最近、久々に会う人たちがほぼ確実に僕に対して抱く印象は「やせたねえ」ということらしい。
僕は別段コギャルというわけではないから、公衆の面前をヘソ丸出しで闊歩したりはしないし、人に会うたびに体重計に乗っているわけでもないから、総合的に考えて、これはつまり顔が細くなった、ということであるようである。
まあ実際やせてはいるんだけど。
しかしいったいなぜ今、そんなにびっくりされるほど僕の顔は細くなっていったのか?
これはつらつら考えて見るに、現在顔中にはびこっている「ヒゲ」のせいではなかろうか。
もちろんこれは「ヒゲに養分を吸い取られている」というようなあまっちょろけた推測ではない。もし毛が養分を吸い取るというのなら、髪の長い女の人は皆一様に痩せておらねばならぬはずである。
もちろん世の中には「ロン毛のデブ」なんて腐るほど生息しているわけであるから、この推測は成り立たない。
逆説的に見れば「デブ=ハゲ」でなければならないことにもなる。
僕が着目したのは、「毛が生えていることによる保温効果と、それに伴う発汗作用」である。
僕はまあ、ご存知の方もおられるだろうが、普段とてつもなく汗をかく仕事をしているのだが、最近顔から汗が異常に流れる。それも多少なりとも整えて残してあるヒゲ周辺から、とめどもなく汗が出ているのである。
これはどう考えても「ヒゲが汗を誘っている」としか思えない。
そもそも人間をはじめとして哺乳動物全般の体を覆う体毛が体温維持を目的として発生している、というのは周知の事実であるわけなのだが、それと同時に発汗することがダイエットの近道である、というのもこれまた周知の事実である。
この二つの定理(乃至は法則)から導き出される回答はただひとつ、「ヒゲが生えたことによって余計に汗をかくようになった顔面は、その分痩せた」ということではなかろうか?
近年薬局・薬店には「顔やせジェル」みたいなものが店頭に陳列されているが、そんなものに頼らなくとも、人間には自前でダイエットアイテムが用意されているのである。
肥大した顔面に悩む全国の乙女たちよ、この今まで以上に手間のかからない(というかあえて手間を放棄する)顔やせプランに乗らない手はないぞ!!なんてったって「顔の無駄毛をそらない」、というただひとつのことを実行するだけで、憧れの小顔が手に入るのである。
む、待てよ…毛が生えて痩せるのなら、体のほかの部分にもこの法則は適用できるのではないか?
すね毛、腕毛、そしてヒゲ、さすがにワキ毛は生やす利点がないかもしれないが、これらを伸ばし放題にすることで痩せられるのなら安いもの、その上風呂場での手間まで省けるとあれば一石二鳥!
女性諸君、今こそ生やしていこうではないですか!!

まあ、それで痩せたとして、そんな毛むくじゃらの女を抱きたい男がいるのかどうかは保証の限りではないのだが。

どうでもいいけど、このよく生えるヒゲの毛根を、頭頂部に移植することってできないのかなあ…。