2014年、人類は急速に進行する温暖化を食い止めるため、人工冷却物質の散布を実施 しかしそれは予想外の結果を招き、地球は氷河期に突入してしまう やがて人類を含めほとんどの生物は死に絶え、17年後の2031年、“スノーピアサー”と呼ばれる列車の中で生活する乗客たちだけが人類のすべてとなっていた その列車は永久機関のエンジンを積み、1度も止まることなく1年をかけて地球を1周する“走る箱舟” その前方車両では富裕層が優雅に暮らす一方、後方車両に押し込められた貧困層は劣悪な環境で虐げられ、忍従の日々を送っていた、、、
こちらは2013年制作の 韓国 アメリカ
フランス
の合作映画です。 (125分)
フランスの グラフィックノベル を原作に、「殺人の追憶」「母なる証明」のポン・ジ
ュノ が監督した作品という事で、これは観ねば!と思いまして お取り寄せしてみま
した
いわゆる デストピア映画でありまして、温暖化の進む地球にストップをかけよう
と、大気中に薬品を散布した所 思った以上に冷えてしまって地球は氷河期のよ
うになってしまいました 生物は死滅してしまいます それを見越していた科学
者の ウィルフォードは永久に動き続けるエンジンを開発 1年で大陸を一周する列
車 スノーピアサー に最後の人類を乗せ、ノアの箱舟のような状態で17年、走り続け
ていました
但し、この列車には身分によって乗車位置が決まっていて、前の車両に行く程 富裕層
の人間が暮らしており、最後尾には貧困層が劣悪な環境で、囚人のような生活を強い
られていました 最後尾の住人 カーティス は、自分達を苦しめる理不尽な支
配に立ち向かうべく、仲間と共に反乱を企て、最前列の車両に居るといわれるウィル
フォードを目指して進んで行くのでありました、、、
ポン・ジュノ監督が英語で撮影したという事で、どのような化学反応を起こすのか?
を期待した作品でありましたが、そこは微妙な出来となっておりました (あくまで個
人的にですぞ)映画もいわゆるマンガ原作ですので、かなりぶっ飛んだものでして、
理詰めで考えながら観ると疲れます 作品の世界観に入り込んで、同じ乗客にな
って楽しむのが一番です。
最下層車両から、一つ一つ扉を開けて行く度、警備隊の車両でバトルをしたり、最下
層の人達が食べていた プロテインバーなる食料の生産所を抜けたり この食料(正に日
本のようかんそのもの) の原料が と、驚く場面でしたが、私には普通に将来的に
あり得る事に思えてしまいました ( 映画ソイレント・グリーンよりはましです クレ
イジージャーニー感 )
魚達を飼育している水族館のような車両や、野菜を育てている車両、何故か 寿司バー
の車両や、サウナ車両、ラウンジ車両、クラブ車両 子供を教育している車両
と、扉を開く度に全く別の世界が広がりヴィジュアルで楽しませてくれます
先頭車両については、これからご覧になる方の為に触れない事にいたしまして、根底
にあるテーマは 貧富や差別、階級や平等、それに付随する思想だったりするのですが
そこをあまり深く考えなくても良いように、時折ユーモアを交えて展開していきます
何せ、主演は クリス・エヴァンス ですが (Gifted を観ていたのに気付かない私 最近
の俳優さんは皆、同じに見えてしまうのは歳のせい?) それより印象に残るのは、最
下層に指示をする嫌な女性総理を演じる ティルダ・スウィントン (出っ歯と眼鏡で、
強烈なキャラ) のオーバーアクトに釘づけです 他にも オクタヴィア・スペン
サー、ジョン・ハート、ソン・ガンホ、エド・ハリス とかなりの豪華さであります
意外にも、ソン・ガンホ が画面に映っている方が、何故か映画が落ち着いて見えたり
するのでした、、、
韓国映画のポン・ジュノ 作品を期待すると戸惑いますが、列車内だけで巻き起こされ
る、アクションSFサスペンス映画として観れば楽しめる作品でございます 最後は
正にノアの箱舟 となるのでありました
過去には「グランブルー」「レオ
ン」 といった作品を作ったにもかかわらず、、、の、リュック・ベッソン のようにな
らないよう ポン・ジュノ監督には頑張っていただきたいものでございます という
事で、もし興味が湧きましたらご覧になってみて下さいませです。
では、また次回ですよ~!