エルサレムで華麗に事件を解決した名探偵のエルキュール・ポアロは、イギリスでの事件解決を依頼され、イスタンブールでの休暇を切り上げ、急遽、豪華寝台列車オリエント急行に乗車する ほどなくアメリカ人富豪ラチェットから、脅迫を受けているからと身辺警護の依頼を受けるが、これをあっさりと断る ところが深夜、雪崩で脱線し立ち往生してしまったオリエント急行の車内でそのラチェットが何者かに殺害される。鉄道会社から調査を依頼されたポアロは、列車は雪に閉ざされており、犯人は乗客の中にいると確信、一人ひとりへの聞き込みを開始する しかしやがて、乗客全員にアリバイがあることが明らかになるのだったが…。

 

 

 

 

 

 

こちらは2017年制作の アメリカ映画 アメリカ です(114分)

 

ミステリー作家 本 アガサ・クリスティ の作品の中でも、最も映像化されたされてい

 

るであろう「オリエント急行の殺人」 映画としては、1974年の シドニー・ルメッ

 

ト監督版があります 原作は未読でありまして、その1974年版の映画でしかこの

 

作品を知りません その上このシドニー・ルメット監督作が大変良く出来ていて、私

 

のお気に入り映画の一本なのです。ですが、今回はそれとはなるべく比較せず、同じ

 

原作小説の新作映画として鑑賞致しました。これ程有名な作品を再度映画化するのは

 

当然原作が大変面白く、良く出来たプロットが魅力であると同時に、今回はどんな違

 

ったアプローチをしているのか?に興味を魅かれるアガサ・クリスティファンが多く

 

製作側もそこが腕の見せ所で、モチベーションでもある所です。

 

 

 

 

Movie 映画はエルサレムの 嘆きの壁  おじゃま での窃盗事件を ポアロ が解決するという、ポ

 

ワロの一癖あるが (朝食の卵の大きさの違いにこだわったり 卵 片足で踏んでしまっ

 

た糞を うんち 均等にする為、もう片方の靴でも踏むという奇人ぶり、この 均等でなけれ

 

ば気が収まらないというこだわりは後半で大きく意味を成す構成となっています) 大

 

変有能という、映画オリジナルのキャラ紹介事件から始まります ヒゲ

 

 

 

 

休暇の為、イスタンブール行きを計画」していましたが、イギリスでの事件の要請を

 

受けてフランス行きのオリエント急行に乗車することになります 西鉄300形(未更新車) 社内でくつろ

 

ぐポアロに話しかけてきたのは、大富豪のラチェット 脅迫を受けているという彼は

 

ポアロに身辺の警護を頼みますが、ポアロはラチェットの要請を断ります​​​​​ 深夜、雪

 

崩のために脱線事故を起こし、山腹の高架橋で立ち往生する中、ラチェットが12ヶ

 

所も刺され死体で発見されます 車両にいたのは、教授、執事、伯爵、伯爵夫人、秘

 

書、家庭教師、宣教師、未亡人、セールスマン、メイド、医者、公爵夫人、車掌と13

 

人が乗車 共通点は目的地 その状況でポアロが事件の解決に奔走する事になります

 

 

 

 

本作でポアロを演じるのは、イギリス人俳優の ケネス・ブラナー が監督も兼任してお

 

り、今まで映像化されたポアロの中でも、最もイケメンでスマートです 劇中では中

 

途半端ながらアクションシーンまでこなす、新たなポアロ像に挑戦しています197

 

4年版と同様、オールスターで構成されておりまして、ジョニー・デップ、ジュデ

 

ィ・デンチ、ペネロペ・クルス、ウィレム・デフォ―、ミシェル・ファイファー、そ

 

して「スターウォーズ」のレイを演じている デイジーリドリー ライトサーベル  という豪華な出演

 

者達が共演しています キラキラ

 

 

 

 

今作の特徴は、他の作品とは違い、停車した列車の外に出ての捜査や、尋問、陸橋の

 

上という場面を使ったアクション等、列車の外を有効に使って画的に新しさを見せて

 

います。衣装、列車の内装等とても美しい画面で魅了してくれますが、かなり実写で

 

撮影しているにもかかわらず、CGで加工が施されてしまっていて、逆に殆んどがC

 

Gに見えてしまっているという逆に残念な仕上がりとなっています CGに抵抗が無

 

い方には気にならないかと思いますが、、、  

 

 

 

 

肝心の捜査でありますが、殺されたラチェットの部屋に 燃やされた手紙が残されてお

 

り、そこから解読されたのは 「小さいデイジー・アームストロングのことを忘れ」 と

 

いう言葉でした ラチェットはかつて、富豪アームストロング家の令嬢である幼いデイ

 

ジー・アームストロングの誘拐殺害犯であることが判明します。

 

 

 

 

その事件では第1容疑者であるデイジーの子守り役の少女が投身自殺、身重のアーム

 

ストロング夫人も事件のショックで早産して母子ともに死に、夫のアームストロング

 

大佐は夫人の後を追って自ら命を絶つという、痛ましい事件として世間でも有名な事

 

件でした。 そして本作では生前のアームストロングから、ポアロが捜査の依頼を受

 

けていた、という新たな要素も追加されていて後半の決断にもそれが影響し、感傷的

 

で人間的 なポアロ像が強調されている所が、本作の特徴でもあります  尋問の場面で

 

もかなり感情的になります。 ムキー

 

 

 

 

後半で、ある人物を犯人と特定します その為、至近距離で銃撃を受ける事になるポ

 

アロ銃弾はかすめる程度で済みますが ドンッ銃  これはポアロが誤ったのか、あえてミス

 

リードさせて反応をみるためだったのか、モヤモヤしたまま結論は劇中では不確かで

 

ありましたが、この場面は映画オリジナルのエピソードでありますが、それによって

 

映画に面白い効果が生まれているかと言うと そうでもなくちょっとしたアクセント止

 

まりになっていて残念です。そして、ポアロが犯人にたどり着く過程が、いま一つ観

 

客である「こちら」 と距離があり、一緒に事件の解明をするという醍醐味は、かなり

 

薄く 天才ポアロとの隔たりを感じてしまいます 脳みそ ラスト、ポアロは 大変有名な

 

ある二つの仮設を思いつきます ここで最も本作の大胆なアレンジがされています 

 

その仮説を乗客の前で披露する場所は、ナント!雪の積もる屋外のトンネルの前 (寒

 

そうですが、何故外なのか?その理由はスルーされてます)

 

 

 

 

天城越え 長テーブルに、横一列で座った一等列車の乗客達 その絵面は ダヴィンチの 最後

 

の晩餐のようであります デスク この意味深な構図を作り出す為に、不自然にも雪積も

 

る外で、ラチェット殺人に至る、経緯の推理を披露する事となります 乗客であり、

 

容疑者である乗客を前に熱弁を披露するポアロ シェイクスピア俳優の ケネス・ブラナ

 

ー らしい舞台的な演出です そしてここでも映画オリジナルの拳銃を使った、エモー

 

ショナルな場面が用意されていました 銃  

 

 

 

 

最後は、ポアロも同等に自らの罪に対しての 贖罪行動 のような解釈にアレンジされて

 

います ユーモアは少なくなっていますが、大筋のストーリーには変更はなく、エン

 

ディングを迎える事となりますが、そこでも感傷的な音楽が流れ(ちょっと押しつけ

 

っぽいとおもってしまった私)  音譜  ポアロの人間的な感情の部分が強調されたシーン

 

に仕上がっています そしておまけに、列車を降り立ったポアロに、警察らしき人物

 

が近寄り言います。  そこで ナイル川で起きた殺人事件の依頼をうける という終わ

 

りとなっていて、上手くいけば次回作もあるという事です。 

 

 

 

 

ただし、この順番も以前製作された順番通りなので、そこまで同じものを追っていか

 

なくても、、、映画化されていない作品が観たいのに、、、残念です。元のプロット

 

がちゃんと面白いもの 本 ですから、初めてこの 「オリエント急行殺人事件」 をご覧

 

になる方ならお楽しみ頂けると思います ウインク 豪華な装飾と、料理と衣装と殺人事件

 

もう一人の乗客として乗車してみてはいかがでしょうか はてなマーク です

 

では、また次回ですよ~! パー

 

 

 

 

 

 

 

こちらがシドニー・ルメット版です ゴージャスでロマンティックであります