新鋭ゲーム会社で敏腕女社長として辣腕を振るうミシェル 彼女はある日、ひとり暮らしをしている自宅で覆面をした男に襲われる 男が去ると、何事もなかったかのように振る舞い、訪ねてきた息子を迎える その後、ミシェルの行動を監視していると思われる嫌がらせメールなどから、レイプ犯が彼女の身近にいると確信するミシェル それでも幼いときのトラウマから、決して警察に頼ろうとしない彼女は、自ら犯人探しを始める。そんなミシェルの周囲には、犯人になりうる動機を持つ怪しげな人物が何人もいたのだったが…。

 

 

 

 

 

 

こちらは2016年制作の フランス映画 フランス です(131分)

 

この年の カンヌ国際映画祭 のコンペティション部門にノミネートされ、受賞こそ逃し

 

したが主演の イザベル・ユペール 共々、評論家からは高い評価を得た作品で、DVD

 

化されたら(劇場で、じゃない所がなんとも、、、) 観たい作品の一本でした disk

 

 

 

 

基本サスペンス映画という体をなしている本作 私も宣伝やキャッチコピーのイメー

 

ジで、レイプ被害にあった主人公の女性が、復讐する おどろおどろしい作品であろ

 

う、と予想しておりましたが、その期待は、違った形で裏切られる事になりました 

 

タイトルの 「ELLE」 とは彼女という意味だそうです  キスマーク

 

 

 

 

Movie ゲーム会社の女社長 ミシェル は裕福な邸宅に一人で暮らしていましたが、ある日

 

の午後 窓から侵入した覆面男にレイプされてしまいます 男が去った後、騒ぐ事も無

 

く ゆっくりと起き上がり 割れたカップ等を片付け始めます 警察にも届けようとしな

 

い彼女の落ち着き払った行動に、見ているこちらが少なからず恐怖心と疑問を抱いて

 

しまう程です 滝汗

 

 

 

 

その後も自宅のセキュリティを強化する事もなく (催涙スプレーと、凶器は購入) 普

 

段どうりに生活を続ける ミシェル 彼女の生い立ちと、プライベートは複雑で、父親

 

は 彼女が幼い頃、大量殺人を犯し終身刑に 以後一度も合っていません その報道や警

 

察の対応により、それらのものを信用しないようになっていました パトカー 母親は整形

 

しては、ミシェルより若い男を恋人に自由暮らし そのミシェルは、親友の旦那と愛

 

人関係ですが、愛情もなく もう嫌気が差していました 元の旦那は、若い恋人が居ま

 

すが微妙な雰囲気で 息子は礼儀を知らない恋人と、出来ちゃった婚をする始末 ママ

 

 

 

 

会社での ミシェルは社員に、自分の意見をズバズバ言う事から敬遠されがちで、社内

 

のパソコンには、彼女の顔を貼り付けたゲームキャラがレイプされる映像が流され、

 

犯人は社内にいるのではないかと疑念を持つようになります  そんなある日、再び

 

自宅に覆面男が現われ、襲われそうになりますが、たまたま落ちていたハサミで反撃

 

します ハサミ そして覆面を剥ぎ取る事に成功 オペラ座の怪人 しかし彼女はわずかに動揺するだ

 

けで、又同じように日常を過ごします ミシェルのメンタルの強さといい、大人同士

 

での普通に交わされる下ネタ、動画を作った人間への屈辱的な冷めた態度と、あまり

 

に無感情な態度や表情に、ブラックなコメディにすら感じてしまうのであります 

 

 

 

 

ラスト、向かえの妻からの言葉や、自ら親友の浮気相手が自分だったと告白したもの

 

の、その後 シングルになった親友からの同居の申し入れを楽し気に受けるミシェル

 

ここに登場する人物達は皆、日本人の私などから見ると、どこかしら異常な面を持っ

 

ているように感じます 老若男女に関わらず 「性」 というものが常に同居していて、

 

生きる基準の一つであり それによって、裏の人間関係が形成されているという 表面

 

的な世界と、裏の世界を持つ事こそが、大人の世界である と言われているような気に

 

なります  サスペンス映画の皮を被った人間ドラマであり、人間関係というものの

 

エゴと恐怖を描いたブラック映画となっています デビルハート

 

 

 

 

鑑賞後のクレジットで気付いたのですが、本作を監督したのがあの 「ロボコップ」 

 

「氷の微笑」 「トータル・リコール」 の ポール・バーホーベン でありました 当初

 

はアメリカで撮ろうとしたそうですが、この役をやりたがる女優さんがいなくて、フ

 

ランスで撮影となったようです本作で監督のランクを上げた バーホーベン でありまし

 

た メガホン

 

 

 

 

そして何より本作の顔、主演の イザベル・ユペール 嬢の凄さであります 御年 65

 

歳にも関わらず、男性にレイプされるという役を演じ、ヌードシーンや、既婚男を誘

 

惑する場面と、難なくこなしてしまうこの女優さん 彼女の存在こそ サスペンス なの

 

でした 真顔  派手なショッキング演出はないものの、ジワ~っと襲う怖さがあります 

 

この映画こそ、女性男性 という垣根を越えた、ある種 真の ジェンダーレス映画 では

 

ないでしょうか 

 

では、また次回ですよ~! パー