アブハジア自治共和国のエストニア人集落。この集落ではみかん栽培が盛んだったが、ジョージアとアブハジア間の紛争により、多くの人が帰国してしまった。しかし、みかんの収穫が気になるマルゴスと、みかんの木箱作りのイヴォの2人は集落にとどまっていた。ある日、マルゴスとイヴォは戦闘で負傷した2人の兵士を自宅で介抱する。1人はアブハジアを支援するチェチェン兵、もう1人はジョージア兵で、彼らはお互い敵同士だった。同じ家に敵兵がいることを知った兵士たちは殺意に燃えるが、イヴォは家の中では戦わせないことを告げ、兵士たちは戦わないことを約束する。数日後、事実上アブハジアを支援するロシアの小隊が集落にやってきた。

 

 

 

 

 

 

こちらは2013年に制作された エストニア  と ジョージア  の合作映画で

 

す (87分) 2015年アカデミー外国語映画賞にノミネートされた作品であります

 

 

 

 

アブハジア紛争 と言っても、日本人の私達にとっては (私だけかも知れませんね) 

 

遠い異国のお話で、何が行われていたのかを全く知らないのですが、ソ連が崩壊し、

 

その共和国だった ジョージア は独立しますが、ジョージアの中での民族対立が紛争に

 

まで発展する事になります ジョージアに属する アブハジア共和国 には 宗教、言語

 

など独自のアイデンティティを持つ アブハズ人 が居住していましたが、アブハジアの

 

統合を主張するジョージアの民族主義者に反発して1992年、独立を宣言 それに

 

よって、ジョージア と アブハジア の紛争が始まることとなったそうであります い

 

わゆる民族紛争であります  ドンッ  戦車

 

 

 

 

と言う背景の中、エストニア人集落に残りつづけて みかんの栽培をしている マルゴ

 

ス とみかんの木箱を作っている イヴォ の二人、戦火が激しくなる中、二人はその土

 

地に残っていたのでありました そんなある日、イヴォ の家の前で チェチェン兵 

 

と ジョージア兵 の交戦があり、相撃ちになりますが チェチェン兵 の アハメド が傷

 

を負いながらも生存していました そして ジョージア兵 の 二カ も頭に負傷を負いな

 

がらも一人、生きているのでしたイヴォ は何のためらいも無く、マルゴスと共に 自分

 

の家に運び入れ、看病する事となります 二人の兵士は回復し始めると互いに反目し

 

合い、アハメド は ニカ を殺そうとします

 

 

 

 

しかし イヴォ は 「この家に居る限り殺し合う事は許さない」 と二人に約束させます

 

命を救われた手前、その決まりだけは守る事を誓う二人 そんな日、イヴォ の家にチ

 

ェチェン兵の自治団が顔を出しにやってきます ニカ をかばう為、頭の傷の為言葉が

 

喋れないと嘘をつき ニカ を守ります そんな状況の中でも 淡々と日常を過ごす イヴ

 

ォと マルゴス一つ屋根の下、そんな二人の生活を見てか、アハメド と ニカ の関係も

 

少しずつながらも融和を見せ始めていました しかし、アハメド が外で巻き割りを手

 

伝っていた時、ジョージア派の乗った車が訪れます アハメド を見つけると、ジョー

 

ジアの言語で話しかけます

 

 

 

 

アハメド と巻き割りをしていた マルゴスは ジョージア の言葉が分からないのをごま

 

かそうとするのですが、ジョージア派の兵士は アハメド に詰め寄ります そして遂

 

に 敵の兵士だと確信した ジョージア派の兵士が発砲を始めるのでありました、、、

 

87分という、短い上映時間ながらとても濃密な内容となっております 勿論、反戦

 

映画ではありますが、戦闘場面はごく限られた描写で、多くの時間は 老人の イヴォ 

 

と マルゴス の淡々とした、それでいて力強い日常の生活が描かれて行きます 

 

 

 

 

すぐそこには戦火が迫ってきているというのに、この家の中では普通の時間が流れて

 

います いえ、あえて普通に過ごす事で、戦争という愚かしい行為を跳ね除けている

 

ようにも感じます 常に被害をうけるのは、こういった一般市民なのであります 領

 

土とは、人種とは?という戦争の基本的問題と疑問を、このミニマムな空間と言葉に

 

よって、声高で押しつけがましくない表現で見事に表してくれています その分、じ

 

わ~っと染み込んでくるのです 

 

 

 

 

地味で小規模な小品で、見逃してしまいそうな映画ですが、とても充実した濃い内容

 

の作品でありますので、観る機会があればご覧になって頂きたい作品でありますです 

 

では、また次回ですよ~! バイバイ