ケベックにある小さな寄宿学校。カトリックの修道院が経営し、音楽教育に力を入れている名門女子校だったが、財政難で廃校の危機に。修道院の総長からは出費のかさむ音楽教育をやめるよう求められるが、校長のオーギュスティーヌはこれを拒否し、自分たちで学校を守り抜くと心に誓う。そこへ、オーギュスティーヌの姪アリスが転校してくる。ピアノの才能に恵まれたアリスだったが、心を閉ざした問題児でもあった。そんな中、学校の存続を世論に訴えるべく音楽イベントの開催を計画するオーギュスティーヌだったが…。

 

 

 

 

 

 

こちらは2015年制作の カナダ映画 であります カナダ (103分)

 

修道院や寄宿学校を舞台にした映画はこれまでにも沢山あります 有名なモノには 

 

「天使にラブソングを」 や, 個人的な趣味では 「俺たちは天使じゃない」 や 「薔薇

 

の名前」 以前ご紹介した 「小さな悪の華」 等 様々な視点による作品が存在します

 

今作は1960年代を舞台に、財政難を理由に廃校になろうかという 修道院が経営す

 

る名門女子校 で巻き起こる人間同士の葛藤や、修道院総長と、いち学校の校長との

 

確執  経営利益と教育という理想の温度差 を決して重く捉えるのではなく、時にユー

 

モアを交えて語りかけてくる作りとなっています

 

 

 

 

そんな財政難の学校では、校長指導の下 音楽教育 に力を入れていました そこへ校

 

長の姉の娘 アリス が転校してきます 彼女はピアノは上手いのですが、規律の厳しさ

 

に中々馴染めず、よく問題を起こしては注意される日々 アリス の学校生活と、叔母

 

にあたる校長の学校を存続させようと奔走する姿と、彼女の過去が同時に描かれて行

 

きます 学校 ホーリークロス

 

 

 

 

映画の作りとしてはオーソドックスではありますが、劇中の細かなシーンに魅力的な

 

モノが沢山あります 生徒以上に個性的なシスターの面々、年配シスターのバイタリ

 

ティー溢れる行動、改革によって長年着ていた修道服が現代的になり、生徒達に食堂

 

で祝福される場面、憎たらしい女性修道院総長 等々 そして何といっても 音楽 であ

 

ります  

 

 

 

 

初めてアリスが校長の前で、ピアノでバッハの曲を自分でジャズ風にアレンジして披

 

露する場面や、閉鎖を阻止しようと、報道陣を呼んで皆で披露する讃美歌のシーン 

 

ピアノ演奏や讃美歌のシーン等は、実際に本人が演奏しております アリス役の ライ

 

サンダー メナードは、地元カナダではかなり有名な ピアニスト だそううで カーネギ

 

ーホール等でも演奏した実力ある方のようで、今作が映画デビューになるそうです、

 

その独奏は見ているだけでもうっとりとしてしまう程であります  ぴあの 音符

 

 

 

 

演奏される曲や、流れる音楽は ショパンの 別れの曲 を始め、バッハ、モーツァル

 

ト、ラヴェル、ドビュッシー、ベートーベン、ヴィヴァルディ と、ピアノや讃美歌が

 

お好きな方にはたまらないかも知れません ひとつ残念な事は、生徒の個性があまり

 

描かれていない事でしょうか

 

 

 

 

その分、校長の オーギュスティーヌ に時間が割かれているのですが、学園ものの見所

 

である、生徒のエピソードももう少し見たかったという、贅沢なわがままでありまし

 

た。私個人としては、音楽もいいのですが、あるシーンに とても映画的なものを感じ

 

て印象深いシーンがあったのですが、それは、アリスの母親が病院で亡くなってしま

 

うのですが、それを妹である校長が アリスに告げる場面です 引きの画で、大きな木

 

が立ち並ぶ田舎道を、二人が歩いて来ます  木ライフ杉の木木  しばらく並んで歩いた後、事をア

 

リスに告げたのでしょう、アリスが泣き崩れます それを後ろから抱きしめる校長

 

の オーギュスティーヌ この場面に音楽もセリフも聞こえません 映像と木々を揺らす

 

風の音だけが、かすかに聞こえるだけです 何故か私は、こういうシーンに映画を感

 

じてしまうのであります

 

 

 

 

そして、こういった映画のエンディングは 往々にして予想されるものですが、この作

 

品はただ、ハッピーで幕を閉じる という終わりではない終り方になっています 勿

 

論、希望が持てるエンディングですが、、、 キラキラ

 

そんな訳で、小品で、ありがちな作品と言えてしまうかも知れませんが、それで済ま

 

すにはもったいない作品だと思いますので、機会があったらご覧になってみて頂きた

 

い作品でありまするです

 

では、また次回ですよ~! バイバイ

 

 

 

 

 

 

 

アリスが初めて人前で演奏する場面です ジャズ風バッハ 自身での演奏をお聞き下さい