やっぱり一日遅れで風林火山でございます。今週からようやく本題に入った風林火山、今回はかなりポイント高いっすよ。
まずオープニング明け。
荒れ寺で勘助に絡む青木大膳の台詞はほぼ原作通り。
シチュエーションも文句なし!
戸を開けたあとで勘助が「孫子」に没頭しているのはかなりいただけないが(理由は後述)、「ああ、やっと風林火山になったのね」とちょっと感動した。
その後の展開もほぼ予想通りで、二重の意味で満足した。
別に僕が脚本家の先読みをしたことがうれしい訳ではない。史実と原作とオリジナル部分を鼎立させて、きちんと処理すれば当然こうなるべき、という結果になったことがうれしいのだ。
つまりは全てのバランスをきちんと取って、原作に頼らず、史実にこだわりすぎず、オリジナルが主張しすぎない絶妙の一点をついているのである。
これは非常に心地よい。
つくづく今回の脚本はすごい、そう思わざるをえない。
なかなかできねえっすよ、こう言うことは。
そして何より今回うれしかったのは、春日源五郎こと香坂弾正。
「香坂弾正」だぜ?
一般的にはこの人物、「香坂」ではなく「高坂」と書かれることが多い。
本来は地侍のせがれではなく井沢の豪農のせがれで、その美貌(!)を見込まれて、晴信公の近習として仕えたのだが、その後めきめきと頭角を現し、侍大将に抜擢され、春日虎綱と名乗る。
のち武田が滅ぼした信濃の豪族・香坂氏の名跡を継いで「香坂弾正忠昌信(こうさかだんじょうのじょうまさのぶ)と名乗った。
恐らく風林火山のクライマックスとなるであろう第四次川中島の戦いでは、川中島を制圧する武田家の拠点・海津城の城将として活躍する。
キラ星の如き武田家臣団(俗に「武田二十四将」と呼ばれる」)の中でも知名度は高く、馬場信春(劇中では現在「教来石景政(きょうらいしかげまさ)」と名乗ってます。史実通り!)、山県昌景(未登場、飯富兵部の弟。恐らく初登場の際は「飯富源四郎」として登場?)、内藤昌豊(未登場。登場時は「工藤祐豊」?)と共に「武田四名臣」と称される。
なのに表記は「香坂」ではなく「高坂」。この辺歯がゆく思っていたマニアは意外に多いのでは?
いやあすばらしい。どうせだったら真田幸隆も本名の「幸綱」でお願いしたかった!(←まだ言ってる)
そして物語は躑躅が崎館での晴信公との謁見になるのだが、ここでさっきの大問題、「勘助が孫子漬け」が浮上する。
晴信公が勘助を謁見し、その場で知行を百貫から二百貫に加増するのは割と有名なエピソードだが、その際の問答は、「そちは物の本をどれくらい読んでいるか」と言う問いに対し、勘助が「一冊も読まずに候」と堂々と言ってのけ、大人物と見込んだ晴信公が百貫加増する、というものである(甲陽軍鑑)。
「一冊も本を読まない」のが勘助のかっこよさの根幹であり、その勘助の人物を見抜く器の大きさが信玄公のかっこよさの根幹であるから、今回の孫子漬けの勘助さんはちょっといただけない。
惜しい、実に惜しい。
でもまあ何つうんすか、今回は90点てとこですかね。
来週も期待しちゃうぜ!