新しい職場は池袋。
東京の街の片隅で、僕は出会い、僕は別れる。
まあ、そんな事はこの際どうでも良いのだが、最近職場の近くに噂の[メイド喫茶]がオープンしたらしい。
[噂の]とか言った所で、東京都飛び地の町田にさえも開店する昨今、池袋には随分前からあったには違いないのだろうが、駅前で、あのフリフリ衣装でチラシなんかばらまかれた日には、うら若き男どもの「飽くなき探究心」が刺激されないはずもないのである。…らしくなく冗長な文章だな。
そんな訳で、今日のお昼の休憩時間は[メイド喫茶初体験部隊]の栄えある初陣だったのである。
「行ってらっしゃいませご主人様」
の揶揄と羨望(?)の入り交じった声に送られ、我々は出発した。
目指すは1ブロック先の怪しげなビルの三階である。
…っていうか怪しい。
チラシに書かれた情報をもとに、我々は階段を一歩一歩踏みしめて上って行く。
階段の手すりには雑巾がかかり、かすかなビル風に揺れていた。
たどり着いた三階に待ち受けていたのは、色気も素っ気もない鉄の扉。看板すらもかかっていない。
おかしい。何かが間違っている。
我々は裏口に回ってしまっていたのだ。
上る時とは正反対に、我々は階段を駆け下りた。孫子曰く、「初めは処女の如く、終わりは脱兎の如く。」先人の残した言葉はやはり含蓄がある。
搦手からの侵入を断念した我々は、大手門から乗り込む事にした。
エレベータに乗り込み、三階のボタンを押す。
ゆっくりと、だが確実に、我々を乗せた鉄の箱は上昇していた。わずかな浮遊感。一瞬のタイムラグの後、目の前の扉がゆっくりと開いて行く。
眼前に広がる光景は、どう考えても[喫茶店]のそれではなかった。
おかしい。何かが間違っている。
混乱する我々の後ろで、無情に扉は閉まった。
「お帰りなさいませご主人様」
フリフリのアレを着た女の子が出迎えてくれた。
かわいい。
つーかエロい。
おかしい。何かが間違っている。
進退窮まった我々に、料金体系が説明された。席料五百円、ソフトドリンク一時間飲み放題千円、ニャンバーグ1200円…た、高い…
東京の街の片隅で、我々はまさに追いつめられたネズミだった。
だがそのとき、我々を閉塞していた鉄の扉が開いた。
新たなるご主人様のご帰還である。
[いかにも]なご容姿のご主人様は、いかにも手慣れたご様子で、店の奥へと消えて行き、我々は…また新たなる旅路へと踵を返したのであった。
ニャンバーグ…喰ってみても良かったなあ…
東京の街の片隅で、僕は出会い、僕は別れる。
まあ、そんな事はこの際どうでも良いのだが、最近職場の近くに噂の[メイド喫茶]がオープンしたらしい。
[噂の]とか言った所で、東京都飛び地の町田にさえも開店する昨今、池袋には随分前からあったには違いないのだろうが、駅前で、あのフリフリ衣装でチラシなんかばらまかれた日には、うら若き男どもの「飽くなき探究心」が刺激されないはずもないのである。…らしくなく冗長な文章だな。
そんな訳で、今日のお昼の休憩時間は[メイド喫茶初体験部隊]の栄えある初陣だったのである。
「行ってらっしゃいませご主人様」
の揶揄と羨望(?)の入り交じった声に送られ、我々は出発した。
目指すは1ブロック先の怪しげなビルの三階である。
…っていうか怪しい。
チラシに書かれた情報をもとに、我々は階段を一歩一歩踏みしめて上って行く。
階段の手すりには雑巾がかかり、かすかなビル風に揺れていた。
たどり着いた三階に待ち受けていたのは、色気も素っ気もない鉄の扉。看板すらもかかっていない。
おかしい。何かが間違っている。
我々は裏口に回ってしまっていたのだ。
上る時とは正反対に、我々は階段を駆け下りた。孫子曰く、「初めは処女の如く、終わりは脱兎の如く。」先人の残した言葉はやはり含蓄がある。
搦手からの侵入を断念した我々は、大手門から乗り込む事にした。
エレベータに乗り込み、三階のボタンを押す。
ゆっくりと、だが確実に、我々を乗せた鉄の箱は上昇していた。わずかな浮遊感。一瞬のタイムラグの後、目の前の扉がゆっくりと開いて行く。
眼前に広がる光景は、どう考えても[喫茶店]のそれではなかった。
おかしい。何かが間違っている。
混乱する我々の後ろで、無情に扉は閉まった。
「お帰りなさいませご主人様」
フリフリのアレを着た女の子が出迎えてくれた。
かわいい。
つーかエロい。
おかしい。何かが間違っている。
進退窮まった我々に、料金体系が説明された。席料五百円、ソフトドリンク一時間飲み放題千円、ニャンバーグ1200円…た、高い…
東京の街の片隅で、我々はまさに追いつめられたネズミだった。
だがそのとき、我々を閉塞していた鉄の扉が開いた。
新たなるご主人様のご帰還である。
[いかにも]なご容姿のご主人様は、いかにも手慣れたご様子で、店の奥へと消えて行き、我々は…また新たなる旅路へと踵を返したのであった。
ニャンバーグ…喰ってみても良かったなあ…