ストリングフェロー・ホークは、人を愛することを極端に恐れる男である。
彼が愛した人はことごとく死んでいくからだ。
幼いころに両親を事故でなくし、ベトナム戦争ではただ一人残った肉親である兄セント・ジョンを見殺しにせざるを得ず、その後CIAからの依頼で携わった超音速攻撃ヘリ「エアーウルフ」奪回作戦では、久方ぶりに心を開いた工作員の女性(何もそんな面倒くさそうなのをわざわざ選ばずともよさそうなものだが)をも失った。
…って四人?
いやいや、ともかく彼はそんな悲しみにもめげずに、今日も「エアーウルフ」でアメリカ近辺のセスナ機やら観光用ヘリコプターやらに乗った小悪人どもを、CIA公認で片っ端から奈落の底へ叩き込んでいるのである。

ストリングフェロー・永田は気に入ったデザインの携帯電話を持つことを、極端に恐れ始めた男である。
彼が最初にほれ込んだ携帯電話はA5303H、ウルトラマンを髣髴とさせる赤と銀の、ブリュンヒルト(編集部註:銀河帝国皇帝ラインハルト・フォン・ローエングラム陛下の旗艦)の如く優美なフォルムの一品であった。
しかしA5303Hは通常では考えられないような悲運の最期を遂げる。
「とんこつラーメンのスープに油没」。
彼はそれからの一年を「センスのかけらも無い(本人談)」A5401CAと過ごさねばならなかった。
5303Hが非業の最期を遂げて一年、ついに彼は求め続けていた「彼の為の携帯」にめぐり合う。
W22H、5303Hを継承するかのような優美なフォルムに赤と黒の塗りわけ、「シャアじゃねえ、ジョニーライデンなんだ」と本人が両目を正座させて真剣に語るほどの熱の入れようであった。
しかし再び、悲劇は訪れる。
二月十三日、横浜某所で「MoonLightPicnic」打ち上げ中にビールの入ったグラスが転倒、こぼれたビールはW22Hをプロ野球式に祝福した。
以来約三週間、自慢のステレオスピーカは片肺飛行となり、極単に低下した連続待ち受け時間は新たなるバッテリーの購入を決断させた。
それでも、何とかその命脈を保っていたW22Hは、昨日ついに力尽きた。
意識を失ったW22Hが、再び息を吹き返す日は来るのか?
ああ、ストリングフェロー永田、君は何者をも愛してはいけない男なのか?
悲しみを怒りに変えて立て、国民よ!ジークつよ!!

…って…あほか、わしゃあ…。