今更ながら「ロッキー・バルボア(邦題:ロッキー・ザ・ファイナル)」を観た。
言わずと知れたシルベスター・スタローンの代表作、ロッキーシリーズの最終作である。

小学校のころから親父殿の薫陶のよろしきを得て、「男はつらいよ」「ロッキー」に関しては無条件に男の血がたぎってしまう僕のことであるから、是非とも映画公開中に劇場に観に行きたかったのだけれど、なんだかんだと忙しさにかまけて観に行けずじまい。

っていうかさ、最近街角に映画の看板が無いから、どんな映画がいつからいつまで公開中なのかさっぱり判らないよね。
僕が子供のころは、町中に映画のポスターが張ってあって、「映画」ってもっと身近だった気がする。
綺麗でシステマティックなシネコンも良いけれど、昔ながらの狭くて汚い映画館も、今となっては懐かしい。

とかなんとか言いながら、今回観たのは通勤中に「乙姫」で。
いやあ、良いっすよ、手のひらに乗る自分専用映画館。
しかも完全ステレオ。
今まで時間が無くてみれなかった映画やテレビが通勤中に観れると言うことは、一日が今までより二時間半程度延長されたことに等しい。
うーん…感動。

物語自体は老いぼれたロッキーが自分を見失ってふらふらしたり、息子に嫌われてイライラしたり、そんなもやもやをどう発散していいのか判らなくなったり…と言った、所謂燃え尽きちゃったようなそうでもないような中高年の話しで、ぶっちゃけて言うと中盤くらいまでは何が言いたいのか良くわからない。
後半、急激にありえへん展開で現役のチャンピオンとエキシビジョンマッチをすることになるロッキー、と言うあたりから徐々にロッキーらしさが充填されはじめ、いつもだったらくじけそうなロッキーを励ます今は亡きエイドリアンの代わりに息子のロバート(昔は「ロッキージュニア」だった筈だが?)と和解した辺りで「例のテーマ」が流れ始めると、あたりは溢れ出したロッキーらしさでいっぱい。
トレーニングシーンでここまで血がたぎる映画は世界中どこを探してもロッキーシリーズ以外あるまい。

そんなこんなで観るもののテンションを強制的に引き上げたまま、物語はクライマックスの試合シーンに突入。
スタローンの肉体は確かに全盛期に比べればもうたるんじゃっておデブになってしまっているけれど(しかしなぜか体重は全盛期と変わらない217ポンド)、それでもあの肉体はすごい。
シルベスター・スタローン氏、おん歳60歳。
もう話し自体がどうこうと言うより、その生き様に感動する。

試合シーンではクリーンヒットを食らって気絶し、救急車で運ばれたりしたそうである。
その上試合シーンの為に一ヶ月間のセックス断ちを敢行したのだとか。
凄まじい執念である。
…いやちょっと待てよ。

俺三十三歳で、そろそろ四年くらい断ってますが?
年齢は約二分の一だが、セックス断ちの日数は実に48倍、感動の度合いがセックス断ちの日数に比例するのならば、そろそろ全世界を震撼させる名作を作り上げてもおかしくはあるまい。
例えば「Dark Knight」のパンフに

「永田剛志はこの作品の為に、四十八ヶ月に及ぶ過酷なセックス断ちを敢行…」

とか書いちゃう…

って…そんなのはいやだあああぁぁぁ…

くそう…がんばらんば…