「医者にいくと治りが遅くなる」というのは、僕の数多い名言のうちでも出色のものだと思うのだが、どうであろうか。
しかし今回は名言の通り行かなかった、というお話である。
言い訳がましいようだが、名言=真実、という訳にはなかなか行かないのが現実世界のつらいところである。とほほ。
僕は幼少のころからひどい喘息もちで、これはもう喘息になったことのある人しかわからない苦痛である。
だからしてその苦しみや痛みを詳細にレポートしたりはしないけれども、まあとにかく、その強烈な発作が昨日の朝、突然僕を襲ったのである。
いやあ、参りました。「死ぬ」と思いましたわ。
そんなわけで久方ぶりに内科に行ったのだが、これもまたなんというか、「試練の旅路」であった。
最後に内科に行ったのはいつのことだか、もう忘れてしまったけれども、確かにそれは僕の家から徒歩五分程度のところに確かに存在していたはずだった。
しかしいつまで歩いてもそれらしき看板は僕の前に姿を現さず、かすかな記憶を頼りに戻って確認してみれば、そこには看板を取り外したらしき痕跡のある民家が…。
「廃業」。
ちょっとしたことで息が上がる状態の上、さらに徒労感にさいなまれる。
「いっそ殺してくれ」
と本気で考える。
しかし今死ぬのは悔しい。とぼとぼと駅前に向かって歩く。
南林間。美容院はあるが病院は無い。不思議な町である。
道路を渡るときに車が突っ込んでくる。
こっちは走れないのだ、死ぬしかない、と覚悟を決めたら、クラクションとともに停車した。
普段だったら殺してやるところだが、今はそれどころではない。
駅前のスーパーの裏に内科の看板を発見し、やっとの思いでたどり着く。
幸いにも患者は僕一人、もう勝ったも同然である。
「急患です」と自己申告したが、取り合ってもらえなかった。冗談の通じない奴らだ、と思ったが、あながち冗談でもないな、と一人突っ込み。
そんなこんなで医者には行ったが、吸入治療をしてもらえたわけでもなく、薬を処方されて半死半生で帰宅する。
一回に飲む数七錠!新記録である。
しかしまあ、そのおかげで今は大分楽になったから、まあいいか…。
明日からは稽古に出よう!