アレハンドラは夫アンヘルのDVに悩まされながら、精神的に不安定な2人の幼子を必死に育てていた しかもアンヘルは、アレハンドラの弟ファビアンと密かに肉体関係を結んでいる そんなある日、アレハンドラはファビアンの友人である不思議な少女ヴェロニカと知り合い、森の奥の薄暗い屋敷に案内される そこにいたのは、軟体動物のような触手を持つ巨大なクリーチャーだった、、、

 

 

 

 

 

 

こちらは2016年制作の メキシコ 国旗 デンマーク デンマーク国旗 フランス フランス ドイツ ドイツ 

 

ノルウェー ノルウェー国旗 スイス スイス の合作映画です(98分) 

 

本作で、第73回ベネチア国際映画祭で 銀獅子賞(最優秀監督賞) を受賞しておりま

 

す。何か変わった映画は無いか?と、トレーラー巡りをしていたところ、この作品に

 

たどり着いたわけですが、事前に銀獅子賞を知っていた事もあってこの日本でつけら

 

れた 「触手」 というタイトルでの、B級ホラー感 タコさん には最初から期待は薄かった

 

為、意外に楽しめた次第です これをタイトルとジャケ借りで観たら 「、、。」 とな

 

るかもでありますもやもや

 

 

 

 

基本はメキシコ映画でして、メキシコで起こった芸術運動「ヌエーヴォ・シネ・メヒ

 

カーノ」新しいメキシコ映画 となるのでしょうか、いわゆるメキシコに於ける ヌーベ

 

ルバーグ と呼ばれる新しい世代の作品で、代表的な監督では 「レヴェナント」 のア

 

レハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ や 「ゼロ・グラビティ」 のアルフォンソ・

 

キュアロン という系列の監督さんの作品ですので、それなりの視点で鑑賞させて頂き

 

ました 目

 

 

 

 

Movie  映画は宇宙空間に漂う隕石の映像から始まります 石 次のカットでは唐突に薄暗

 

い室内で、本作のキーマンとなる少女ヴェロニカと、チラリと見える触手の性的接触

 

行為が映されます 部屋の外には事情を知る老夫婦がいて、ヴェロニカは小屋を出て

 

霧深い森のような場所を進んで行きます 彼女の脇腹には血がにじんでいて、乗って

 

来たバイクまでたどり着きます カットが変わりもう一人の主人公となるアレハンド

 

ラと夫アンヘルの背を向けたままでの寝起きセックス場面 ここはある種象徴的な場

 

面で、夫アンヘルの満足の為だけの冷淡で、淡白な交わりで、後ろからというのにも

 

後から意味が出てきます、、、真顔

 

 

 

 

二人の子供に手が掛かりますが、アンヘルは子供の世話をアレハンドラに任せっきり

 

です。 ヴェロニカは病院で犬に噛まれたような脇腹のケガの治療に訪れ 口 看護師の

 

ファビアンと知り合います このファビアンはアレハンドラの弟で、なおかつ その夫

 

のアンヘルと肉体関係にありました さくらんぼ しかし、アンヘルの自己中な束縛に嫌気が

 

差し、離れようとしていました 同じようにヴェロニカは 「あれ」 から離れなければ

 

いけない状況にありました 「あれ」 は人間に経験したことのない快楽を与えてくれま

 

すが 人を選び、気に入ると続くが 急に 飽きられ傷付けるようになります そうなる

 

と新しい相手に変えなくてはいけないようです そこでヴェロニカはファビアンに

 

「あれ」を紹介しますが、小屋に近い川で、裸で意識不明の状態で発見されます 

 

 

 

 

植物状態になったファビアンが直前に会っていたのが目撃されていました。 相手は

 

よりを戻そうとしていたアンヘルで、彼は警察に拘束されます パトカー アンヘルの携帯

 

履歴で二人の関係を知ったアレハンドラは、ファビアンの入院先でヴェロニカと知り

 

合います 様々なショックとストレスで参っているアレハンドラに、ヴェロニカは

 

「あれ」を紹介するのでした、、、タコ

 

 

 

 

本作は作家性にあふれた作品で、映像は美しく撮影されています (ラース・フォン・

 

トリアー作品等を担当されております) 編集に無駄がない分、粗い!と見えてしまう

 

方もおられるでしょうが、、、映画の核となっている 「あれ」 の存在ですが、メキシ

 

コという背景もあり 麻薬 のメタファーである事は間違いありませんが、それだけでは

 

短絡的な気がしてしまいます。様々なものや、風景、動物、食べ物、ショットが 他の

 

メタファー(いんゆ、あんゆ)となっており多重構造を成しています その中でも女

 

性や女性器に対するものが多く、股間へのアップやスカートの中が水で溢れたり、水

 

たまり森、茂みといった映像が度々映されます 池 

 

 

 

 

もう一つは他の人間に触れたり、抱擁したりする場面も多く登場する事も、ある意味

 

この映画のもう一つのテーマである 接触 という行為を印象付けます 握手 個人的には

 

社会や家庭に於けるセクシャリティの偏見や差別 同時にその力関係の中で生きる女

 

性の立場を描いた印象が強い作品で、最終的には「あれ」 との接触よってそれぞれの

 

運命が分れて行く事になります 一方通行 一方通行 好みはあるでしょうが、思っていたよりも

 

サスペンス風に描かれる人間ドラマが面白くて意外でした そしてタイトルにもなっ

 

ている「あれ」ですが イカ どうせなら全容を見せない方がミステリアスで良かった

 

のでは はてなマーク という気がしてしまいました。  

 

 

 

 

ま、好みの問題ですが、「触手」 というタイトルから期待するものが大きければ大き

 

い程、「これじゃない」 感が大きい内容かも知れませんし、ヌードや性的なシーンも

 

多くありますが、エロティックに感じるものはほとんどありません まともなセッ〇

 

スシーンはどれも異様に冷淡で、情熱的なセッ〇スシーンは アンヘラとアレハンドラ

 

の男性同士の交ぐわいと、見せ場の一つでもある 多種類の生きものの交尾場面 (これ

 

をどう撮影出来たのかが、最大の謎であります) ♂♀ となっております そしてあ

 

の場面を観たら 手 イザベル・アジャー二の「ポゼッション」や「北斎漫画」を思い出

 

してしまいました   波 ゲテモノ系映画を観たい方にはお勧め出来ませんし、感動ド

 

ラマを観たい方にもお勧め出来ない絶妙なバランスの作品ですが、私的には楽しめた

 

作品でございました。18禁 の映画ですが、ちょっと風変わりな作品をご覧になりたい

 

方は、この機会にでもちょっと手を伸ばして頂きたい作品でございますです  

 

では、また次回ですよ~! パー