以前にも話したことがあるかもしれないけれども、何を隠そう、僕は髭剃りと耳掃除が大好きである。
…そんなに仰々しく言うようなことでもないのだが。
今日は十一月三日、戦国最大の英雄であり、僕の中では唯一絶対の神である武田信玄公と、高校時代からの友人であり、そしてライバルであると勝手に自認する笠兼三の誕生日であり、そして「天河異伝FE」終演からちょうど一ヶ月である。
公演が終わってから数日間、文字通り桃太郎の抜け殻と化していた影響で、すっかり髭剃りを生活からオミットしてしまった。
伸びてきたら伸びてきたで、ヒゲ面というのもそれはそれで悪くなく見えてしまう。
…ヒゲ伸びてるとイチローに似てるって言われるしね。
まあそんなこんなでちょうど一ヶ月間伸ばしたヒゲを今日剃った。
特に理由はない。
「伸ばしていたものを切る」とか言う行為にとかく理由を必要とするのは女子中高生の甘ったれたセンチメンタリズムである(しかし実際のところ、そういった「理由付け」を求めているのは、実は男の側なのだが)。
しかし耳クソはともかくとして、ヒゲは大人の男にしか生えない「女にはわからない、男だけの世界」である。
「髭剃りの爽快感」もまたしかり、そこに善悪など介在しないのである。
…一ヶ月間我慢した髭剃り…シェービングジェルを塗り、数分間放置する。
ヒゲが十分に柔らかくなったところで、愛用のジレットの刃を新しいものに換え、まずは上から下へ。
約一センチ近くにもなっているので、すぐに刃が詰まる。
洗面器に張ったお湯で刃をすすぎつつ、まずは大まかに、「剃る」と言うよりは「切る」。
洗面器に漂い、且つ浮き、且つ沈む、ヒゲを見るのもまたたのしけれ。
あら剃りがすんだところでもう一度刃を替える。
コレが「久々剃り」の醍醐味であり、且つ最高の贅沢である。
シェーバーを最良のコンディションに整えたところで、今度は下から上へ、丹念且つ丁寧に剃っていく。
あごから上唇、頬を下からなでて、抵抗がないことを確認し、残留したジェルを洗い落としてミッションはコンプリート。
風呂上りにごしごしとタオルでふき取ったあと、もう一度同じ順序で顔をなでたときのすべすべ感が最高なのである。
ああ、神よ、信玄公よ、俺が男性であって良かった、ありがとう。

…というような手順を踏んで、また明日から「男」道を驀進していこうと思うのである。