通勤の際、山手線の車内のモニタ画面には、眺めていれば多少の暇つぶしにはなるCM映像が流れている。
このなかのN電工のCMが、僕には何とも不愉快なのである。
いくつかのパターンがあるのだけれど、大概は液晶かなんかの薄いフィルムをつかった未来予想図的なものなのだが、どうもなんつうか…わかってねえんだなあ。
ちょっと前に流れていたのは、「表面を修復するフィルム」で、カップルが雨の中、小学校のころに埋めたタイムカプセルを掘り出す話。
掘り出したタイムカプセルからは小学校時代に描いたらしき絵(もしこれが中学校の時に書いたものであったら相当ヤバい。それくらいひどい絵である)が出て来るのだが、十数年の歳月を経て、絵はほんのりセピア色に(これもちょっとおかしい。直射日光を浴びず、空気にも触れない紙は、原理的には褪色のスピードが遅くなるはずである。)、画用紙もすみっこがちょっとぼろくなっている。
落胆する女の子に、男が一枚のフィルムを差し出す。
絵にフィルムをかぶせると、画用紙はみるみる復元して色鮮やかに…
というものなのだが、なんなんですかそりゃ?確かに実現すればすごい技術かも知れないが、なんかそう言うのってすっごい欧米的じゃない?
日本人のもつ情緒とか、そう言う観念を根こそぎ踏みにじっている気がする。
物事は永遠でないからこそ美しいのである。極言してしまえば、フィルムを取り出した男は隣の女の子が年を経て、その美しさがいささか色あせた時にはそのフィルムをかぶせるのか?と言うことになる。
ゆっくりと滅びつつある美しさ、桜の花の美しさというものをもっと考えてもらいたいものである。

そんで次、最近流れている「思っていることが見えるフィルム」
高校生の女の子が朝、遅刻しそうらしく慌ただしく身支度を終え、飯も食わずに靴を履いている。
すると女の子の愛犬が一枚のフィルムを口にくわえて駆け寄ってくる。
フィルムを愛犬にかざすと、女の子と戯れている思い出が…
「だっこしてほしいの?」
とか言って遅刻のことはさっぱり忘れて愛犬を抱き上げる女の子…
っってそんな訳あるかい!!
このCMを作った奴は本当にセンスもクソもない上に犬や動物と心を通わせたことのないさみしい奴に相違ない。
犬好きの僕から言わせてもらえば(というか動物とシンパシーを分かち合ったことのある人なら絶対判ってもらえることだと思うが)、そんなフィルムなんかなくたって、凡そ愛犬が考えていることなど判って当然なのである。
全くもって腹立たしい。
そもそも犬が自分のわがままの為に、急いでいる飼い主を呼び止めたりするものか。
僕の妹のジャッキーは相当の甘えん坊だったけれど、朝は必ず起こしに来て、「早く学校行きなさい」と僕をせかしたものだった。
犬と人間の信頼関係とはそう言ったものであって、人間が一方的に犬を溺愛する訳でも、犬は常に飼い主に依存している訳でもない。助け合って生きているのである。
それを安直なえせヒューマニズムで汚しやがって…。
そんな未来なんかいらんわ!出直せ!!

久々にすっきりしちゃったな☆