満員電車が好き、という人ってなかなかいない。
そりゃまあ特殊な趣味をお持ちの方とか、人ごみでしか成り立たない特殊な技術を生業とされている方とか、そういった人もいるにはいるのだろうけれど。

もちろん僕だって前後左右対角線を八人の釈由美子に囲まれてぎゅーぎゅーされたりしたら、あるいは宗旨替えして「線路よ続け、どこまでも」と思うかも知れない。
しかしそういったケースは非常に希でもあることだし、34歳になる今の今まで遭遇したことは無いから、今後も「満員電車は嫌」という基本姿勢に変わりはないと思われる。

さてそんな今日の満員電車の中でのこと。
図体のでかいバカサラリーマンが一人で二つも吊り革を使っているおかげで、不安定この上ない。
きっとぶら下がり健康器か何かと勘違いしているのだろう。
その上

目の前の人がコイでした。

コイといっても恋ではない。
池の水面でぱくぱくしている鯉である。
別に電車の中でガムを噛むな、とは言わないが、どうしてそう口を開けて内容物を誇示する必要がある?
大変に不愉快である。
鯉が水面でぱくぱくするのは、水中の酸素濃度が足りない時だ、というのを聞いた事があるが、なるほど鯉氏、鼻が詰まっていると見える。
その上小学生みたいにしばらく噛むと次のガムを逐次投入する。

入れ替えるのではない、追加するのである。

タダでさえ息が苦しかろうにどんどんどんどん追加して無理くりほおばるものだから、その分吸気効率は悪くなり、更に盛大に口を開けざるを得なくなる。
戦力の分散と逐次投入は戦術として最も戒められるべきもの。鯉氏は図らずも旧日本陸軍の轍を踏んで自らの首を絞めており、そしてそれを為す統べなく見守る僕の不快指数は際限なく上がっていく。

救いというものが無い。

すると僕の隣でぶら下がり健康法にいそしんでいたサラリーマン氏が同僚に

「最近の若いヤツはさ、マナーがなってないよな」

ってアンタが言うなよ!!

ああ…もうどうして良いのかわかりません汗