アメリカの管理された文明社会を嫌悪する発明家のアリー・フォックスは、家族六人で中米のホンジュラスに移住した 彼らが辿り着いた場所は、ほとんど手つかずの密林“モスキ-ト・コースト”まさしく文明とは無縁の環境の中、一家総出で理想の地の開拓に励んでいく やがて、発明家としての才を生かし巨大な製氷機を作り上げるアリー そんなある時、一家の前に3人の武装した男たちが現われる しかし、彼らを製氷機に閉じこめるものの間もなく爆発しアンモニアが流出、ジャングルを汚染してしまう やむなくジャングルを離れ、海岸に移り住むアリーたちだったが、、、

 

 

 

 

 

 

こちらは1986年制作の アメリカ映画 アメリカ です(117分)

 

「刑事ジョン・ブック 目撃者」 「いまを生きる」 等の監督 ピーター・ウィアーが、

 

正にこの2本の作品の間に撮ったのが本作になります  そして主演も前作に引き続

 

き ハリソン・フォードを起用して、「ジョン・ブック」 ではアーミッシュの世界へ潜

 

入捜査する刑事のお話でしたが、今回は文明社会を捨て、ジャングルの世界へと挑む

 

男と家族を描いたもので、テーマ的に近い 異文化の中に入った人間のリアクションに

 

ついての映画となっています。ハリソン・フォードの他にもリバー・フェニックス、

 

ヘレン・ミレン 等が出演されています

 

 

 

 

Movie  そしてこの映画を一言でいうなら、こんな父親は嫌だ ビックリマーク という内容の作品で

 

す。日頃からアメリカや、文明社会に嫌気が差していた 発明家で多くの特許を持つ ア

 

リ―は遂に家族 (妻、長男チャーリー、次男ジェリー、双子の姉妹) で中米のモスキ

 

ートコーストに移住する事にします 買い取った土地は、家族が思っていた以上に非

 

文明的で、地元住民と住居から作らなければならない状態でした キノコの家 なんとか家や

 

畑と作り上げ、生活は出来るまでになります 最後の仕上げに、アリーは自らの発明

 

品である巨大な製氷施設を作り上げ 会社 歓喜します 

 

 

 

 

そんなある日、銃器を持った3人の白人男が現われアリ―の家に居座るようになりま

 

す 家族の危険を感じたアリーは、3人を製氷施設に閉じ込め殺害しようとしますが

 

機械を起動すると中から銃撃を始める男達 次の瞬間、施設は爆発を起こし、住居や

 

作り上げてきたものもろとも焼き尽くされてしまいます メラメラ 爆発によって汚染され

 

てしまった土地を離れる為、ボートに乗って川を下り海岸へとたどり着く一家 海

 

 

 

 

地元民の誘いを断り、頑なに自分達で生活しようとするアリー その姿に子供達すら

 

疑問を持つようになります 数日が経った夜、嵐がやってきて再び家族を襲います 

 

かろうじていかだ状の舟で生き延びた家族でしたが、アリーは再び舟で川を上流へと

 

向かうのでした。あてもなく上流へと進んで行く舟 川 食料も尽きかけたその時、

 

以前出会った伝道師の教会を見つけるのでしたが、、、十字架・黄色

 

 

 

 

映画が始まってから、父親であるハリソン・フォードは、ずっと饒舌に喋りつづけて

 

います。そこでこの男の異常性がやや垣間見えるのですが、それを子供達が聞かされ

 

ている状態は洗脳に近いものを感じます 伝道師に対しても 「聖書は神のマニュアル

 

本 無駄な本だ」と侮辱し、地元住民には 「物が朽ち果てるのを許しておくのは罪悪

 

だ、その気になれば物は壊れることなく長持ちする   満腹なのに食い、飲みたくない

 

のに飲み、役に立たない物を買い込み 役に立つ物を捨てる 人間には脚が8本と胃が2

 

つあるのか?」 と自慢げな持論を展開します。 

 

 

 

 

自分は常に正しく、正義であるかのような危険な思想を貫き通そうとする事で、家族

 

を危険に巻き込んでいる事に気付かない父親 それをする事が、家族の幸せになると

 

信じて疑わない男の恐怖映画でもあります そんな父親を見つめる長男チャーリーの

 

視点で描かれているのですが、彼の中に映る父親像が徐々に変化していく過程は、父

 

親と子供の関係から 男と男 という、チャーリーの成長物語にもなっています 筋肉

 

 

 

 

このアリーを長とする家族という名の小さな社会が起こす、突飛な行動を背景に、文

 

明社会や宗教といったものの価値を再認識する事になります ちょっと哲学を感じさ

 

せる脚本は「タクシードライバー」 の ポール・シュレイダーによるものであります 

 

時折 「地獄の黙示録」 がチラチラと顔を見せますが、後半のハリソン・フォードの狂

 

気の演技も見物ですが、リバー・フェニックスの繊細な演技も素敵でございます  キラキラ

 

 

 

 

夢見ていた自然の生活は想像以上に過酷で、現実的にはあまりにも無慈悲であり、人

 

間の存在などはアリよりもか弱いのでありました 現代人の思い上がりを一蹴する自

 

然の怖さをまざまざと見せつけられるのでした 雷 映画はこのようなセリフで締め

 

くくられます 。

 

 

 

 

「父を信じていたとき 世界は小さく老いたものに感じていた 父を失った今、父を愛

 

することを恐れず 世界は限りなく広い、、、」 

 

もし興味が湧きましたら、ご覧になってみて下さいませです  目

 

では、また次回ですよ~! パー