奈良の建築家が綴る、人生を豊かにする住まい設計日記|やまぐち建築設計室 -2ページ目

奈良の建築家が綴る、人生を豊かにする住まい設計日記|やまぐち建築設計室

人生を豊かにする暮らしの提案を大切に、奈良を拠点に住宅設計を行う建築家の設計日記。注文住宅・リフォーム・古民家改修を通して、住まいと暮らしの本質、間取りや動線、日々の気づきを綴っています。

なぜ、住まいが変わると 

人生の「感じ方」が変わるのか?

 

家づくりのご相談を受けていると、

こんな言葉を耳にすることがあります。

 

「今の家に、大きな不満があるわけではないんです」

「困っていることも、特にないんです」

 

それでも、

どこか落ち着かない。

どこか疲れが抜けない。

 

暮らしに大きな問題はないはずなのに、

心の奥に、説明しづらい違和感が残っている。

 

実は、こうした感覚を抱えている方は

とても多いように感じています。

 

人は「感じ方」を通して暮らしている

 

人は、

出来事そのものよりも、

どう感じているかによって

日々の満足度を決めています。

 

同じ広さの家でも、

落ち着く人もいれば、

なぜか疲れてしまう人もいる。

 

その違いは、

間取りや性能だけでは説明できません。

 

私たちは、

これまでの経験や価値観を通して、

世界を見ています。

 

言い換えると、

一人ひとりが

「思考のフィルター」を持って

暮らしているということ。

 

住まいもまた、

そのフィルターを通して

無意識に受け取られているのです。

 

住まいは、思考と感情の「居場所」

 

やまぐち建築設計室では、

住まいを単なる建物として考えていません。

 

住まいとは、

一日の終わりに戻り、

思考を緩め、

感情を休ませる場所。

 

だからこそ、

「どんな暮らしがしたいか」だけでなく、

「どんな気分で過ごしたいか」を

とても大切にしています。

 

朝の光が、

やさしく入るかどうか。

 

家族と自然に集まれる距離感か、

一人になれる余白があるか。

 

そうした積み重ねが、

暮らしの感じ方を、

少しずつ変えていきます。

 

情報が多すぎると、人は疲れてしまう

 

最近の住まいは、

とても便利になりました。

 

けれどその一方で、

視線に入る情報が多すぎる空間も

増えているように感じます。

 

物が多い。

視線が抜けない。

どこにいても落ち着かない。

 

こうした環境では、

知らず知らずのうちに

思考が休まらなくなってしまいます。

 

私たちは設計の中で、

「光」「視線」「余白」を

とても大切にしています。

 

すべてを見せない。

すべてを詰め込まない。

 

それは、

心を守るための設計でもあります。

 

外側が整うと、内側も整いはじめる

 

「気持ちに余裕を持ちたい」

「もっと穏やかに暮らしたい」

 

そう思っても、

自分の努力だけでは

なかなか変えられないこともあります。

 

けれど、

環境が変わると、

人の感じ方は驚くほど変わります。

 

住まいは、

頑張らなくても

人を支えてくれる存在です。

 

何もしなくても、

そこにいるだけで

少し気持ちが整う。

 

そんな住まいがあると、

人生の見え方まで

変わってくるのだと思います。

 

正解よりも、「その人らしさ」を

 

「失敗しない家」

「正解の間取り」

 

世の中には、

たくさんの情報があります。

 

けれど、

その正解が

その人の人生に合っているとは限りません。

 

やまぐち建築設計室が大切にしているのは、

誰かの成功例ではなく、

その人自身の感覚です。

 

理由はうまく説明できないけれど、

なぜか落ち着く。

 

その感覚こそが、

その人にとっての

本当の「心地よさ」なのだと思います。

 

住まいは、人生を静かに支える存在

 

住まいは、

人生を変えようと

声高に主張する必要はありません。

 

ただ、

毎日を受け止め、

静かに支えてくれる存在であればいい。

 

もし今、

暮らしの中に

小さな違和感を感じているなら。

 

それは、

もっと自分に合った環境があるという

サインなのかもしれません。

 

やまぐち建築設計室は、

暮らしの質を大切にしながら、

住まいと人生を

丁寧につなぐ設計を心掛けています。

 

今回の投稿が、

ご自身の暮らしを

少し立ち止まって考える

きっかけになれば幸いです。

 

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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

住まいの設計、デザインのご相談は
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気軽にご連絡ください
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住まいづくりというと、

「正解」を探すことだと思われがちです。

 

間取りはどうするか。

広さは足りているか。

設備は最新か。

 

もちろん、それらは大切です。

でも最近、あらためて感じることがあります。

 

住まいは、答えを出すための

場所ではないのかもしれない。

そんな感覚です。

 

家を建てる。

住み替える。

あるいは、今の住まいを少し整え直す。

 

その入口で、多くの方が

「条件」や「仕様」から考え始めます。

 

けれど、実際の暮らしが始まってから

心の状態を左右しているのは、

もっと静かな部分だったりします。

 

朝、どこで一日を始めているか。

夕方、どこで少し力を抜いているか。

家族と、どんな距離感で過ごしているか。

ひとりになれる時間が、ちゃんとあるか。

 

こうしたことは、

図面や数字では説明できません。

けれど、日々の満足度には確実に影響します。

 

だから、設計の打合せでは

「やりたいこと」よりも先に、

どんな時間を重ねたいのかを

一緒に考えるようにしています。

 

和モダンや、ホテルライクな住まいも、

見た目の話だけではありません。

 

光がどう入るか。

視線がどこへ抜けるか。

音がどこで止まり、どこで響くか。

素材に触れたとき、どんな気持ちになるか。

 

そうした要素が整うと、

住まいは自然と落ち着き、

気持ちが乱れにくくなります。

 

忙しい日々の中では、

刺激よりも

「乱れない安心感」の方が、

ずっと大切だったりします。

 

良い住まいは、

完成した瞬間がゴールではありません。

 

暮らしながら、

少しずつ馴染み、

時間とともに価値を深めていくもの。

 

今日はここで過ごしてみよう。

今夜は照明を落としてみよう。

休日は、いつもと違う場所に

椅子を置いてみよう。

 

そんな小さな選択が

自然に生まれる余白があること。

 

それが、

住まいの「懐の深さ」なのだと思います。

 

もし今、

「このままでいいのだろうか」

そんな気持ちがどこかにあるなら。

 

それは、

暮らしを見つめ直す

良いタイミングなのかもしれません。

 

住まいを

正解探しの場所にするのではなく、

自分の価値観を整える場所として。

 

今回の投稿が、

ご自身の暮らしを

少し立ち止まって考える

きっかけになれば幸いです。

 

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料理の前に、心を整えるという設計

 

── 和食料理店の「質」は、どこで決まるのか

 


 

和食料理店の開業や店舗づくりを考えるとき、

多くの方がまず意識されるのは、

 

・内装の雰囲気

・素材のグレード

・席数や動線

・コストと回収計画

 

といった、目に見える要素ではないでしょうか。

 

もちろん、それらはとても大切です。

しかし、長く選ばれ続ける和食料理店と、

そうでない店の違いは、

実はもう一段深いところにあります。

 

それは、

料理を口に運ぶ前に、

お客様の心がどのような状態にあるか

という点です。

 

和食は「満たす」料理ではなく、「整える」料理

 

和食は、

強い刺激や派手な演出で

記憶に残る料理ではありません。

 

季節の移ろいを感じ、

素材の声に耳を澄まし、

料理人の所作を味わう。

 

そうした、

静かな体験の積み重ねによって、

価値が深まっていく料理です。

 

だからこそ、

和食料理店の空間には、

人の感覚を外へ向かわせる要素よりも、

内側へと戻していく力が求められます。

 

料理を味わう前に、

すでに心が落ち着いている。

この状態をつくれるかどうかで、

同じ料理でも、印象は大きく変わります。

 

「少し暗い」は、失敗ではなく意図

 

今回の空間では、

全体の明るさをあえて抑えています。

 

均一に照らさず、

視線を遠くへ逃がさず、

不要な情報を削いでいく。

 

この「少し暗い」と感じる状態は、

人の緊張を解き、

感覚を内側へ向けるための設計です。

 

過剰に明るい空間では、

人は無意識に周囲の

情報を拾いすぎてしまいます。

 

一方、

抑制された光の中では、

呼吸が整い、

目の前の出来事に集中しやすくなります。

 

茶室に足を踏み入れた瞬間、

空気が切り替わる感覚。

和食料理店の入口にも、

あの心理的な転換が必要だと考えています。

 

カウンターは「席」ではなく「舞台」

 

和食料理店におけるカウンターは、

単なる客席ではありません。

 

包丁の音、

湯気の立ち上がり、

料理人の動き。

 

それらを五感で受け取るための、

舞台装置です。

 

だからこそ、

カウンターの高さ、奥行き、

料理人との距離感はとても重要になります。

 

近すぎれば緊張を生み、

遠すぎれば臨場感が失われる。

 

「もてなす」というより、

そっと寄り添う距離感。

 

会話を主役にするのではなく、

空気そのものが語る時間を大切にしています。

 

わびさびとは、削ぎ落とす勇気

 

わびさびは、

和風に見せるための装飾ではありません。

 

何を足さないか。

どこで止めるか。

 

その判断の積み重ねが、

空間の深みをつくります。

 

黒を基調とした壁、

荒さを残した床、

木・土・石の控えめな使い分け。

 

どれも、

「きれいに見せる」ためではなく、

時間とともに味わいを

重ねていくための選択です。

 

流行に左右されにくい空間は、

結果として、

経営の安定にもつながります。

 

照明は「照らす」のではなく「包む」

 

和食料理店の照明で大切なのは、

明るさの数値ではありません。

 

どこを照らし、

どこを照らさないか。

 

全体は抑え、

手元と器だけを、

そっと浮かび上がらせる。

 

影があるからこそ、

料理は立体的に感じられ、

余韻が残ります。

 

照明もまた、

料理を引き立てるための

空間側の所作だと考えています。

 

店舗の付加価値は「過ごした時間」で決まる

 

価格や立地、話題性だけでは、

店は長く続きません。

 

記憶に残る店には、

必ず理由があります。

 

それは、

派手な演出ではなく、

過ごした時間の質です。

 

五感が休まり、

呼吸が整い、

料理と静かに向き合える。

 

リラクゼーションサロンのように、

何かをしてもらうのではなく、

自然と整っていく感覚。

 

それこそが、

和食料理店にとっての

大きな付加価値だと考えています。

 

設計とは、思想をかたちにする仕事

 

やまぐち建築設計室は、

内装を整えるだけの

設計は行っていません。

 

その店で、

どんな時間を過ごしてほしいのか。

どんな気持ちで帰ってほしいのか。

 

その想いを丁寧に言葉にし、

空間・動線・光・素材に翻訳する。

 

それが、

設計の本質だと考えています。

 

和食料理店をこれから開業される方、

次のステージを考えている

経営者の方にとって、

この文章が

「質の良さとは何か」を考える

一つのきっかけになれば幸いです。

 

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料理の前に、心が整う空間を。

やまぐち建築設計室

奈良県橿原市縄手町387-41階)

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家づくりのご相談をお受けしていると、

多くの方が、

ある共通した悩みを

抱えておられることに気づきます。

 

それは、

何が正解なのかを探してしまう感覚です。

 

間取り、性能、仕様、コスト。

調べれば調べるほど情報は増え、

比べれば比べるほど、判断が難しくなっていく。

 

そんな中で、

打ち合わせの場でも、

よくこんな言葉を聞きます。

 

「この選択って、

どちらが正解なんでしょうか?」

 

その言葉の奥には、

「失敗したくない」

「後悔したくない」

という、とても誠実な思いがあります。

 

だからこそ、

私はその問いに、

すぐ答えを返すことはしません。

 

代わりに、

そっと、別の問いを

お伝えするようにしています。

 

家づくりを通して、

あなたは何を大切にしたいですか?

 

この問いは、

正解を見つけるためのものではありません。

 

これからの人生で、

どんな時間を過ごしたいのか。

どんな距離感で、

誰と、どのように暮らしていきたいのか。

 

その「在り方」を、

住まいを通して見つめ直すための問いです。

 

たとえば——

 

・家族と自然に集まれる時間

・ひとりで気持ちを整えられる静けさ

・将来に対する安心感

・無理のない生活リズム

・背伸びをしすぎない上質さ

 

どれも、

正しさで比べられるものではありません。

 

それぞれが、

その人の人生観や価値観と、

深く結びついているからです。

 

同じ間取り、

同じ仕様、

同じ広さであっても、

 

「安心を大切にした結果」なのか、

「自由さを残すための選択」なのか。

 

背景が違えば、

その住まいが持つ意味は、

まったく異なります。

 

住まいは、

単なる箱ではありません。

 

日々の感情や行動に、

静かに影響を与え続ける、

人生の背景のような存在です。

 

だからこそ、

家づくりは

「正解を当てる作業」ではなく、

 

何を守り、

何を手放し、

どこに重心を置くのかを、

自分の人生に照らして

選んでいく時間なのだと思います。

 

なかなか決められないとき。

迷っているように感じるとき。

 

それは、

優柔不断なのではなく、

大切にしたいものが、

まだ言葉になっていないだけ

なのかもしれません。

 

完成したあとに残るのは、

間取りや設備の優劣ではなく、

 

「あのとき、

何を大切にして選んだか」

 

という、静かな記憶です。

 

その記憶は、

これからの人生の中で、

ふと立ち止まったとき、

そっと背中を支えてくれることがあります。

 

もし今、

家づくりに少し

疲れてしまっているのだとしたら、

どうか一度、

目の前の比較や判断から

離れてみてください。

 

そして、この問いを、

心の中に置いてみてください。

 

家づくりを通して、

あなたは何を大切にしたいですか?

 

住まいは、

人生を整えるための器。

 

だからこそ、

焦らず、比べすぎず、

ご自身の価値観に正直な選択を、

丁寧に重ねていってほしいと

願っています。

○関連blog 

暮らしが整うと、思考の疲れは静かにほどける・ストレスの正体は「空間の秩序」住まいから考える認知的負荷の改善と所作の設計

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail727.html

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暮らしが家族をつくり、家族が人生を形づくる

 

── 無理をさせない住まいが、

関係性を静かに整えていく理由

 

住まいを考えることは、

間取りや性能を決めることだけではありません。

 

どんな距離感で、

誰と、

どんな日常を重ねていくのか。

 

住まいづくりとは、

暮らしと人生の前提を整える行為なのだと、

私は考えています。

 

家族は「一つ」ではなく、

「それぞれの人生の集まり」

 

家族という言葉には、

「分かり合うべき」「同じであるべき」という

無意識の前提が含まれていることがあります。

 

けれど実際の暮らしは、

もっと多様です。

 

朝型の人。

夜型の人。

 

一人で整う人。

会話で整う人。

 

変化を楽しめる人。

安定を好む人。

 

家族であっても、

暮らしのリズムは一致しません。

 

違いがあること自体は、

問題ではありません。

問題になるのは、

その違いが想定されないまま、

暮らしが組み立てられていることです。

 

無理を前提にした暮らしは、必ず疲れていく

 

住まいのご相談をお受けしていると、

こんな言葉をよく耳にします。

 

「家族のために、少し我慢すればいいと思っていました」

「みんなが使う場所だから、自分の希望は後回しにしました」

 

とても誠実な姿勢だと思います。

けれど同時に、

長く続けるには少し危うい考え方でもあります。

 

無理は、一時的には成立します。

しかし無理は、

必ず日常として積み重なっていきます。

 

暮らしとは、

特別な日の連続ではなく、

繰り返される日常の総量だからです。

 

良い家族関係は、

「努力」よりも「構造」で支えられる

 

家族仲が良い住まいには、

共通点があります。

 

それは、

仲良くしようと頑張りすぎていない、

ということ。

 

・自然に顔を合わせられる動線

・話さなくても同じ空間にいられる距離

・近づきすぎず、離れすぎない居場所

・一人になれる逃げ場があること

 

こうした「構造」があるだけで、

関係性は無理なく保たれます。

 

人は、構造に助けられて生きています。

構造が整っていれば、感情は荒れにくい。

構造が崩れていれば、

どれだけ気遣っても疲れてしまう。

 

住まいは、

家族関係を裏側から支える

静かな装置なのだと思います。

 

暮らしを整えることは、

自分を尊重すること・・・・・。

 

暮らしを整えることは、

自己管理や自己啓発ではありません。

 

それは、

自分を雑に扱わないという選択です。

 

・片付けやすいこと

・無理のない動線があること

・疲れた時に静かになれる場所があること

 

こうした環境は、

「大丈夫な自分」に戻るための

土台になります。

 

自分を尊重できる暮らしは、

自然と、他者への

向き合い方も穏やかにします。

 

それぞれに「戻れる場所」があるという安心

 

良い住まいには、

必ず「戻れる場所」があります。

 

必ずしも個室である必要はありません。

 

窓辺の椅子。

ダイニングの端。

何も置かれていない余白。

 

そこに身を置くだけで、

思考が静まり、

自分に戻れる。

 

家族全員が同じ場所を

好む必要はありません。

大切なのは、

それぞれに帰還点があることです。

 

住まいは、人生を急かさない

 

今の社会は、とても忙しい。

 

判断も選択も、

常に前倒しを求められます。

 

だからこそ、

住まいには「急かさない力」が

必要だと感じています。

 

立ち止まれる。

深呼吸できる。

今日はここまででいいと思える。

 

住まいは成功を保証しません。

けれど、

消耗しすぎない人生を支えることはできます。

 

暮らしは、人生観の最小単位

 

どんな思想も、

暮らしに落ちていなければ続きません。

 

住まいは、

人生観が最も素直に現れる場所です。

 

何を大切にするのか。

どこで無理をやめるのか。

どこで立ち止まるのか。

 

そのすべてが、

日常の空間として立ち上がる。

 

私たちは、

人を引きつけるために

住まいを設計しているわけではありません。

 

けれど、

誠実に積み重ねた住まいは、

結果として、人を引きつけます。

 

家族が自然体でいられるから。

暮らしが無理を強いないから。

人生を、雑に扱わなくて済むから。

 

磁石のように、静かに。

 

このブログが

皆さんの暮らしを見つめ直す

キッカケになればうれしく思います。

 

○関連blog

暮らしの質は、意識よりも「環境」に左右されている 無意識に負担をかけない住空間を設計する、建築家の思考

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail734.html

 

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売場ではなく、体験を設計する

 

── 記憶に残る店舗づくりの本質

 

店舗づくりのご相談をお受けしていると、

こんな言葉を耳にすることがあります。

 


 

内装は整っているはずなのに、

なぜか長く滞在してもらえない

 

商品には自信があるのに、

選ばれる理由が伝わりきらない

 

図面や写真だけを見ると、

決して悪くはありません。

むしろ、整っている。

 

けれど実際の空間に立つと、

どこか落ち着かない。

なぜか、急かされるような感覚が残る。

 

その違和感の正体は、

意匠や価格帯ではなく、

時間の設計にあることが多いと感じています。

 

人は「商品」よりも「時間」を選んでいる

 

人は、何かを買うとき、

商品そのものだけを見ているわけではありません。

 

・どんな気持ちで過ごせたか

・落ち着いて考えられたか

・自分の感覚を大切にできたか

 

そうした時間の質が、

「納得して選べた」という感覚につながっていきます。

 

つまり、

選ばれているのは商品だけでなく、

その場で過ごした時間そのものなのです。

 

だからこそ、

店舗は単なる売場ではなく、

体験を受け取るための器である必要があります。

 

ラウンジのように過ごせる店舗という考え方

 

今回の店舗設計では、

「売場」という言葉ではなく、

ラウンジのような空間をイメージして設計しています。

 

奥へとまっすぐ伸びる構成は、

空間に安心感と格調を与えます。

 

その途中に設けた着座の場は、

自然と足を止め、

思考を緩めるきっかけになります。

 

さらに、

視線が抜ける先に余白があることで、

人の気持ちは少しずつ解けていきます。

 

選ばせるのではなく、

時間を委ねてもらう。

 

そのための配置と距離感を、

丁寧に整えています。

 

接客は「説明」よりも「対話」へ

 

空間のあり方は、

接客の質にも大きく影響します。

 

向かい合って立つよりも、

横に並んで腰を下ろす。

 

それだけで、

言葉のトーンや内容は変わります。

 

説明する時間から、

語り合う時間へ。

 

選択は、

説得によって生まれるものではなく、

対話の中で

育っていくものだと考えています。

 

素材と光は、主張しすぎない

 

空間を構成する素材や照明も、

目立たせることを目的にはしていません。

 

床は落ち着いた色味で、

身体を預けられる安定感を。

 

石や左官、木の組み合わせは、

冷たさと温もりが共存する表情を生みます。

 

照明は、

明るさを競うものではなく、

価値を静かに引き立てるためのもの。

 

影があるからこそ、

視線は自然と集まり、

余韻が残ります。

 

店舗にも、

物語が必要だと考えています

 

店舗は、

商品を並べるためだけの

場所ではありません。

 

どんな時間を過ごしてほしいのか。

どんな気持ちで帰ってほしいのか。

 

その背景にある考え方や姿勢が、

空間ににじみ出ることで、

初めて「記憶に残る場所」になります。

 

やまぐち建築設計室では、

間取りや内装だけでなく、

その場所で生まれる

時間や対話まで含めて設計しています。

 

選ばれる理由は、静かなところにある

 

派手さや分かりやすさよりも、

言葉にしづらい安心感。

 

急がせないこと。

比べさせすぎないこと。

考える余白を残すこと。

 

そうした積み重ねが、

「またここに来たい」という

感覚を育てていきます。

 

売場ではなく、体験を設計する。

それは、

目立つための方法ではなく、

信頼を積み重ねるための

姿勢なのだと思います。

 

店舗づくりをご検討中の方へ

 

もし、

・新しく店舗を開業したい

・今の空間に違和感がある

・もっと落ち着いて選ばれる店にしたい

 

そう感じておられるなら、

一度「時間の設計」という視点から、

空間を見直してみるのも一つの方法です。

 

店舗にも、住まいと同じように、

物語が必要です。

 

その物語は、

静かに、しかし確かに、

空間から伝わっていくものだと、

考えています。

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選ばれる理由は、
空間の中にあります。

売場ではなく、
体験を設計する店舗づくり。

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土地にどんな家が建てられるのか?

― 条件を見る前に、暮らしを描くという考え方

 

家づくりを考え始めたとき、

多くの方が最初に悩まれるのが

 

「この土地に、どんな家が建てられるのか?」

という問いです。

 

用途地域、建ぺい率、容積率。

接道条件や高さ制限、斜線制限。

 

役所で調べれば、

確かに答えは出てきます。

 

もちろん、それらは

とても大切な情報です。

 

 

 

ただ、私たちは日々のご相談を通じて、

それだけでは判断できないズレを

何度も目にしてきました。

 

法的に建つ家と、

心地よく暮らせる家は、必ずしも同じではありません

 

法律上は

「問題なく建てられる土地」でも、

 

・思ったより日当たりが悪い

・駐車場が取りにくい

・窓の位置に悩む

・隣家との距離感が落ち着かない

 

といった理由で、

住み始めてから違和感を抱えてしまうケースは

少なくありません。

 

逆に言えば、

 

・北道路の土地

・変形地

・敷地条件が厳しいとされる土地

 

であっても、

設計の視点を入れることで、

 

明るさやプライバシー、

居心地を両立できる

 

ことも多くあります。

 

土地の評価は、

数字や条件だけで

完結するものではないのです。

 

私が大切にしているのは

「この土地で、どんな毎日を送りたいか」

 

やまぐち建築設計室では、

 

「この土地に

どんな家が建つか?」

 

という考え方よりも、

 

「この土地で、

どんな暮らしを実現したいか」

 

を大切にしています。

 

朝の光を、

どこで感じたいか。

 

家族が自然に集まる場所は、

どこか。

 

一人になれる余白は、

どれくらい必要か。

 

将来、暮らしが変わったときにも

使い続けられるか。

 

そうした

暮らしのイメージを

丁寧に言葉にしていくことで、

 

土地の「弱点」は、

設計によって

「個性」へと変わっていきます。

 

土地を先に買う前に、

一度立ち止まってほしい理由

 

土地探しをしていると、

 

「良さそうだから」

「もう出ないかもしれないから」

 

と、

先に購入を決断される方も

多くいらっしゃいます。

 

ただその後で、

 

・思い描いていた暮らしが入らない

・建物にかけられる予算が想像以上に減った

・造成費や地盤改良で悩んでいます

 

初面談時にそういった相談を受けることも、

正直少なくありません。

 

土地を決める前だからこそ、

見えることがあります。

 

そしてそれは、

不動産情報だけでは

分からない領域です。

 

土地を読む力と、

暮らしを描く力

 

私たちは、

 

図面やスペックだけで

家をつくる

設計事務所ではありません。

 

土地の条件を読み取りながら、

 

そのご家族にとっての

「無理のない暮らし」

「続いていく心地よさ」

 

を一緒に描いていくことを

大切にしています。

 

同じ土地でも、

住む人が変われば、

正解の家は変わって当然。

 

だからこそ、

 

土地のデメリットを理由に

諦める前に、

 

一度、

暮らしの視点で

整理してみてほしいのです。

 

「この土地で、

ちゃんと暮らせるのか?」

 

その問いに、

設計者として

向き合います。

 

土地が決まっている方も、

これから探す方も。

 

その土地で、

自分たちらしい暮らしが

本当に描けるのか。

 

冷静に確認する時間は、

必ず家づくりの助けになります。

 

先に土地を買って

後悔する前に。

 

数字や条件に

振り回される前に。

 

設計者の立場から、

お客様目線で、

正直にお話しします。

 

住まいは、

 

「建てられるかどうか」

ではなく、

 

「心地よく

暮らし続けられるかどうか」。

 

その視点を忘れずに、

一人一人の暮らしに対して、

丁寧に向き合っていきたいと

考えています。

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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

住まいの設計、デザインのご相談は
ホームページのお問合わせから
気軽にご連絡ください
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家にいるのに、

なぜか気が休まらない。

 

片付いているはずなのに、

どこか落ち着かない。

 

住まいのご相談をお受けしていると、

こうした「言葉にならない違和感」に

何度も出会います。

 

間取りも悪くない。

設備も不足していない。

広さも足りている。

 

それでも、

心がどこか緩まない。

 

その理由は、

目に見える部分とは

少し違うところにあるのかもしれません。

 

多くの方は、

違和感を感じると、

まず「正解」を探そうとします。

 

もっと良い間取りがあるのでは。

もっと便利な設備があるのでは。

誰かの成功事例に答えがあるのでは。

 

けれど実際には、

暮らしを左右しているのは、

図面やカタログでは説明できない

もっと静かな要素だったりします。

 

住まいは、

ただ過ごすための場所ではなく、

毎日の思考や感情に

少しずつ影響を与え続ける環境だからです。

 

【インテリアと設計の本質】

インテリアというと、

色や家具、照明を思い浮かべる方が

多いかもしれません。

 

しかし本質は、

「どう見えるか」よりも

「どう感じるか」にあります。

 

なぜこの空間だと

呼吸が深くなるのか。

 

なぜこの場所では

自然と気持ちが落ち着くのか。

 

人は、

意識する前に

環境を感じ取っています。

 

住まいも同じです。

 

【設計と選択の関係】 

住まいが整っていくと、

不思議と

日々の選択が変わっていきます。

 

焦って決めなくなる。

比べすぎなくなる。

「これでいい」ではなく

「これが合っている」と

感じられるようになる。

 

これは、

住まいが思考や感情の

土台になっているからです。

 

設計とは、

形を決める作業ではなく、

選択が自然に整う

環境を用意すること。

 

私は、

そう考えています。

 

【間取りを考えすぎてしまう理由】

 

間取りに迷う方ほど、

実はとても真面目です。

 

失敗したくない。

後悔したくない。

家族にとって最善を選びたい。

 

だからこそ、

情報を集めすぎてしまい、

かえって

決められなくなることもあります。

 

そんな時に必要なのは、

新しい正解ではなく、

「違和感の正体」を

静かに見つめる視点です。

 

【住まいは人生の背景になる】

 住まいは、

人生を劇的に変える

魔法ではありません。

 

けれど、

毎日の背景として、

確実に影響を与え続けます。

 

どんな空間で朝を迎え、

どんな場所で一日を終えるのか。

 

その積み重ねが、

暮らしの質をつくり、

生き方の輪郭を

少しずつ形づくっていきます。

 

【やまぐち建築設計室として大切にしていること】

私は、住まいを

「便利にするための道具」ではなく、

「自分らしく整えるための環境」

として考えています。

 

派手な提案はしません。

答えを押しつけることもありません。

 

その代わり、

暮らしの中にある

小さな違和感や感覚を

丁寧に読み取り、

設計として翻訳していきます。

 

住まいを整えることは、

人生を整えること。

 

そう言うと、

少し大げさに聞こえるかもしれません。

 

けれど、

毎日を過ごす場所が変わると、

考え方や選択が

静かに変わっていくのも事実です。

 

もし今、

住まいに小さな違和感を感じているなら、

それは

暮らしを見直す

大切なサインかもしれません。

 

このブログが

皆さんの暮らしを見つめ直す

キッカケになればうれしく思います。

 

○関連blog

暮らしが整うと、思考の疲れは静かにほどける・ストレスの正体は「空間の秩序」住まいから考える認知的負荷の改善と所作の設計

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail727.html

 

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ダイニングテーブルの

置き方ひとつで、

暮らしの質は変わります。

 

住まいづくりを考えるとき、

多くの方が最初に思い浮かべるのは、

 

「間取り」

「広さ」

「設備」

 

かもしれません。

 

けれど、

実際に暮らしが始まってから

日々の満足度を左右しているのは、

もっと静かで、もっと身近な要素であることが

とても多いように感じています。

 

その代表例が、

ダイニングテーブルのレイアウトです。

 

ダイニングは、毎日いちばん使われる場所

 

ダイニングは、

食事をするためだけの場所ではありません。

 

家族が集まり、

会話が生まれ、

考え事をし、

ときには仕事や勉強、

趣味の時間にも使われる場所。

 

暮らしの中で

自然と滞在時間が長くなる場所でもあります。

 

だからこそ、

ダイニングの「あり方」は、

暮らしの質に静かに影響を与え続けます。

 

家づくりの相談で、よく聞く言葉

 

設計のご相談を受けていると、

こんな言葉を耳にすることがあります。

 

・今の家、なぜか落ち着かない

・家具が邪魔に感じる

・片付けても生活感が消えない

・家族がすぐにダイニングから離れてしまう

 

これらの原因は、

必ずしも「広さ不足」や

「収納が少ない」ことだけではありません。

 

多くの場合、

家具と空間の関係性が整理されていないことが、

無意識のストレスを生んでいます。

 

家具は「置くもの」ではなく「設計するもの」

 

特にダイニングテーブルは、

 

・動線

・視線

・滞在時間

 

すべてに影響する、

住まいの中でも非常に影響力の大きな家具です。

 

今回ご紹介している住まいでは、

ダイニングテーブルを

「あとから置く家具」ではなく、

最初から空間設計の一部として組み込む

という考え方で設計しました。

 

意識したのは、3つのポイント

 

・天井と床の「流れ」に沿わせること

・高さと距離感を揃えること

・動線のストレスを数値で管理すること

 

これらを丁寧に整理することで、

ダイニングは

単なる食事の場から、

**空間全体を整える”**へと変わっていきます。

 

天井と床の木目が生む、自然な奥行き

 

この住まいの特徴のひとつが、

木目の美しい天井と、

落ち着いた色味のフローリングです。

 

木目には「方向性」があります。

人の視線は、無意識にその流れを追います。

 

ダイニングテーブルを

天井と床の木目方向に合わせて配置することで、

視線は自然と奥へと導かれ、

空間に伸びやかさが生まれます。

 

これは、

「広く見せるためのテクニック」ではありません。

 

人の感覚に素直な配置を

しているだけなのです。

 

小上がりとリビング階段がつなぐ、家族の気配

 

ダイニングの隣には小上がりリビング。

その一角に、リビング階段を設けています。

 

・小上がりに座る人

・階段を上り下りする人

・ダイニングで食事をする人

 

それぞれが違う行動をしていても、

「同じ空間を共有している」

という感覚が、自然と生まれるように

高さと距離感を調整しています。

 

距離が近いから安心するのではなく、

適切な距離だからこそ、心地よく伝わる気配

があると考えています。

 

通路幅がつくる、日常のストレスの差

 

ダイニングテーブルまわりの通路幅は、

壁際で約90cmを確保しています。

 

数字だけを見ると、

些細な話に感じられるかもしれません。

 

けれど、

 

・配膳するとき

・片付けるとき

・椅子を引くとき

・すれ違うとき

 

こうした日常の動作が、

ぶつからず、急がず、無理なく行える。

 

それだけで、

暮らしの小さなストレスは

驚くほど減っていきます。

 

テレビや照明が「邪魔をしない」という価値

 

壁掛けテレビや照明も、

あえて主張しすぎない位置に配置しています。

 

食事の時間は、

テレビが主役になる必要はありません。

 

けれど、

視界に入ったときに違和感がないこと。

空間の一部として自然に存在していること。

 

それが、

上質な暮らしに共通する

バランス感覚だと感じています。

 

違和感を感じる人ほど、暮らしへの感度が高い

 

これまで多くの住まい手と向き合う中で、

ひとつ感じていることがあります。

 

それは、

暮らしへの感度が高い方ほど、

小さな違和感を見逃さないということ。

 

・なんとなく落ち着かない

・無意識に疲れる

・整っているはずなのに満足感が続かない

 

こうした感覚は、

決して贅沢な悩みではありません。

 

むしろ、

本質を見抜く感覚があるからこそ

生まれる違和感だと思います。

 

家具選びの前に、考えてほしいこと

 

ダイニングテーブルを選ぶとき、

多くの方が注目するのは、

 

・デザイン

・サイズ

・素材

・ブランド

 

もちろん、どれも大切です。

 

けれど、その前に

一度立ち止まって考えてほしい問いがあります。

 

・どこを向いて食事をしたいのか

・どんな景色を日常にしたいのか

・誰の気配を、どの距離で感じたいのか

 

この問いが整理されていないままでは、

どれほど美しい家具を選んでも、

暮らしはなかなか整いません。

 

ダイニングは「暮らし方」が映る場所

 

ダイニングテーブルのレイアウトは、

単なる配置の話ではありません。

 

それは、

どんな暮らしを大切にしたいかという意思表示

でもあります。

 

派手さではなく、

静かな整いを重ねていくこと。

 

その積み重ねが、

暮らしの質をつくっていくのだと思います。

 

最後に

 

ダイニングテーブルは、

暮らしを映す鏡のような存在です。

 

何を眺め、

誰と過ごし、

どんな時間を大切にしたいのか。

 

その問いに向き合うことが、

住まいの本質を整えることにつながります。

 

もし、

「間取りは悪くないはずなのに、

どこか違和感がある」

そんな感覚をお持ちでしたら、

 

家具の配置から、

暮らしを見直してみてください。

 

住まいは、

いつからでも整え直すことができます。

 

このブログが、

皆さん自身の暮らしを見つめ直す

きっかけになれば嬉しく思います。

 

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心が休まる場所は、人生のどこにあるのか?

 

想像に疲れた心を、

住まいが受け止めるときに。

 

人の心は、

現実そのものよりも

「どう想像しているか」によって、

大きく左右されます。

 

起きてもいない未来を思い煩い、

過ぎ去った出来事を何度も反芻し、

本当は「今ここ」に

あるはずの時間から、

知らないうちに

心だけが遠くへ行ってしまう。

 

そんな経験は、

誰にでもあるのではないでしょうか。

 

それは決して、弱さではありません。

むしろ、

考える力を持った人ほど、

想像の世界に

深く入り込みやすいものです。

 

性能も水準を満たしている。

暮らしが破綻しているわけでもない。

 

それでも、

日常の中に

小さな引っかかりが

残り続けている。

 

家に帰っても、

気持ちが切り替わらない。

一日の終わりなのに、

どこか身構えたまま

過ごしている。

 

こうした状態は、

住まいが「間違っている」から

起こるのではありません。

 

多くの場合、

空間が、

暮らしの変化や

心の成熟に追いつかず、

無意識の負荷を

抱え込んでしまっているだけなのです。

 

住まいは、

単なる生活の背景ではなく、

日々の感情や

思考の癖と

静かに呼応する存在です。

 

その小さなズレが積み重なったとき、

人は理由のはっきりしない

居心地の悪さを

感じ始めます。

 

私は、

建築を

「気分を高揚させるための装置」

だとは考えていません。

 

もちろん、

美しさは大切です。

心がときめく瞬間も、

人生には必要です。

 

けれど、

それ以上に大切なのは、

想像に逃げなくても、

現実の自分と

穏やかに向き合える場所

であること。

 

疲れたときに、

無理に前向きにならなくていい。

 

何かを成し遂げていなくても、

そのままで居ていい。

 

そう感じられる空間には、

過剰な主張がありません。

 

音も、光も、動線も、素材も、

どこか控えめで、

余白がある。

 

その余白が、

人の心に

ちょうどいい距離感を

与えてくれます。

 

人生には、

喜びもあれば、

怒りや悲しみ、

言葉にしづらい感情もあります。

 

住まいの役割は、

それらを消すことではありません。

 

むしろ、

感情と程よい距離で

付き合える環境を

整えること。

 

・一人になれる場所がある

・視線を外せる余白がある

・何も考えずに過ごせる時間帯がある

 

そうした設計の積み重ねが、

感情の波に

飲み込まれすぎない暮らしを

支えます。

 

心理学の世界では、

「安心できる環境」が

人の回復力を高めることが

知られています。

 

建築も同じです。

 

安心できる空間は、

人に

「考えすぎなくていい時間」を

与えてくれます。

 

日々の暮らしの中で、

私たちは知らないうちに、

多くのものを背負っています。

 

役割、責任、期待、判断。

 

それらを、

常に意識しているわけでは

ありません。

 

だからこそ住まいには、

無意識に背負っているものを、

そっと下ろせる場所

が必要です。

 

帰宅した瞬間に、

肩の力が抜ける。

 

椅子に座っただけで、

呼吸が深くなる。

 

窓の向こうを眺めているうちに、

考え事がほどけていく。

 

そうした体験は、

設計によって

つくることができます。

 

住まいは、

人生の伴走者であってほしい。

 

家づくりは、

人生の答えを出す作業では

ありません。

 

むしろ、

これからも揺れ動く人生に、

寄り添い続ける環境を

整えることだと

私たちは考えています。

 

住まいがあることで、

強くならなくてもいい。

前向きでい続けなくてもいい。

 

それでも、

また一歩を踏み出せる。

 

そんな場所が、

本当の意味で

人の心を守る住まい

なのだと思います。

 

今回のblogが、

皆さん自身の暮らしや

住まいを見直す

きっかけになれば幸いです。

 

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