1993年初夏、アーカンソー州ウエスト・メンフィス。こののどかな田舎町で、３人の児童が無惨な姿の死体となって発見されるという前代未聞の猟奇殺人事件が発生する。やがて全米が注目する中、３人のティーンエイジャーが逮捕される。警察は、その猟奇的な犯行の手口から悪魔崇拝者の仕業と考え、オカルト好きでヘヴィメタ・ファンの問題児ダミアンとその仲間たちが容疑者として浮上したのだった。そんな中、警察の捜査に疑問を抱いた私立探偵ロン・ラックスは、自ら独自調査に乗り出す。一方、被害児童の一人スティーヴィーの母親パムもまた、真犯人は別にいるのではないかとの疑念に苛まれていくのだが…。
こちらは２０１３年の アメリカ映画 
です（１１４分）
１９９３年 実際にアメリカの ウェストメンフィス で起きた事件の、同名のノンフィ
クション「デビルズ ノット」（訳すと 悪魔の結び目、紐がからまる、もつれる とな
るようで、劇中遺体を、ある物で縛ってあった事にもかけてあるのかも知れませ
ん） を基に映画化された作品で、以前ご紹介した 「手紙は憶えている」 や、「スウ
ィートヒアアフター」のアトム・エゴヤンが監督をしております レンタル当初 サス
ペンスフルな作品かと思って観たのですが、ガッツリと 裁判と、それにまつわる人間
模様がメインのお話でありました ま、コリン・ファース が主演だからいいや なので
すが、、、 
事件が起こり、裁判が始まって行くのですが、とても書き入れない内容ですので掻い
摘まみますが、メンフィスの片田舎で、８歳の少年３人が自転車 
で出かけたま
ま行方不明になります、夜のうちに警察に届けを出しますが、動いたのは翌日でした
少年達が行方不明になった同じ夜、近くのレストランからも通報がありました 店の
女子トイレに血まみれの黒人が入って来た、というものでしたが 警察が駆けつけた時
にはもう姿を消していました。
朝から少年達が向かっていた森を捜索し始めると、森の川に靴が浮かんでいるのを見
つけます 
川へ入り、川底を探し始めると、探していた３人の遺体が発見されます
特に一人の損傷が激しく、殴打、刺し傷、そして睾丸が切り取られ、３人共 裸にされ
後ろ手に手足を靴ひもで縛られ、えび反った状態 で沈められていたのでした 
地元警察はろくに捜査もせず、ある少年の証言を基に、以前から目を付けていた３人
の１０代の少年を事情聴取して逮捕します その理由は 黒魔術 やヘヴィメタルが好き
で個性的な服を着ていました 少年鑑別所に行ったことがあること、動物を殺してる
噂があることから世間や警察の人達は彼らを悪魔崇拝者と呼んで死刑に追い詰めてい
きます ニュースで事件の事を知った調査員のロンは、彼ら３人の弁護団に協力をす
ることにするのですが、、、
映画が描き出すのは、事実よりも偏見 が真実を歪めて行く過程です、警察の偏った捜
査や定かでない証言によって、田舎のコミュニティから浮いた存在の若者達にまるで
罪を着せようとしているような人々 被告に有利と思われる物的証拠を紛失する等、
ずさんさが明るみになるにも関わらず、です 悪魔崇拝をしていたとする少年等を、
逆に 魔女裁判 のように進んで行く事に、司法 
というものの恐怖すら感じてしまい
ます そしてこれが９０年代の出来事という事実にも驚きを隠せません
証言は ２転、３転して行きますが 調査員のロンと弁護士の努力もむなしく判決が下さ
れます 中心的人物の少年は 死刑、残る２人は 終身刑 という判決が下ります 
事件の夜の血まみれの黒人 
については現在でも謎のままになっています
映画はその後に出て来た物証や、偽証について触れられた状態で幕を閉じます 外見
や、噂の偏見 と 集団心理 によって下された判決として、一部からは 冤罪 だという声
が起こり、現在でもこの事件を 冤罪 と考えている人達は大勢います
2011年8月19日、少年だった彼等は、無実を主張しつつ有罪であることを認める司法
取引に応じ、10年の執行猶予で釈放されました 結果的にそれまで懲役はそれぞれ18
年をつとめました （そのうちの一人は無実を主張し、司法取引に応じようとしなかっ
たのですが、一人の死刑執行が間近に迫って居た為、同意したそうです） 未だにこ
の事件を追っている人も存在します
観終わってからも、モヤモヤしたままの気分になる作品ですが、実話物、裁判物、そ
して、コリン・ファース、リ―ス・ウィザースプーン がお好きな方はご覧になってみ
てはいかがでしょうか 
ちなみにこの事件は俗に 「ウェスト・メンフィス ３」と呼
ばれていますので、興味があれば検索してみて下さいませです
では、また次回ですよ～！ 
