宇佐美にいます。問答無用の晴天で、まあまあ相変わらず僕は僕のようです。
いやあ、こないだ競馬に行って雨だった時には、もうほんとどうなっちゃうのかと。
案の定惨敗したしね。
宿から五分も歩くと、そこは海。
砂浜でもなく、さりとて岩場という程でもない中途半端な海岸に腰を下ろして、二時間くらいビール片手にぼけっとした。
潮は干から満になるタイミングらしく、ごつごつとした岩場が徐々に黒く染まり、少しずつ少しずつそのつるりとした頭を水面下に沈めようとしていた。
よくよく見ていると波には法則があって、高い波ほど距離が出ない。
足元の白く乾いた領域を侵食するのは派手に立った波の後にくる低く地味な波だ。
波を見ている間に、僕は色々なことを考えた
訳ではなかった。
とくになにも考えなかった。
ででーん、じゅじゅーんて言ってるよ
と海を表現した剛志少年(2)を、「詩人になれる感受性だ」と絶賛したのは後に絵本作家になる母・和子ではなく父・浩である。
ででーん、じゅじゅーんの感受性はまだ失ったわけではない。
でも…
という言葉をじゅじゅーんがさらう。
だから?
とででーん。
だから…
だからそれでどうしようか?
じゅじゅーん。
僕はビールを呑む。