かつて問題児たちの更正施設が建てられていたノルウェーのバストイ島を舞台に、少年たちの脱走劇を事実にもとづき描いたサスペンス。
1915年。ノルウェーの首都オスロ南方の海に浮かぶバストイ島。ある日ここに、エーリングという少年が送られてくる。そこは非行少年を矯正するための収容施設だった。しかし、外界から隔絶されたその施設では、絶対的な権力を持つ院長の下、冷酷で陰湿な寮長による非人道的な管理運営が行われていた。
これに反発して脱走を企てては捕らえられ、そのたびに過酷な懲罰を受けるエーリング。一方、優等生のオーラヴはすっかり反抗する気力も失い、理不尽な抑圧にも従順に堪え忍ぶ道を選んでいた。そんなオーラヴの態度に不満が募るエーリングだったが、、、
こちらは2010年制作 ノルウェー フランス
スウェーデン
ポーランド
の合作映画です (117分)
1900年から1970年まで、非行少年を矯正するための収容施設だった、ノル
ウェーにあった バストイ矯正学校。 (現在は刑務所として存在) そこで実際に起き
た 少年たちによる反乱事件 をもとにした人間ドラマでございます。
1915年、バストイ島の矯正収容施設に、ボートに乗せられた エーリングとい
う青年が送られて来る所から物語は始まります。 そこは極寒の地で四方を海
に囲まれた孤島でした。 その施設では矯正という名のもと、絶対的な権力を持つ院
長の下、少年たちは非人道的な扱いを受けながら暮らしていました。 エーリングは
隙あらば脱走しようと目論みますが失敗し、厳しい労働を課せられます。 そんな中
でも 班長の オーラヴという友人が出来るのでありました。 ある日、同じ日に施設に
やって来たイーヴァルは寮長であるブローテンに呼ばれ、性的虐待を度々受けるよう
になっていました。
それに気づいたエーリングとオーラヴは院長に訴えますが聞く耳を持ちませんでした
そんなある日、屋外労働をしていたイーヴァルが苦悩に耐えられず、入水自殺してし
まいます。
院長は事実を隠蔽する為、イーヴァルの自殺を脱走に失敗したことによる事故死とし
て処理してしまいます。 そしてある事件をきっかけに、収容されていた青年達に
不満と怒りが爆発し、暴動へと発展する事に。 しかし、勝利を勝ち取ったかのよう
に見えたその時。 海岸線に軍の大型船が現われるのでした、、。
映画 「パピヨン」や「アルカトラズからの脱出」を思い起こさせるような本作でした
しかしそれを上回るような極寒の生活と風景。とても脱走なんて考えられない状況で
す。 それを灰色がかったカメラで見事に撮影されています。 そんな状況下の中、
札付きのワルである エーリングがオーラヴという仲間に出会った事で、徐々に人間
らしく成長し、不思議な友情で結ばれていく過程が、何故か悲しみを助長してしまう
私でありました。
それに対応する大人達も、状況によって人間性を失ってしまったのだろうと、推測
出来るのも 私自身がそれなりの 嫌な大人?になっているからでしょうか?ま、あそこ
まで冷徹ではありませんが、、。 その院長を演じる ステラン・スカルスガルド は
いつもながら見事な演技を見せてくれています。 寮長のブローテンはもっと憎まれ
役ですがね。
ラストは不思議な余韻が流れる映画でございます。
それほど話題になっている作品ではないようですが、 優れた佳作だと思いますので、
機会があればご覧になってみて下さいませです。
では、また次回ですよ~!
なかなかどうして音楽も素敵で、 文字だけのエンドロールまで見てしまったのでした