、2017年にデジタルリマスター版という物が出ておりまして、

 

そちらの方を観たかったであります 字幕も明朝体で、最初 違和感がかなりありまし

 

た 目  少し取っつきにくい作品かも知れませんが、現在活躍している監督さんに

 

も、様々な影響を与えている作品ですので、この機会にご覧になってみてはいかがで

 

しょうか ? です

 

では、また次回ですよ~! パー