奈良の建築家が綴る、人生を豊かにする住まい設計日記|やまぐち建築設計室

奈良の建築家が綴る、人生を豊かにする住まい設計日記|やまぐち建築設計室

人生を豊かにする暮らしの提案を大切に、奈良を拠点に住宅設計を行う建築家の設計日記。注文住宅・リフォーム・古民家改修を通して、住まいと暮らしの本質、間取りや動線、日々の気づきを綴っています。

「外から丸見え」は嫌。でも、閉じた家にもしたくない。

 家を建てるなら、

 明るいLDKにしたい。

大きな窓から庭を眺めたい。

カーテンを開けて、光や風を感じながら暮らしたい。

 奈良で注文住宅を設計する、やまぐち建築設計室によるホテルライクな住宅外観。深い軒のカーポート、格子、植栽、アプローチ照明を建築と一体に計画し、道路からの視線やプライバシーに配慮しながら、開放感と落ち着きのある暮らしを考えた住まいのイメージ。


 

そんな住まいに憧れる方は多いと思います。

ところが、実際の土地に立ってみると、

目の前には道路。

隣には住宅。

向かいの家にも窓がある。

 

そこで、ふと気づきます・・・・・。

「大きな窓をつくったら、外から家の中が丸見えにならない?」

開放的に暮らしたい。

でも、外から見られながら暮らしたいわけではない。

 

この一見矛盾する二つの希望を、どう両立させるのか。

実は、ここにも住宅設計の大切な役割があります。

大きな窓=開放的な家ではありません。

 

SNSや住宅雑誌を見ると、

庭へ大きく開いたLDKや、

大きな窓のある美しい住宅に惹かれます。

でも、その窓の向こうには何があるでしょう?

庭?

空?

緑?

それとも、道路や隣家の窓でしょうか。

 

せっかく大きな窓をつくっても、

人の視線が気になって

一日中カーテンを閉めている。

 

それでは少し残念です。

 

住宅の開放感は、窓の大きさだけでは決まりません。

「家の中から何が見えるか」と同時に、

「外から何が見えるか」を考える。

この二つが大切です。

 

プライバシーを守る=閉じる、ではない

外から見られたくないから、

窓を小さくする。

高い塀をつくる。

道路側を全部閉じる。

もちろん、それが必要な土地もあります。

 

でも、すべてを閉じてしまうと、

光や風、庭とのつながりまで失ってしまうことがあります。

 

ですから私は、

「開くか、閉じるか」ではなく、

「どこを開き、どこを閉じるか」

ということを考えます。

 

例えば、

植栽の位置を少しずらす。

格子を使う。

軒を深くする。

窓の高さを変える。

床と道路の高さを考える。

道路からLDKが一直線に見えないように間取りを工夫する。

 

壁で完全に隠さなくても、

少し関係を変えるだけで、

人の視線は自然に外れることがあります。

 

私はこれを、

「隠す」よりも「視線を整える」という感覚で考えています。

 

夜になると、家の見え方は変わります。

 もう一つ、

忘れないように考るべきなのは夜の事です。

昼間はそれほど気にならなかったのに、

夜、室内に照明をつけると

家の中が外から見えやすくなることがあります。

 

夕食を食べる。

ソファでくつろぐ。

家族がLDKで過ごす。

 

本当にプライバシーが欲しいのは、

そんな時間かもしれません。

 

ですから住宅は、

昼の外観だけではなく、

「夜、この家はどう見えるのか?」まで考えることが大切です。

 

外構は「家が完成してから考えるもの」ではありません。

庭、植栽、格子、アプローチ、照明、カーポート。

これらを建物とは別に考えてしまうことがあります。

 

でも私は、できるだけ早い段階から

一緒に考えることが重要だと思います。

 

例えばカーポートも、

単に車を雨から守る屋根ではありません。

 

深い軒が道路と家の間にワンクッションをつくり、

植栽や格子と組み合わせれば視線を和らげ、

夜には照明が玄関までの道を静かに照らしてくれます。

 

車が好きな方なら、

愛車も住まいの景色の一部になります。

 

建築・間取り・庭・外構・照明を別々に考えない。

 

それぞれの関係を整えることで、

住まいの心地よさは変わります。

 

「帰りたくなる家」は、

玄関から始まるわけではないということ。

 

仕事を終えて家へ向かう。

住宅街に入り、自分の家が見えてくる。

灯りがついている。

車を停める。

植栽の横を歩き、軒の下を通って玄関へ。

 

考えてみれば、

家に帰るという体験は、

玄関扉を開けてから始まるわけではありません。

 

自分の家が見えた瞬間から、

少しずつ気持ちは「家」に戻っていく。

 

ですから私は、

外観も、

駐車スペースも、

庭も、アプローチも、

照明も、

暮らしをつくる設計の一部だと考えています。

 

豪華に見せるためではなく、

「今日も帰ってきた」と、

少し気持ちがほどける家にするために。

 

奈良で注文住宅を考えるときに

土地を見るとき、

広さや価格、南向きかどうかだけでなく、

道路はどちらにあるのか。

隣家の窓はどこにあるのか。

どこから光が入り、

どこへ視線が抜けるのか。

どちら側を閉じ、

どちら側へ開けば心地よく暮らせるのか。

 

そんな視点でも土地を眺めてみてください。

土地の印象が、少し変わるかもしれません。

 

誰かの正解ではなく、自分たちに合った答えを。

開放的に暮らしたい。

でも、外から丸見えになるのは嫌。

庭を楽しみたい。

でも、プライバシーも守りたい。

車を大切にしたい。

でも、駐車場だけが目立つ家にはしたくない。

 

どちらかを諦めるのではなく、

「どちらも大切」を、どう住まいとして整えるか。

 

そこに建築家と家づくりをする意味の一つがあると思っています。

やまぐち建築設計室では、

建物の配置、間取り、窓、庭、植栽、外構、照明、駐車スペースまで、

そこで暮らす家族の時間を想像しながら、

一つの住まいとして考えています。

 

まだ間取りの方向性が決まっていなくても、

土地を購入するか迷っている段階でも構いません。

 

「この土地で、自分たちはどんなふうに暮らせるだろう?」

そんなところから、

家づくりを考えてみるのもいいと思います。

 

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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

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いい家とは、暮らしに没頭できる家。

注文住宅の間取りを考える前に大切にしたいこと。

 

家を建てようと思ったとき、 

どんな家にしたいですか?

 吹き抜けと大開口から庭の緑を望む、ホテルライクなモダン住宅のLDK。錆鉄色の梁と火打ち梁、石調の壁、間接照明、造作収納を組み合わせ、家族で過ごす時間と一人で寛ぐ時間のどちらにも心地よく没頭できるよう計画した、注文住宅のリビング・ダイニング・キッチン。

いい家とは、眺めるための家ではなく、暮らすほどに時間を忘れ、自分らしい日常に没頭できる家なのだと思います。
 


 

広いLDK

使いやすいキッチン。

ホテルライクなインテリア。

落ち着いた和モダン。

中庭のある平屋。

家事が楽になる動線。

 

SNSを見ていると、 

「あれもいい」

「これも取り入れたい」 

と、理想はどんどん増えていきます。

 

ところが調べれば調べるほど、 

「結局、自分たちにはどんな家が合っているのだろう?」 

と分からなくなることもあります。

 

そんなとき私は、

一度「家」から少し離れて考えはどうかとお話をしております。

 

新しい家で、

何をしている自分が一番心地よいだろう?

ということです。

 

本当に欲しいのは「家」でしょうか?

ホテルライクなLDKが欲しい。

中庭が欲しい。

アイランドキッチンが欲しい。

書斎が欲しい。

そのとき、そのもう一つ先を想像してみてください。

 

そこで、何をしていたいのでしょうか?

休日の朝に珈琲を淹れる。

庭を眺めながら本を読む。

料理を楽しむ。

好きな音楽を聴く。

子どもと遊ぶ。

夫婦でゆっくり話す。

友人を招いて食事を楽しむ。

もしかすると私たちが本当に欲しいのは、

「素敵な家」そのものではなく、

その家で過ごす、心地よい時間なのかもしれません。

 

幸せは、特別な日にだけあるものではない

旅行へ行く。

素敵なホテルに泊まる。

美味しいものを食べる。

そんな非日常の時間も大切です。

でも、人生の大部分は普通の日です。

 

朝起きて、仕事へ行き、帰宅して、

料理をして、家族と話して、眠る。

 

ですから住まいを設計するとき、

 私は、

 「特別な日に幸せになれる家」だけではなく、

「何でもない日が少し好きになる家」 を考えてはどうかと思っています。

 

「没頭できる時間」を住まいから考える。

 本を読んでいたら、いつの間にか夜になっていた。

 料理をしていたら、嫌なことを忘れていた。

 庭仕事を始めたら夢中になっていた。

 そんな経験はありませんか?

 

心理学では、

何かに深く集中している状態を「フロー」と

呼ぶことがあります。

 

家づくりでも、

「何を所有するか」だけではなく、

何に没頭できる暮らしをつくるのか。

そんな視点があってもいいと思います。

 

家事動線を良くする、本当の目的。

家事動線を短くする。

収納を適切な場所につくる。

洗濯を効率よく終わらせる。

もちろん大切なことです。

 

でも、もし設計によって毎日30分の余裕が生まれたら、

その30分で何をしたいでしょうか?

 

珈琲を飲む。

子どもと話す。

本を読む。

庭を見る。

夫婦でゆっくりする。

何もしない。

それもいいと思います。

 

家事を効率化する目的は、

単に早く終わらせることだけではなく、

自分たちらしく過ごせる時間を取り戻すこと。

 

そこまで考えて、

初めて間取りと暮らしがつながっていきます。

 

家族は、いつも一緒でなくてもいい

家族が集まれるLDKは大切です。

 

でも、

家族が心地よく離れられることも大切です。

 

一人になりたい日。

疲れて帰ってきた日。

静かに考えたい夜。

反対に、みんなで話したい日。

人には喜怒哀楽があります。

 

ですから住まいにも、

つながる場所と、離れられる場所。

明るい場所と、陰影のある場所。

賑わう場所と、静かな場所。

その両方があっていい。

 

人の感情に、住まいの方が寄り添えること。

それも暮らしやすい家の条件だと思っています。

「何を置くか」より「何をしたくなるか」

私は住宅を設計するとき、この考え方を大切にしています。

 

素敵なソファを置くことより、

そこに座りたくなること。

大きな窓をつくることより、

庭を眺めたくなること。

立派なキッチンを入れることより、

料理をしたくなること。

書斎をつくることより、

本を開きたくなること。

 

住まいは、人を幸せにすると単純に言えるものではありません。

 

でも、人が心地よい行動をしたくなる環境を、

設計によって整えることはできます。

 

そこに住宅設計の意味があると考えています。

憧れと現実、その間を設計するということ。

ホテルライクな家。

和モダンな家。

中庭。

大きなLDK

アイランドキッチン。

ビルトインガレージ。

そんな憧れを諦める必要はありません。

 

ただ、その空間で、自分は何をしているのか?

そこを想像してみてください。

すると「欲しい家」が少しずつ、

「自分たちが暮らしたい家」へ変わっていきます。

 

家づくりには、敷地、予算、構造、性能、法律、

そして家族それぞれの生活があります。

 

理想だけでもなく、

現実だけでもない。

 

憧れと現実の間に、

その家族にとって心地よい答えを探す。

 

そこにも建築家が関わる意味があると思っています。

あなたは、新しい家で何に没頭したいですか?

 

これから注文住宅やリフォームを考えているなら、

一度だけでも構いませんから

今の生活を観察してみてください。

 

休日、何をしていますか?

どこにいると落ち着きますか?

家族と一緒にいたいのは、どんなときですか?

一人になりたいのは、どんなときですか?

 

そして、

何をしていると、時間を忘れますか?

 

その答えは、SNSで検索しても出てきません。

家族によって違うからです。

 

だからこそ、

誰かにとっての正解の間取りではなく、

自分たちにとって心地よい暮らしから家を考える。

そんな家づくりが大切だと考えています。

 

私は奈良県で住宅設計を行っています。

注文住宅、新築、建て替え、

リフォーム・リノベーションについてご相談をいただく際も、

LDKを何帖にするか」

だけを考えているわけではありません。

 

朝をどう過ごしたいのか。

休日は何をしたいのか。

家族とはどんな距離でいたいのか。

何をしていると心が整うのか。

そして10年、20年後、どんな毎日を過ごしていたいのか。

 

そんなお話から、

奈良県の各地域にある

独特の環境を視野に間取り、

動線、収納、窓、光、素材、色彩、

家具、庭との関係を考えていきます。

 

いい家とは、眺めるための家ではなく、

暮らすほどに、自分たちの日常に没頭できる家。

 

何でもない一日の途中で、

「この家でよかったな」と思える。

 

そんな時間を少しずつ増やすことも、

住まいを設計する意味なのだと思います。

 

家づくりを考えているけれど、

「まだ、自分たちにどんな家が合っているのか分からない」

そんな段階だからこそ、

「どんな家を建てるか」の前に、

「これから、どんな時間を過ごしていきたいのか」

というところから、

住まいについて考えてみませんか。

 

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奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
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LDKは何帖あれば広い?25帖でも広く感じる家、35帖でも狭く感じる家

 

LDKは何帖くらいあれば広く感じますか?」

 奈良で新築・建て替え・リフォームを考える方へ。グレーを基調としたホテルライクなLDK。リビングからダイニング、キッチン、屋外へと視線が伸びる間取りに、家具配置、大きな開口、天井の連続性、間接照明を組み合わせ、床面積や帖数だけでは決まらない開放感と心地よさを考えた住空間。

家づくりを考え始めると、

気になることのひとつだと思います。

20帖。25帖。30帖。

 

数字が大きいほど、

ゆったり暮らせそうに感じます。

でも実際には25帖でも広く感じる家があり、

35帖あっても思ったほど広く感じない家があります。

 

なぜでしょうか? 

LDKの「広さ」は、帖数だけでは決まりません。 

私たちが空間を見たとき、 

「ここは25帖だから広い」 

と数字を感じているわけではありません。

 

目に入ってくるのは、家具の配置。

窓の位置。

視線の抜け。 

天井の高さ。 

光と陰影。 

庭とのつながり。 

そして、人が歩く場所。

 

こうした要素の組み合わせによって、

同じ床面積でも、感じる広さは変わります。

 

家具を置いた後の「余白」を考える

 

間取り図では広く見えたのに、

ソファとダイニングテーブルを置いたら

思ったより狭かった。

 

これは珍しいことではありません。

 

大切なのは、

LDKが何帖あるか」だけではなく、

家具を置いたあとに、

どんな余白が残るのか? 

ということ。

 

ソファの後ろを人が通る。

椅子を引く。

キッチンからダイニングへ料理を運ぶ。

家族がすれ違う。

そんな日常まで考えて、

家具と間取りを一緒に整えることが大切です。

 

「視線」が抜けると、空間は広く感じます

例えば、

ソファに座った正面が壁になっているLDK

もうひとつは、

窓の向こうに庭が見え、

さらに空まで視線が伸びていくLDK

 

同じ25帖だったとしても、

感じ方はかなり違います。

 

私は設計するとき、

「この場所に座ったとき、何が見えるのか」を考えます。

 

窓を大きくするだけではなくて、 

どこに窓を設けるのか。 

その先に何を見せるのか。

家具をどこに置くのか。

そこまで考えて、ひとつの空間になります。

 

広いLDKなのに「通路」ばかりになっていませんか?

 

もうひとつ、

意外と見落としやすいのが動線です。

 

玄関からキッチンへ。

リビングから洗面室へ。

キッチンからパントリーへ。

リビングから庭へ。

いくつもの動線がLDKを横切ると、

35帖あったとしても、

実際に落ち着いて過ごせる場所は

思ったほど多くありません。

 

逆に25帖でも、

食事をする場所。

くつろぐ場所。

料理をする場所。

人が歩く場所。

 

それぞれが整理されていれば、

ゆったり感じられることがあります。

 

広くする前に、動線を整える。

 

これも、

LDKを考える大切なポイントです。

 

天井も「高ければいい」とは限りません

 

吹抜けや高天井は、

開放感を生みます。

 

でも、すべてを高くすることが

心地よさにつながるとは限りません。

 

少し落ち着いた高さのダイニング。

開放感のあるリビング。

その先に続く軒と庭。

高さに変化があることで、

空間に奥行きが生まれます。

 

これは数寄屋や和モダンの空間にも

通じる考え方です。

 

広いことと、心地よいことは同じではありません。

「広いLDKが欲しい」の先にあるもの

設計の打ち合わせで、「広いLDKにしたいです」

というご希望を伺ったとき、

私はもう少し先を考えます。

 

なぜ広くしたいのでしょうか。

家族で過ごしたい。

大きなソファを置きたい。

友人を招きたい。

庭を眺めたい。

子どもが勉強する場所も欲しい。

夫婦でゆっくり過ごしたい。

同じ「広いLDK」でも、

求めている暮らしは違います。

 

LDK5帖広くするより、

窓の位置を変える。

家具配置を整える。

動線を整理する。

庭との関係を考える。

 

その方が、

本当に欲しかった暮らしに

近づくこともあります。

 

25帖と35帖。どちらが正解?

 

答えは、どちらも正解になり得ます。

25帖でも、家具。視線。窓。動線。光。

天井。庭。

 

それぞれが丁寧につながっていれば、

数字以上の広がりを感じることがあります。

 

反対に35帖でも、

それぞれの関係が整理されていなければ、

 

「広いはずなのに、なんとなく落ち着かない」ということもあります。

 

この違いに、

住宅設計の大切な部分があります。

 

「何帖欲しい?」より、「どう暮らしたい?」

家づくりでは、LDK○帖。収納○帖。延床○坪。

 

数字がたくさん出てきます。

数字は比較しやすいので、

判断の基準にしたくなります。

でも毎日の暮らしで感じるのは、

数字ではありません。

朝、ダイニングに入ってくる光。

ソファから見える庭。

料理をしながら聞こえる家族の声。

夜、照明を落としたときの静けさ。

そんな時間の積み重ねが、

「この家は心地よい」

という感覚をつくるのだと思います。

LDKは何帖必要?」と考える前に、

「そこで、どんな時間を過ごしたい?」と考えてみる。

 

そこから始めると、

家づくりの見え方は少し変わります。

 

奈良で新築・建て替え・リフォームを考えている方へ

 

やまぐち建築設計室では、 

すぐに間取りを決めるのではなく、 

今の暮らしで感じている不便。

 

好きな時間。 

家族との距離感。

これから大切にしたい暮らし。 

まだ言葉になっていない希望。

 

そうしたことを整理しながら、

住まいを考えています。

 

LDKは何帖必要なのか分からない」 

「提案された間取りが、本当に自分たちに合っているのか分からない」

「新築・建て替え・リフォームのどれがよいのか迷っている」

 

そんな段階でも、考えられることはあります。

家の形を決める前に、

これからの暮らしを整理する。

予約制の設計相談も、そこから始めています。

 

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子どもが独立した後、どんな家で暮らしたいですか?

 

子どもが独立すると、

家の中は少し静かになります。

 奈良で子どもの独立後の住まいを考えるシニア夫婦が、平屋の住宅模型や間取り図、内観イメージ、素材見本を見ながら、これからの夫婦二人の暮らしに合う新築・建て替えについて検討している設計打ち合わせの様子。

毎日のように使っていた子ども部屋。 

家族みんなで囲んでいた食卓。 

たくさんの靴が並んでいた玄関。 

洗濯物を持って

何度も上り下りしていた階段。

 

家そのものは変わっていないのに、

そこで過ごす時間は少しずつ変わっていきます。

 

そして、あるときふと思うことがあります。

 

「この家で、これから夫婦二人、

どんなふうに暮らしていこうか」

 

それは今の家への不満というより、 

暮らしが次の段階へ進み始めたからこそ

生まれる問いなのかもしれません。

 

家は変わらなくても、暮らす人は変わります

 

家を建てた頃には、

その家族に必要だった間取りがあります。

 

子ども部屋があり、

家族が集まるLDKがあり、

たくさんの物をしまう収納がある。

 

でも、10年、20年と時間が経てば、

暮らす人も変わります。

 

子どもは成長する。 

仕事との付き合い方も変わる。 

家で過ごす時間も変わる。 

そして以前は後回しにしていたことを、

これからは楽しみたいと思うこともあります。

 

ですから、「今の家のどこを直すか」

だけではなく、 

「これから、どんな暮らしをしたいのか」 

から住まいを考えてみることも

大切だと思っています。

 

子ども部屋をどうするか、だけではありません。 

子どもが独立すると、 

「使わなくなった子ども部屋をどうしよう」 

と考える方も多いと思います。 

もちろん、それも一つです。 

でも、その前に夫婦で考えてみてほしいことがあります。

 

これから家で、どんな時間を過ごしたいですか? 

朝、庭を眺めながら

ゆっくり珈琲を飲む。 

休日には好きな音楽を聴きながら

料理を楽しむ。 

友人を招いて食事をする。 

本を読むための静かな場所を持つ。 

好きな車や趣味を楽しめる

自分だけの居場所をつくる。 

深い軒の下で、

季節の移ろいを感じる。 

旅館を訪れたときのような静けさを、

普段の暮らしの中にもつくる。

 

若い頃には「いつかできたら」

と思っていたことを、 

これからの暮らしの中心に

置いてもいいのではないでしょうか。

 

「使わない場所」より「これから使う場所」を豊かに

 

夫婦二人になったからといって、

単純に家を小さくすればよいわけでもありません。

 

大切なのは、 

これから毎日使う場所を

どう心地よくするのか。

 

例えばLDK 

ただ広くするのではなく、 

ソファに座ると庭が見える。 

ダイニングには朝の光が入る。 

キッチンから季節の変化が感じられる。 

夫婦それぞれが一人で過ごせる場所と、

自然に一緒になれる場所がある。

 

こうしたことは「LDK〇〇帖」 

という数字だけでは表せません。 

収納も同じです。 

たくさんつくることより、 

何を、どこで使って、

どこへ戻すのか。

 

毎日の暮らしから考える方が

使いやすくなることがあります。

 

面積を増やすのではなく、

これから大切にしたい場所へ

豊かさを集めていく。

 

そんな住まいづくりもあります。

 

和モダンやホテルライクも、

見た目だけではありません。

 

奈良で住まいのご相談を伺っていると、

「和モダンの家が好き」

「旅館のような落ち着いた家にしたい」

「ホテルライクな空間に憧れる」

というお話もあります。

 

ただ僕は建築家として、

和モダンやホテルライクを

単なる見た目のスタイルだけでは

考えないようにしています。

 

なぜ旅館では、

気持ちが落ち着くのでしょう。

 

なぜ心地よいホテルでは、

普段とは違う時間を感じるのでしょう。

 

光。素材。庭との距離。視線。家具。

収納。照明。そして、余白。

 

そうしたものが丁寧に整えられているからこそ、

生まれる心地よさがあります。

 

ホテルのように「見せる」のではなく、

なぜ心地よいのかを読み解いて

日常の暮らしへ置き換える。

 

その方が、長く暮らしても

心地よい住まいになると思います。

 

夫婦二人なら、平屋が正解?

 

子どもが独立した後の住まいとして、

平屋を考える方もいらっしゃいます。

 

生活を一つの階にまとめやすく、

上下移動も少ない。

 

これからの暮らしを考えるうえで、

平屋は魅力的な選択肢です。

 

ただし「夫婦二人だから平屋」

と決める必要はありません。

 

今の家を生かして

1階中心の暮らしへリフォームする。

二階建てでも、

将来1階で生活を完結できるようにする。

今の土地を改めて読み直し、

建て替える。

別の土地へ住み替える。

いろいろな方法があります。

 

平屋も、リフォームも、建て替えも、

それが目的ではありません。

これからどんな暮らしをしたいのか? 

その答えによって、

住まいの形は変わります。

 

「老後に困らない家」だけでは、少し寂しい

 もちろん、これからの住まいには

将来への配慮も必要です。

寝室とトイレの距離。

玄関や室内の段差。

階段。室内の温度差。

 掃除や庭の手入れ。

車から玄関までの移動。

そして、子どもたちが

家族を連れて帰ってきたときの居場所。

 

少し先まで想像しておくことは大切です。

 

でも「老後に困らないため」だけの家では

少し寂しいと思うのです。

これから困らないこと。

そして、これから楽しめること。

その両方を考えたい。

庭を楽しむ。

料理を楽しむ。

趣味を楽しむ。

夫婦の時間を楽しむ。

一人の時間も楽しむ。

ときどき帰ってくる

子どもや孫との時間も楽しむ。

 

家族の形が変わったからこそ、

できる家づくりがあります。

 

家をどうするか決める前に

リフォームするのか。

建て替えるのか。

平屋にするのか。

新しい土地を探すのか。

最初から答えが

決まっている必要はありません。

 

むしろ方法を決める前に、

「これから、どんな時間を

家で過ごしたいのだろう」

と考えてみる。

 そこから始めることが大切だと思っています。

 

やまぐち建築設計室では、

間取りを描く前に、今感じている不便や迷い。

好きなもの。

日々の過ごし方。

これから大切にしたい時間。

そして、まだうまく言葉になっていない

「こんな暮らしができたらいいな」

ということまでお聞きしながら、

住まいを考えています。

 

奈良で新築、建て替え、平屋、

リフォームやリノベーションを考えていても、

最初から方法を

一つに決める必要はありません。

家を変えることだけが、

家づくりではありません。

 

これからの人生に、

どんな居場所があれば心地よいのか。

夫婦でそんな話をすることから、

これからの住まいづくりを始めても

よいのだと思います。

 

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 30年の家、このまま住み続けて大丈夫?

「新耐震だから安心」とは限らない理由

 

大きな地震のニュースを見るたびに、

「今住んでいるこの家は、大丈夫なのだろうか」

と、気になることはありませんか?

 奈良で築20年・30年・40年の木造住宅の耐震リフォームや建て替えを検討する際に重要となる、柱・梁・屋根架構などの構造躯体を3Dで可視化した住宅設計モデル。既存住宅の耐震性や構造を確認し、間取り変更と耐震補強、これからの暮らしを総合的に考える建築家の住まいづくりを表現。

20年、30年、40年と暮らしてきた家なら、

「耐震診断を受けた方がいい?」

「リフォームすれば、まだ安心して住める?」

「それとも建て替えた方がいい?」

と考えることもあると思います。

 

特に「うちは新耐震基準だから大丈夫」と

思っている方もいらっしゃるかもしれません。

 

でも、住まいの安全性は築年数だけでは判断できません。

 

そして私は、耐震性を考えるときこそ、

「この家で、これからどんな暮らしをしたいのか」までを

一緒に考えることが大切だと思っています。

 

 「新耐震だから大丈夫」とは限りません

住宅の耐震基準には、大きな節目があります。

 

その一つが1981年。

198161日から、いわゆる「新耐震基準」が適用されています。

ただし木造住宅では、

2000年にも耐力壁の配置や柱・梁・筋かいなどの

骨組みに関する接合部に関する基準が明確化されています。

 

2016年の熊本地震では、

1981年以降に建てられた木造住宅でも、

2000年以前の住宅に倒壊等の被害が確認されました。

 

そのため国土交通省も、

19816月から20005月までに建てられた

一定の木造住宅について、

リフォームなどの機会に

耐震性能を確認するための方法を示しています。

 

だからといって、

2000年以前の家だから危険」という意味でもありません。

 

大切なのは、

「何年に建てたか」だけでなく、

「今、その家がどのような状態なのか」を確認すること。

そこからです。

 

同じ築30年でも、家の状態は違います。 

例えば、同じ築30年の木造住宅でも、

建っている土地の状態。

基礎の状態。

柱や梁。

耐力壁の配置。

接合部。

屋根の重さ。

雨漏りや結露。

腐朽やシロアリ被害。

過去の増築やリフォーム。

などによって、

現在の状態は一棟一棟異なります。

 

特に確認するべきなのは、

これまでの間取り変更です。

 

「和室とDKをつなげてLDKにした」

「キッチンを広げるため壁を取った」

「窓を大きくした」

という住宅もあります。

 

もちろん、壁を取ったから危険ということではありません。

住宅の壁には、部屋を仕切る壁だけでなく、

地震や風に抵抗するために重要な壁もあります。

 

だからこそ、

どの壁を、どのような考え方で変更したのか。

そこまで確認することが大切です。

 

リフォームか建て替えか。その前に考えたいこと。

30年、40年になってくると、

ここまでリフォームするなら、

建て替えた方がいいのでは?

という疑問も出てきます。

 

でも、この答えも築年数だけでは決まりません。

今の構造をどこまで生かせるのか。

建物にどの程度の劣化があるのか。

希望する間取りを実現できるのか。

そして何より、

これから、この家でどんな暮らしをしたいのか。

そこまで含めて考える必要があります。

 

庭や景色が気に入っている。

長く暮らしてきた家に愛着がある。

残したい柱や建具がある。

今の建物を生かしながら耐震性や断熱性を整えられる。

 

そんな家なら、

リフォームやリノベーションという選択が生きてきます。

 

反対に、建物全体の状態や希望する暮らしを考えた結果、

建て替える方が適していることもあります。

 

大切なのは、

リフォームと建て替え、

どちらが一般的に正しいかではなく

この家族と、

この家にはどちらが合っているかを考えることです。

 

耐震リフォームを「これからの暮らし」を考える機会に

耐震性を見直すために

壁や床、天井へ手を入れるのであれば、

住まいのほかの不便も

一緒に考えることができます。

 

例えば、

冬の廊下や洗面室が寒い。

夏の2階が暑い。

キッチンが使いにくい。

収納はあるのに片付かない。

家事動線が長い。

使わなくなった部屋がある。

LDKをもっと明るく開放的にしたい。

こうした悩みです。

 

耐震性。

断熱性。

間取り。

家事動線。

収納。

光や風。

庭とのつながり。

本来、これらは別々の問題ではありません。

 

すべて、

「これから毎日をどう暮らすか」につながっています。

 

ですから私は、既存住宅のリノベーションを、

古くなった設備や内装を新しくするだけではなく、

「これからの暮らしを再設計すること」だと考えています。

 

これから20年・30年、誰とどんな暮らしをしたいですか?

家を建てた頃と今では、

家族の暮らし方も変わっていると思います。

 

小さかった子どもが独立し、夫婦二人の時間が増えた。

これから親との暮らしを考える。

子どもや孫が帰ってくる家にしたい。

自分たち自身も、これから年齢を重ねていく。

 

そう考えると、

「古くなったところを直す」

だけでは十分ではないことがあります。

 

寝室はこれからも2階でいいのか。

水まわりまでの距離は負担にならないか。

段差はどうするか。

使わなくなった部屋をどうするか。

庭を眺めながら過ごせる場所をつくれないか。

 

そんなことまで考えてみる。

耐震性を見直すことは、

これからの人生と住まいの関係を

考え直すきっかけにもなります。

 

 「まだ住める」と「これからも心地よく暮らせる」は少し違う

築20年だから大丈夫。

築40年だから建て替え。

新耐震だから安心。

そんなふうに、一つの条件だけで

住まいのこれからを決めることはできません。

 

まず、今の家は、どのような状態なのか? 

そして、

これから、この家でどんな暮らしをしたいのか?

その二つを一緒に考えてみることが大切です。

 

調べてみた結果、

耐震補強をしながら今の家を残す。

耐震・断熱・間取りまで含めてリノベーションする。

あるいは、これから20年、30年を考えて建て替える。

 

それぞれの答えがあります。

 

最初から決めなくても構いません。

むしろ、

リフォームなのか、建て替えなのか、

まだ分からない・・・・・。

という段階だからこそ、

今の住まいとこれからの暮らしを

一度整理してみる意味があります。

 

地震に強い家にすることは、とても大切です。

でも、その先にあるのは、

家族と食卓を囲む時間や、

庭を眺めながら過ごす休日、

好きなものに囲まれて過ごす毎日の暮らしです。

 

耐震リフォームを、

地震に強くするためだけの工事ではなく、

これから20年、30年を安心して

心地よく暮らすための住まいづくり

として考えてみる。

 

そんな選択肢もあると思います。

奈良でリフォーム・建て替えを考えている方へ。

やまぐち建築設計室では、

奈良県橿原市を拠点に、新築・建て替え

リフォーム・リノベーション

古民家再生などの設計を行っています。

 

住まいの形を決める前に、

今感じている不便や不安。

残しておきたいもの。

まだ言葉になっていない希望。

これから家族とどのような時間を過ごしたいのか。

 

そうしたことを整理しながら、

住まいづくりを考えています。

 

今の家を残すのか。

リノベーションするのか。

建て替えるのか。 

 

まだ方向性が決まっていない段階でも、

完全予約制の個別相談で、

現在の住まいとこれからの暮らしを

整理するところからお話を伺っています。

 


キッチンの位置はリフォームで変えられる?

間取り変更の前に知っておきたい7つのこと

 

「キッチンが古くなってきたので、

そろそろリフォームしたい」

そう考えたとき、

最初にキッチンメーカーのカタログを見たり、

ショールームへ行ったりする方も

多いと思います。

 奈良でキッチンの位置変更を伴うリフォーム・リノベーションを検討する方へ。アイランドキッチンを中心に、ダイニングとのつながりや家事動線、背面収納、庭への視線まで考えてLDK全体の間取りを整えた住まい。キッチンの移動は設備交換だけでなく、給排水や換気、収納、家族の動きを含めて計画することが大切です。

アイランドキッチン。

対面キッチン。

大きな食洗機。

たっぷり入る収納。

新しい設備を見ると、

「こんなキッチンなら今より暮らしやすくなりそう」

と想像しますよね。

 

もちろん設備を新しくすることで解決できることもあります。

でも、少しだけ考えてみてください。

今のキッチンが使いにくい原因は、

本当に「設備が古いこと」だけでしょうか?

料理をしていると、

家族に背を向けてしまう。

冷蔵庫へ行く家族と何度もぶつかる。

ダイニングまで料理を運びにくい。

買い物から帰って、食品を収納するまでが遠い。

キッチンはそれほど狭くないのに、

なぜか料理がしにくい。

もし困っていることがこうした内容なら、

必要なのは、キッチンを新しくすることではなく、

キッチンと暮らしの関係を変えること

かもしれません。

 

リフォームでキッチンの位置は変えられる?

 

先に結論から書きます。

戸建て住宅のリフォームでも、

キッチンの位置を変更できる場合があります。

例えば、壁付けキッチンを対面キッチンへ変更する。

 

独立していた台所をLDKへ取り込む。

キッチンとダイニングの位置関係を変える。

和室などを取り込んで、LDK全体をつくり直す。

 

こうした間取り変更が可能な住宅もあります。 

ただし「空いている場所なら、

どこへでも移動できる」

というわけではありません。

 

キッチンには、給水。給湯。排水。換気。電気。場合によってはガス。

といった設備が必要です。

 

さらに既存住宅では、

床下や天井裏、基礎、柱や梁、壁、

上階との関係なども

確認する必要があります。

 

つまり、キッチンの位置だけを見て、

「ここへ移動できます」

とは判断できないのです。

 

まず確認したいのは「排水」

キッチンを移動するとき、

特に確認したいものの一つが

排水です。

 

キッチンで使った水は、

排水管を通して流します。

 

そのため、現在の排水管がどこにあるのか。

新しいキッチンまで

どれくらい離れるのか。

床下に配管できる

スペースがあるのか。

基礎との関係はどうなのか。

必要な排水計画が

成立するのか。 

こうした条件を確認します。

 

間取り図では「ここへキッチンを動かせば使いやすそう」

と思えても、その床下には、完成後には見えなくなる条件があります。

 

リフォームでは、見える間取りと、

見えない設備を一緒に考えることが大切です。

 

アイランドキッチンにしたい。換気はどうする?

 

もう一つ、見落としたくないのがレンジフードです。

 

例えばLDKの中央にアイランドキッチンを置きたい。

 

空間としては、とても魅力的です。

 

でも料理をすれば、

煙や蒸気、におい、熱などが発生します。

 

それらを屋外へ排出するため、

換気ダクトのルートが必要になります。

 

外壁までどう通すのか。

天井裏に

必要なスペースがあるのか。

施工事例の写真に写る美しいキッチンの裏側には、

完成すると見えなくなる設備の計画があります。

 

ここまで考えて初めて、

その位置が適切かどうかを判断できます。

 

でも、設備より先に考えてほしいことがあります

ここからが、

やまぐち建築設計室がリフォームを考えるときに

大切にしている部分です。

 

例えば「壁付けキッチンを対面キッチンにしたい」

というご希望があったとします。

 

もちろん、

対面型へ変更する方法を

考えることはできます。

 

でもその前に、

「なぜ、対面キッチンにしたいのですか?」

 というところを考えます。

 

家族と話しながら料理したい。

子どもの様子を見たい。

ダイニングとの行き来を

楽にしたい。

料理中の孤立感をなくしたい。

来客時も会話を楽しみたい。

庭を眺めながら料理したい。

 

同じ「対面キッチンにしたい」

という希望でも、

その奥にある暮らしの目的は違います。

 

そして、

目的が違えば、

適切な間取りも変わります。

 

実は、キッチンを移動しなくても解決することがあります

これは意外に思われるかもしれません。

 

今のキッチンが使いにくい。

だから「位置を変えたい」

と思っていた。

 

ところが暮らしを詳しく見てみると、

問題はキッチンの位置そのものではない。

そんなケースもあります。

 

例えば、

冷蔵庫が遠い。

食器収納の場所が使いにくい。

家族が冷蔵庫へ行くたびに

調理動線とぶつかる。

買ってきた食品を

キッチンまで運びにくい。

ゴミ箱を置く場所がない。

ダイニングへの配膳がしにくい。

 

こうした問題なら、

キッチンを大きく移動しなくても、

冷蔵庫、

収納、

パントリー、

出入口、

ダイニングテーブルなどの

位置関係を整えることで、

暮らしやすくなる場合があります。

 

ですから、

「キッチンを移動する」は目的ではありません。

 

目的は、今の暮らしにある不便を解決すること。

 

ここを一度整理することが

リフォームでは大切です。

 

間取りを見る前に「料理をする一日」を考えてみる

 

キッチンリフォームを

検討している方に、

一度試していただきたいことがあります。

 

間取り図を見る前に、

普段キッチンの周りで

どんな行動をしているのかを

書き出してみてください。

 

朝、

冷蔵庫を開ける。

朝食をつくる。

食器を出す。

家族が飲み物を取りに来る。

食べ終わった食器を片付ける。

買い物から帰れば、

荷物を置く。

冷蔵品を冷蔵庫へ。

食品をパントリーへ。

日用品を収納へ。

 

夕方になると、

食材を出す。

料理する。

家族が帰ってくる。

配膳する。

食事をする。

片付ける。

ゴミをまとめる。

 

こうして並べると、キッチンは単独の場所ではないことが分かります。

 

玄関。

冷蔵庫。

パントリー。

ダイニング。

リビング。

洗面室。

収納。

ゴミ置場。

 

いろいろな場所とつながっています。

 

だからこそ、キッチンだけを新しくしても、

周囲との関係が変わらなければ、

今感じている不便が残ることがあります。

 「家事動線を短くする」だけでも足りない

家事動線という言葉も、

家づくりではよく使われます。

 

もちろん、無駄な移動を減らすことには意味があります。

でも、短ければ必ず暮らしやすいわけではありません。

例えば、冷蔵庫をキッチンのすぐ近くに置いたとします。

料理する人には便利です。

でも冷蔵庫は、

家族全員が使います。

 

夕食をつくっている時間に、

料理する人。

冷蔵庫へ行く人。

食器を片付ける人。

ダイニングへ向かう人。

 

それぞれの動きが

同じ場所に集中すると、

距離は短くても

使いにくくなることがあります。

 

考えるべきなのは、

最短距離ではなく、

家族の動きが自然に流れること。

これが間取りを考えるときには重要です。

人気の間取りが、自分たちにも正解とは限りません

 

例えば最近よく見かける、

キッチンとダイニングテーブルを

横並びにする間取り。

 

配膳しやすい。

片付けやすい。

家族が料理に参加しやすい。

そうしたメリットがあります。

 

一方で、横方向にある程度の広さが必要です。

 

椅子を引く場所。

人が通る場所。

冷蔵庫への動線。

リビングとのつながり。

庭への視線。

 

こうした関係も考えなければなりません。

アイランドキッチンも同じです。

左右から回れる。

家族が参加しやすい。

LDKとの一体感をつくりやすい。

魅力があります。

でも、

通路幅。

収納。

換気。

コンセント。

冷蔵庫との距離。

リビングからの見え方。

来客時の生活感。

まで考えて初めて、

自分たちの暮らしに

合っているかどうかが分かります。

 

気だから暮らしやすいのではなく、

その家族と、その住まいに合っているから

暮らしやすい。

やまぐち建築設計室ではここを大切にしています。

壁を取ってLDKを広げたい場合は?

築年数を重ねた戸建てでは、

台所。食堂。居間。和室。

というように、

空間が細かく分かれていることがあります。

そこで、壁をなくして大きなLDKにしたい。

キッチンも移動して

家族が集まれる空間にしたい。

と考えることがあります。

 

ただし、既存住宅の壁は

すべて自由に撤去できるわけではありません。

柱。梁。耐力壁。基礎。上階の柱や壁。屋根。

建物全体を確認しながら、

どこまで変更できるのかを

判断する必要があります。

 

場合によっては、

柱を残す。

構造補強をする。

壁の位置を工夫する。

 

そうすることで、

希望する暮らしに近づける方法を

検討することもできます。

つまり「邪魔な壁だから取る」のではなく、

その壁が建物の中で

どんな役割を持っているのかを確認してから考える。

 

これが既存住宅の

間取り変更では重要です。

キッチンリフォーム前に確認したい7つのこと

ここまでの内容を、

実際のリフォームで使えるように

7つにまとめます。

 

1.今のキッチンで、一番困っていることは?

「古い」と「使いにくい」を

一度分けてみます。

2.キッチンを移動して、何を変えたい?

対面型やアイランド型にすることではなく、

その先にある暮らしを考えます。

3.料理中、家族はどこを通る?

調理動線だけでなく家族全員の動きを重ねます。

4.冷蔵庫・食品・食器・ゴミはどこに置く?

キッチン本体だけでなく、周囲の収納まで考えます。

5.買い物から帰った後、荷物はどう動く?

玄関からキッチン、冷蔵庫、パントリーまで。

毎日の小さな動作が暮らしやすさを左右します。

6.食事が終わった後、どう片付ける?

家事動線は、料理をつくるところだけではありません。

配膳から片付けまで一続きで考えます。

710年後も、同じ使い方をしている?

子どもは成長します。

家族構成や仕事の仕方も変わります。

今の便利さだけではなく、

これからの暮らしにも

少し余白を残します。

 

「欲しいキッチン」より先に考えてみること

 最後に、もう一つだけ。

 キッチンメーカーを決める前に、

今の暮らしから「なくしたい時間」を

考えてみてください。

 

料理中、家族が後ろを通るたびに

手を止める時間。

買ってきた食品を

何往復もして片付ける時間。

必要なものを探す時間。

食後、遠くまで食器を運ぶ時間。

料理をしながら、

一人だけ家族から離れている時間。

そして次に「増やしたい時間」を考えます。

家族と話しながら料理する時間。

夫婦で食事をつくる時間。

庭を眺めながら

朝食を準備する時間。

家事を早く終えて

ゆっくり過ごす時間。

友人を招いて、

キッチンを囲む時間。

 

そうすると、

「どんなキッチンを買うか」から、

「どんな暮らしに変えたいのか」へ、

リフォームの考え方が変わってきます。

 家族の暮らし方によって、できる間取り変更は

一軒ごとに異なります。

 

キッチンを移動した方がいいのか。

今の位置を生かした方がいいのか。

壁を取った方がいいのか。

収納の配置を変えるだけで

解決できるのか。

そこから一緒に整理しています。 

今の住まいの問題と、

これから考えられる選択肢を

丁寧に整理整頓してみませんか?

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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

住まいの設計、デザインのご相談は
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奈良県で注文住宅・リフォーム・古民家再生

店舗・医院設計を行っている、

やまぐち建築設計室です。

 

家づくりを考え始めたとき、

多くの方はまず「間取り」を探します。

 奈良県で注文住宅やリフォーム、店舗・医院設計を手掛ける建築家が、間取り図を見ながら暮らし方や働き方、家事動線、収納計画、将来のライフスタイルまで整理し、本当に必要な空間を設計している打ち合わせ用プラン。要望をそのまま形にするのではなく、暮らしや事業の課題を読み解き、住まいと建物の価値を高める設計提案のイメージ。

SNSで施工事例を見たり、

住宅展示場へ足を運んだり、

雑誌やインターネットで理想の住まいを探したり。

 

「こんなリビングがいいな」

「家事が楽になる動線がいい」

「収納はたくさん欲しい」

 

そうして理想を集めていくことは、とても大切な時間です。

 

でも、不思議なことがあります。

情報を集めれば集めるほど、決められなくなる方が少なくありません。

「この間取りで本当に暮らしやすいのかな?」

「会社によって提案が違う…」

「夫婦で意見がまとまらない…」

そんな相談を、これまで数多くお受けしてきました。

 

実は、その原因は「情報不足」ではないことが多いのです。

間取りは、暮らしの答えではなく「結果」

建築家は、最初から間取りを描くわけではありません。

 

まず考えるのは、

「どんな暮らしをしたいのか」

「何に困っているのか」

ということです。

 

例えば、

「広いリビングが欲しい」

という希望。

その理由を一緒に整理していくと、

本当に欲しかったのは広さではなく、

家族が自然と集まり、それぞれが心地よく過ごせる時間だった。

 

そんなことも珍しくありません。

収納も同じです。

収納を増やしても片付かない家があります。

それは収納量ではなく、

「使う場所」と「戻す場所」の関係が

暮らしに合っていないからです。

 

つまり、

間取りはゴールではなく、

暮らしを整理した結果として生まれるものなのです。

 

よい家は、要望を全部入れることで

完成するわけではありません

 

「吹き抜けも欲しい」

「中庭も欲しい」

「ランドリールームも」

「ファミリークローゼットも」

 

どれも魅力的です。

でも、そのすべてを詰め込めば、

暮らしやすい家になるとは限りません。

 

建築家の仕事は、

希望をそのまま図面に描くことではありません。

 

その希望が生まれた理由を一緒に考え、

本当に必要なものを見つけることです。

 

店舗や医院も同じです

これは住宅だけの話ではありません。

 奈良県で店舗設計やリニューアルを検討する経営者に向けた、ホテルライクで上質な店舗空間のイメージ。木目天井と曲線照明、ガラスショーケース、落ち着いた接客スペースを組み合わせ、商品やサービスの魅力、顧客の居心地、スタッフの接客動線、事業のブランド価値まで考えて設計された店内。

カフェや美容室、医院やクリニックでも同じです。

「おしゃれな空間にしたい」

「ホテルライクにしたい」

という希望だけでは、

選ばれる店舗にはなりません。

 奈良県で医院・クリニックの新築・開業・リフォームを検討する医師に向けた建築家によるクリニック設計イメージ。ホテルライクな受付と待合空間、患者が安心して過ごせる動線、スタッフの働きやすさ、診療効率、清潔感まで考慮し、医院の理念や地域から信頼されるブランド価値を建築デザインで表現した医療空間。

お客様は何を感じるのか。

患者さんはどこで安心するのか。

スタッフはどんな動き方をするのか。

 

その一つひとつを整理していくことで、

空間は「見た目」だけではない

価値を持つようになります。

 

建築家に相談するタイミング

「間取りが決まってから相談しよう」

そう考えている方も多いと思います。

 

でも、本当に相談していただきたいのは、

まだ答えが決まっていない時です。

土地を買う前。

住宅会社を決める前。

リフォームか建て替えか迷っている時。

店舗を始めようと思った時。

その段階だからこそ、

建築家が整理できることがあります。

 

暮らしを整えることから始めませんか?

特に家づくりは、建物をつくるだけではありません。

 

そこでどんな時間を過ごしたいのか。

どんな家族でありたいのか。

どんな働き方をしたいのか。

それを整理することから始まります。

 

やまぐち建築設計室では、

注文住宅、リフォーム、古民家再生はもちろん、

店舗や医院の設計も、

まずは「暮らし」や「事業」の課題を

整理することを大切にしています。

 

間取りを描く前に、 

一度、ご自身の暮らしを整理してみませんか。

 

その時間が、後悔しない家づくりや、

長く愛される店舗づくりにつながると考えています。

 

今回の記事では、

「よい家も、選ばれる店舗も、要望を詰め込むだけでは生まれない」

というテーマについてお伝えしました。

 

家づくりやリフォーム、店舗・医院づくりを

考え始めたばかりの方にとって、

何か一つでも新しい気づきになれば嬉しく思います。

 

これからも、

建築家の視点から「暮らしを整えるヒント」を

発信していきます。

 

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クリニックの開業を考え始めると、

土地探し。

テナント探し。

銀行との打ち合わせ。医療機器の選定。

スタッフ採用。

奈良県での医院・クリニック開業を想定した、濃いグレーと木格子を基調とする現代的な外観。患者が入りやすく、落ち着きと信頼感を感じられる医院設計のイメージ

そして建築会社選び   

先生は、本当に多くの判断を同時に進めなければなりません。

しかし、これまで医院づくりのお話を伺ってきた中で、

私が感じることがあります。

 

「建物の話が早すぎる」ということです。

 

多くの先生は、「受付はここに」

「診察室は2室。」

「待合室はこのくらい。」と間取りから考え始めます。

 

もちろん、それも大切です。

ですが、本当に最初に考えるべきなのは、

診療の流れなのです。

 

患者さんは、どこから入り、

どこで受付をして、どこで待ち、

どこで診察を受け、

どのような気持ちで帰っていくのか。

 

一方でスタッフは、

どのように動き、

どこで物品を補充し、

どこにストレスを感じるのか。

 

この「見えない流れ」が整理されて初めて、

使いやすい医院が生まれます。

 

私は住宅設計でも、

「間取りを描く前に暮らしを整理する」

ことを大切にしています。

 

医院も同じです。

建物は先生の診療を支え、

患者さんに安心していただき、

スタッフが働きやすい環境をつくるための器です。

 

だからこそ、

建物をデザインする前に、

診療をデザインする必要があります。

 

例えば、

開業後によく耳にする後悔があります。

 

・待合室が思ったより狭い

・受付が混雑する

・スタッフ同士が何度も行き来してしまう

・医療機器の更新が難しい

・収納が足りない

・患者さんのプライバシーが守りにくい

これらは、建築工事が悪かったわけではありません。

 

多くは、設計を始める前の整理不足

から生まれています。

 

医院づくりは、

建物を完成させることがゴールではありません。

 

開業してから10年、20年と地域医療を支え続けることが、本当の目的です。

だから私は、

建物だけを見るのではなく、

先生がどんな医療を届けたいのか。

スタッフが働きやすい環境とは何か。

患者さんが安心して通える医院とは何か。

そんなことを一緒に整理しながら設計を進めています。

 

現在、奈良県で

・クリニックを新規開業したい

・医院を移転したい

・診療所をリフォームしたい

・設備更新を考えている

先生は、物件契約や間取りを決める前に、

一度立ち止まって考えてみてください。

 

診療方針や動線、患者さんの過ごし方まで整理できれば、

医院はもっと長く愛される場所になります。

 

以前、医院・クリニックの建て替えや

リフォームについても詳しくまとめています。

現在の医院をもっと使いやすくしたい先生は、

こちらもぜひご覧ください。

 

 

 

 

医院設計は、

先生の想いを、

患者さんが安心できる空間へ変えること。

 

そのお手伝いが、建築家の仕事だと考えています。

 

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「キッチンが古くなったから、新しくしたい」

 「収納を増やせば、もう少し片付くと思う」

 「使っていない和室を、リビングにつなげたい」

 奈良県の戸建て住宅リフォームにおける改修前後の1階間取り比較。和室やDKが細かく分かれた既存住宅を、22.75帖のLDK、書斎コーナー、ウォークインクローゼット、洗面脱衣室、浴室を備えた暮らしやすい間取りへ再構成した平面図。

細かく分かれていた和室とDKを、

明るく開放的なLDKと使いやすい

水回り・収納へ再構成した、

奈良県高市郡高取町の戸建てリフォーム事例。

 

リフォームを考え始めたとき、

多くの方が最初に思い浮かべるのは、

こうした具体的な工事ではないでしょうか。

 

けれど、少しだけ立ち止まって考えてみてください。

本当に解決したいのは、設備の古さでしょうか。

それとも、

朝、洗面所で家族が重なること。

料理と洗濯のたびに、家の中を何度も往復すること。

収納はあるのに、リビングやダイニングが片付かないこと。

冬のキッチンや廊下が寒いこと。

家族が同じ家にいても、別々の部屋で過ごすこと。

 

そうした毎日の小さな

不便ではないでしょうか?

 

リフォームで最初に考えるべき内容は、

 「どの設備を選ぶか」ではありません。

 なぜ、今の住まいで不便が起きているのか。

 そこを見つけることから、

暮らしやすい住まいへのリフォームは始まります。

 

収納はあるのに、なぜ片付かないのでしょうか?

片付かない家を見ると、

「私が整理整頓を苦手としているから」

「家族が元の場所へ戻してくれないから」

と思ってしまうことがあります。

 

でも、住む人の性格だけが原因とは限りません。

たとえば、

帰宅してから鞄を置く場所が

玄関付近にない家では、

鞄はダイニングの椅子やソファに置かれます。

 

郵便物や学校の書類を

確認する場所の近くに収納がなければ、

ダイニングテーブルが書類置き場になります。

 

洗濯物を干す場所と

衣類を収納する場所が離れていれば、

畳んだ衣類が一時的に置かれたままになります。

 

つまり、収納の問題は、

収納量だけではありません。

使う場所と、

戻す場所がつながっているか。

 

この関係が整っていなければ、

収納を増やしても、

片付けにくさが残ることがあります。

 

人が間取りに合わせて無理をするのではなく、

暮らし方に間取りを合わせる。

 

それが、収納を考える際の大切な視点です。

 

キッチンを交換しても、

家事動線は変わりません

キッチンが古くなり、

扉やコンロ、換気扇に不具合が出れば、

設備交換は必要です。

 

ただし、今感じている不便が、

・冷蔵庫と調理台が離れている

・食器棚が配膳動線から外れている

・洗面室とキッチンが家の反対側にある

・買い物後の荷物を運びにくい

・家族が冷蔵庫を使うたびに調理中の人とぶつかる

・ゴミ箱や資源ごみの置き場所がない

といった問題であれば、

同じ位置に新しいキッチンを

入れるだけでは解決しません。

 

設備は新しくなっても、

人が歩く距離や家族同士の動線は以前のままです。

 

リフォーム後に、

きれいにはなったけれど、

家事の負担はあまり変わらなかった。

 と感じるケースでは、設備だけを見て、

間取り全体を確認できていなかった

可能性があります。

 

キッチンを選ぶ前に、

「なぜ、この場所が使いにくいのか」

を考えることが大切です。

 

家事動線は、

短ければよいわけではありません。

 「家事動線を短くしたい」

 というご希望は、

リフォームの相談でもよく伺います。

 

もちろん、無駄な移動を減らすことは大切です。

しかし、距離が短いことと、

家族全員が暮らしやすいことは、

必ずしも同じではありません。

 

キッチンと洗面室を近づけても、

その間を家族が頻繁に通れば、

調理する人と身支度をする人がぶつかります。

 

回遊動線をつくっても、

収納扉や椅子が通路に重なれば、

かえって動きにくくなります。

 

ファミリークローゼットを大きくしても、

朝の着替えと洗濯物を片付ける時間が重なれば、

混雑することがあります。

 

間取りを考えるときは、

「誰が」

「何時ごろ」

「何を持って」

「どこからどこへ動くのか」

を具体的に想像します。

 

図面上の移動距離だけでなく、

家族の生活時間まで重ねて考えることが、

実際の暮らしやすさにつながります。

 

部屋数が多いことは、

必ずしも暮らしやすさを意味しません。

 

使われていない部屋や廊下が多ければ、

建物全体の面積を十分に生かせていない場合があります。

反対に、すべての壁を取り除けばよいわけでもありません。

リフォームでは、

 「なくす場所」

 「残す場所」

 「別の役割を与える場所」 を見極めます。

 

壁を取れば、

広く暮らしやすくなるのでしょうか?

 

古い住宅のリフォームでは、

「この壁を取って、広いLDKにできますか?」

というご相談があります。

 

壁をなくすと、視線が抜け、空間は広く感じられます。

しかし、壁には部屋を分ける以外にも役割があります。

建物を地震や風から守る。

屋根や上階の重さを支える。

音やにおいを遮る。

家具や収納を置く場所をつくる。

電気配線や配管を通す。

冷暖房する範囲を調整する。

家族同士の距離を整える。

そのため、壁を取り除くこと自体を

目的にしてはいけません。

 

柱・梁・耐力壁・基礎・屋根の荷重などを確認し、

どこまで開放するのか。

どこを残すのか。

残した場所を収納や飾り棚として生かせないか。

構造と暮らしの両方から判断します。

 

広く見える家と、

暮らしやすい家は、同じとは限りません。

 

工事中だから分かる、住まいの状態があります

リフォームは、完成後に見える

床材や壁紙だけを新しくする工事ではありません。

 

床や壁を解体すると、

・断熱材の状態

・柱や土台の傷み

・湿気や結露の跡

・給排水管の老朽化

・電気配線の状態

・シロアリや腐朽

・過去に行われた増改築

など、普段は見えない部分が確認できます。

 

内装だけをきれいにしても、

床下の寒さや壁内の湿気、

古い配管が残れば、

長く安心して暮らせるリフォームにはなりません。

 

建築家がリフォームに関わる理由は、

見た目を整えるためだけではありません。

 

間取り、構造、断熱、設備、収納、照明を、

一つの住まいとして考えるためです。

リノベーションは、

古いものをすべて壊して新しくすることではありません。

残す価値と、変える必要のある場所を

丁寧に見極めること。

 

それが、その家らしい

リフォームにつながります。

 

料理をする。

食事をする。

本を読む。

庭を眺める。

夫婦でお茶を飲みながら話す。

 

そうした何気ない時間が心地よく続くことが、

リフォーム後の暮らしでは大切です。

 

豪華な設備を入れることだけが、

暮らしの質を高めるわけではありません。

 

人が自然に座りたくなる場所。

声を掛けやすい距離。

光が気持ちよく届く場所。

家事をしながら家族の様子が分かる関係。

 

そうした小さな設計の積み重ねが、

住まいの居心地を変えていきます。

 

大きな工事をする前に、三つの段階で考えます

リフォームは、大規模に行うほどよいものではありません。

 

現在の不便に対して、

どの程度の工事が必要かを見極めます。

 

1.家具や収納の見直しで改善できる

家具の配置を変える。

収納内部の棚を調整する。

開き戸を引き戸へ変える。

照明やコンセントの位置を見直す。

使う場所の近くに、小さな収納を設ける。

このような工夫で改善できることもあります。

 

2.部分的な間取り変更が必要

使われていない和室をLDKに取り込む。

洗面室と脱衣室を分ける。

玄関付近に収納を設ける。

キッチンと洗濯場所の位置関係を見直す。

寝室とトイレの距離を短くする。

こうした場合は、構造や設備配管を含めて確認します。

 

3.住まい全体を再構成する

子どもが独立し、使わない部屋が増えた。

親との同居や介護を考えている。

一階だけで暮らせるようにしたい。

寒さや暑さも同時に改善したい。

水回りや配管が全体的に老朽化している。

このような場合は、

部分的な設備交換を繰り返すより、

家全体を見直した方が合理的なことがあります。

 

こんな変化があれば、早めに確認してください

次のような状態は、

単なる使いにくさではなく、

建物や設備からのサインかもしれません。

 

・キッチンや洗面室の床が柔らかく感じる

・壁や天井に水染みがある

・収納の中に強いカビ臭さがある

・結露が長く続く

・廊下や水回りが極端に寒い

・段差や階段で転びそうになる

・ブレーカーが頻繁に落ちる

・コンセントが熱い、変色している

・水回り設備の故障が続いている

・親との同居や介護が近く始まる

 

「もう少し様子を見よう」と思っている間に、

傷みの範囲が広がる場合もあります。

 

特に漏水や電気の異常など、

安全に関係する問題は、

リフォーム計画とは別に早急な確認が必要です。

 

相談する前に、

希望の間取りを決めなくても大丈夫です

 

リフォーム相談というと、

「何をしたいか、きちんと決めてから相談しなければ」

と思う方もいらっしゃいます。

 

けれど、完成形まで

決めておく必要はありません。

「朝、洗面所が混雑する」

「洗濯物を二階へ運ぶのが負担」

「リビングが片付かない」

「使っていない和室がある」

「キッチンが寒くて暗い」

このような、今感じている不便を

そのままお話しください。

 

そこから、

家具の配置で改善できるのか。

部分的なリフォームが必要なのか。

間取り全体を見直した方がよいのか。

建て替えと比較する必要があるのか。

一つずつ整理していきます。

 

工事内容を決めるための相談ではなく、

何を考えるべきかを整理するための相談から

始めてもよいのです。

 

毎日の不便を、

住む人の努力だけで解決しなくてもよい

長く住んでいると、家の不便にも慣れていきます。

朝の混雑。

遠い洗濯動線。

片付かないテーブル。

寒い廊下。

暗いキッチン。

使われなくなった部屋。

「昔からこうだから」と受け入れていることの中に、

間取りや収納、断熱によって

改善できる問題が隠れているかもしれません。

 

毎日の小さな不便は、

一日だけなら我慢できます。

しかし、それが一年、五年、十年と続けば、

大きな負担になります。

 

今の住まいを壊して

新しくすることが目的ではありません。

これからの暮らしに必要な部分を見つけ、

残す場所と変える場所を整理する。

 

それが、住まいと長く付き合うための

リフォームだと思います。

 

奈良県で家事動線や収納、間取りの不便を改善するリフォーム・リノベーションのイメージ。明るいLDKで、40代夫婦がくつろぐ休日の暮らしから、住まいの快適さと動線計画の大切さが伝わる室内写真。

※住まいのリフォームにより改善した空間で寛ぐ休日の様子
 

奈良県で戸建てリフォームを検討している方へ

やまぐち建築設計室では、

設備や内装だけでなく、

家族の生活時間。

家事の流れ。

収納する物。

人と人との距離。

建物の構造。

断熱や換気。

自然光の入り方。

家具や照明。

これらを一つずつ整理しながら、

必要なリフォームやリノベーションを考えています。

 

奈良市、橿原市、生駒市、香芝市、葛城市、

桜井市、宇陀市、広陵町、田原本町、

明日香村をはじめ、奈良県内で、

「今の間取りが暮らしに合わなくなってきた」

「家事動線や収納を改善したい」

「設備交換だけで本当に解決するのか知りたい」

「建て替えとリフォームのどちらがよいか迷っている」

という方は、工事内容が決まっていない段階から

ご相談いただけます。

 

お問い合わせの際には、

・建物のおおよその築年数

・ご家族の人数

・現在、最も困っていること

・これからどのように暮らしたいか

をお書きいただくと、

相談内容を整理しやすくなります。

 

住まいを新しく見せるだけではなく、

毎日の動作と気持ちが無理なく整うように。

これから先の暮らしに必要なリフォームを、

丁寧に考えていきたいと思います。

 

執筆者 建築家・山口哲央

やまぐち建築設計室

奈良県内の建築設計事務所で13年間の実務経験を積み、

2005年にやまぐち建築設計室を開設。

新築住宅、戸建てリフォーム、リノベーション、

古民家再生、二世帯住宅、店舗、

医院建築などの設計監理に携わっています。

 

間取りだけではなく、

収納、家事動線、家具、照明、断熱、

家族の距離まで含めて、

暮らし全体を整える設計を大切にしています。

 

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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

住まいの設計、デザインのご相談は
ホームページのお問合わせから
ご連絡ください
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「この中古住宅、いいかもしれない」

写真を見て、立地や価格を調べ、

実際に内覧すると、気持ちは一気に前へ進みます。

 

日当たりのよいリビング。

思っていたより広い庭。

落ち着いた住宅地。

新築では手が届きにくい土地の広さ。

 

ここをリフォームすれば、

自分たちらしい家になるかもしれない 

奈良県の住宅地に建つ平成3年築を想定した和風中古住宅。瓦屋根、深い軒、ビルトインガレージ、塀と植栽のある二階建て外観で、購入前の内覧とリフォーム検討を表したイメージ。

そう想像すると、 

購入後の暮らしが楽しみになります。

けれど、中古住宅の購入で後悔しやすいのは、

内覧で目に入った部分ではなく、

そのときには見えなかった条件です。

壁紙やキッチンは、購入後に変えられます。

しかし、

道路の条件

擁壁や土地の高低差

建物の傾き

雨漏りや床下の湿気

撤去できない柱や壁

古くなった配管

想定以上に掛かる改修費

などは、購入後の計画を大きく左右します。

 

今回は、奈良県で中古住宅を購入し、

リフォームやリノベーションによって

理想の暮らしをつくりたい方に向けて、

建築家が内覧で確認する15のポイントを解説します。

 

欠点を探して、

購入を諦めるための記事ではありません。

 

気に入った家に、

どのような可能性が残されているのか。

その可能性を購入前に見つけるための記事です。

この記事で分かること

・中古住宅の内覧で確認すべき場所

・築30年前後の住宅を購入する際の注意点

・希望する間取りへ変更できるかを考える方法

・奈良県内の地域によって異なる確認事項

・物件価格とリフォーム費を合わせた判断方法

中古住宅を選ぶことは、

新築を諦めることではありません

 

中古住宅を選ぶ理由は価格だけではありません。

 

駅や実家に近い場所を選べる。

庭のある暮らしができる。

広い仕事部屋や趣味の場所を持てる。

成熟した住宅地へ移り住める。

古い木材や建具、庭の景色を残せる。

 

すでにある建物の中から価値を見つけ、

自分たちの暮らしに合わせて整える。

 

それも、住まいづくりの一つの方法です。

 

国土交通省の資料では、

新築と既存住宅を合わせた

住宅流通に占める既存住宅の割合は、

2013年の30.8%から2023年には40.4%へ上昇しています。

戸建住宅でも22.4%から30.5%へ伸びており、

中古住宅を選ぶ人は全国的に増えています。

 

ただし、中古住宅は

一棟ごとの状態差が非常に大きいものです。

 

同じ築30年でも、

丁寧に手入れされてきた家。

雨漏りを長く放置していた家。

増築を繰り返してきた家。

構造は健全でも、断熱や設備が古い家。

それぞれ条件が違います。

 

物件価格が安いことと、

購入後の総費用が安いことは、

同じではありません。

奈良県の中古住宅は、

県全体の平均だけでは選べません

 

近畿圏不動産流通機構によると、

202613月期に奈良県で成約した中古戸建住宅は293件。

 

平均成約価格は1,790万円、

平均土地面積は174.49平方メートル、

平均建物面積は110.36平方メートル、

平均築年数は30.21年でした。

 

ただし、これは奈良県全体の平均です。

奈良市や生駒市の駅に近い住宅地と、

橿原市、桜井市、香芝市、

葛城市の郊外住宅地、明日香村、宇陀市、

吉野郡では、物件価格だけでなく、

道路、土地の高低差、維持管理、

暮らし方まで異なります。

 

奈良県が公表する地価公示も、

一般の土地取引価格を考える際の指標であり、

実際の中古住宅価格は、

駅からの距離、土地形状、道路、

建物状態などによって変わります。

 

建築家が中古住宅の内覧で見る15の確認点

 

1.前面道路と接道条件

 

内覧では、建物に入る前に道路を見ます。

 

道路の幅は十分か。

敷地は道路にどのように接しているか。

車の出し入れはしやすいか。

私道ではないか。

将来、建て替えや増築ができる条件か。

 

現在住宅が建っているからといって、

将来も同じように建て替えられるとは限りません。

 

2.境界が明確になっているか

 

塀やフェンスがある場所が、

必ずしも土地の境界とは限りません。

境界杭、測量図、隣地からの越境、樹木や雨樋の位置も確認します。

 

境界が曖昧な物件では、外構工事や増築を行う前に、

測量や隣地との協議が必要になることがあります。

 

3.擁壁と土地の高低差

 

奈良市や生駒市などの丘陵地では、擁壁が住宅の安全性と費用に関わります。

大きなひび割れがないか。

擁壁が膨らんでいないか。

水抜き穴が機能しているか。

誰の所有物なのか。

工事記録や許可図面が残っているか。

 

建物がきれいでも、

土地を支える部分に問題があれば、大きな工事が必要になる可能性があります。

 

4.水害や土砂災害の可能性

 

晴れた日の内覧では、水の流れは見えません。

 

敷地が道路より低くないか。

側溝に水が流れるか。

近くに川や水路、ため池がないか。

山や急な斜面が迫っていないか。

 

奈良県では、市町村ごとに洪水や

土砂災害などのハザードマップが公開されています。

地図上の情報と、

現地の高低差や排水状態を合わせて確認することが大切です。

 

5.時間帯によって変わる周辺環境

 

家の中はリフォームできますが、

周辺環境は簡単には変えられません。

 

朝夕の交通量。

学校や店舗から聞こえる音。

夜道の明るさ。

ごみ集積所の位置。

駅までの坂道。

雨の日の道路状況。

 

可能であれば、平日と休日、

昼と夜に周辺を確認してください。

 

6.屋根・外壁・雨樋の状態

 

屋根材のずれ、板金のさび、外壁のひび割れ、

シーリングの劣化、雨樋の変形を確認します。

 

外壁が塗り替えられてきれいでも、

その内側の傷みまで直されているとは限りません。

 

過去の修繕時期や工事内容が分かる資料があれば、

判断材料になります。

 

7.基礎のひび割れと床の傾き

 

基礎の小さな表面ひび割れだけで、

すぐに重大な問題とは判断できません。

 

ただし、

大きな亀裂

基礎の欠損

鉄筋の露出

床の傾き

扉や窓の閉まりにくさ

などが重なっている場合は、

原因を詳しく確認する必要があります。

 

床だけを直せばよいのか。

地盤、基礎、構造、過去の増築まで調べる必要があるのか。

表面の症状だけでなく、原因を見ることが重要です。

 

8.雨漏り・湿気・カビの痕跡

 

雨漏りは、雨が降っていない日でも痕跡を確認できます。

天井や壁の染み。

クロスの浮き。

窓周辺の変色。

押入れや北側の部屋の臭い。

畳や床の沈み。

 

「現在は漏れていない」という説明だけでなく、

以前に雨漏りがあったのか、

どのように修理したのかも確認します。

 

9.床下と小屋裏を確認できるか

 

中古住宅では、見えない部分に重要な情報があります。

床下では、湿気、シロアリ、土台、基礎、配管。

小屋裏では、雨漏り、梁、断熱材、増築の跡。

点検口がない、

荷物が置かれて見られない場合は、

「問題がない」のではありません。

 

まだ確認できていない状態として考えます。

 

10.耐震性と建物の構造

 

耐震性は、築年数だけでは判断できません。

壁の量と配置。

基礎の形式。

屋根の重さ。

柱や梁の状態。

過去の増築や間取り変更。

 

特に「壁を取って広いLDKにしたい」という希望がある場合、

その壁が建物を支える重要な役割を持っていることがあります。

 

11.断熱・窓・結露

 

内覧は短時間のため、

夏の暑さや冬の寒さを判断しにくいものです。

 

窓が単板ガラスか。

サッシに結露の跡がないか。

北側の部屋や収納にカビがないか。

西日が強く入りすぎないか。

床、壁、天井に断熱材が入っているか。

 

キッチンや浴室を新しくしても、

窓や断熱性能が古いままでは、

暮らしの快適性が十分に改善しないことがあります。

 

12.給排水管・電気・ガス

 

設備が使用できることと、

配管や電気設備が健全であることは別です。

 

古い給排水管、漏水、排水の詰まり、

電気容量、分電盤、ガスの方式を確認します。

 

食器洗い乾燥機、乾燥機、IH、複数のエアコン、

電気自動車などを使用する場合、

電気設備の更新が必要になることもあります。

 

13.希望する間取りへ変更できるか

 

中古住宅のリフォームは、

壁をすべて撤去すればよいわけではありません。

 

柱や梁を残しながら開口をつくる。

部屋の用途を入れ替える。

収納と家事動線を組み直す。

光や視線が抜ける場所をつくる。

 

構造を守りながら、

暮らしを再構成する方法があります。

建築家が見るのは、現在の間取りだけではありません。

 

この家が、

家族のこれからをどこまで受け止められるのか。

 

その可能性を考えます。

 

14.図面・登記・増築履歴

 

確認申請図面、検査済証、登記、測量図、

境界確認書、修繕記録、

耐震診断などの有無を確認します。

 

古い住宅では、

増築部分が登記されていない

車庫や物置が後から造られている

建築時の図面が残っていない

というケースもあります。

 

資料がないから購入できないとは限りませんが、

不明な部分を現地調査や行政確認で補う必要があります。

 

15.物件価格ではなく総予算で考える

 

中古住宅の購入で、

最も見落としたくないのが総予算です。

 

必要になるのは物件価格だけではありません。

仲介、登記などの諸費用。

建物調査。

設計監理。

耐震・断熱改修。

屋根、外壁、設備。

擁壁や排水。

家具、照明、カーテン。

仮住まいと引っ越し。

これらを含めて判断する必要があります。

 

工事内容は、

今すぐ直すもの

暮らしをよくするために整えるもの

将来に回せるものに分けると、

優先順位が見えやすくなります。

奈良県内でも、地域によって見るべき点が違います

 

奈良市・生駒市

大阪方面への通勤や駅への利便性を重視しやすい地域です。

一方、丘陵地の住宅地では、坂道、擁壁、

造成時期、道路との高低差、

駐車のしやすさを確認する必要があります。

 

橿原市・桜井市・香芝市・葛城市

交通や生活施設と、

土地の広さとのバランスを取りやすい地域です。

 

ただし、駅周辺、旧市街、郊外住宅地、

農村集落では、道路、排水、

土地利用の条件が異なります。

 

生駒郡・明日香村

歴史的な風景の中で暮らせることは、

他の地域にはない価値です。

 

その一方で、

外観変更や増改築について、

計画前に確認すべき条件が増えることがあります。

 

物件だけでなく、

希望するリフォームが実現できるかまで

考えて選ぶことが大切です。

 

宇陀市・吉野郡

自然、庭、畑、古民家、離れ、土間など、

都市部では得にくい暮らしを実現できる可能性があります。

一方で、寒さ、湿気、斜面、雨水排水、

上下水道、屋根や庭の維持、

車での移動まで考える必要があります。

 

「広い家を安く買える」だけでなく、

その広さを維持し、

使いこなせるかも重要な判断です。

 

30年の中古住宅でもリフォームできますか?

 

30年以上でも、構造が健全で、

適切な補強や改修ができる住宅はあります。

反対に、築年数が比較的新しくても、

雨漏り、結露、施工状態、

無理な増築によって傷んでいる住宅もあります。

 

大切なのは、何年たっているかだけではありません。

 

どのように建てられたか。

どのように使われてきたか。

どのように手入れされてきたか。

これから何年住みたいか。

どのような暮らしへ変えたいか。

古いから壊す。

新しいから残す。

それほど単純ではありません。

気になる中古住宅を見つけたら、契約前に相談してください

 

中古住宅は、条件のよい物件ほど

早い判断を求められることがあります。

 

しかし、購入してから、

 

「希望する間取りに変えられなかった」

「想定以上の工事費が必要だった」

「道路や擁壁に問題があった」

 

と分かっても、選択肢は限られます。

 

相談の時期は、購入後ではなく、

できれば購入申込みや売買契約の前です。

 

まだ買うと決めていない段階でも構いません。

 

やまぐち建築設計室では、

奈良県で中古住宅を検討している方に対し、

建物の状態だけでなく、

土地条件

法規制

構造と耐震性

断熱と設備

間取り変更

リフォーム中の暮らし

購入費を含めた総予算

まで整理し、

その住宅で希望する暮らしが

実現できるかを考えます。

 

購入してから方法を探すのではなく、

購入する前に、

その家でどのような暮らしができるのかを考える。

 

それが、中古住宅の購入とリフォームで後悔を減らし、

その家にしかない価値を見つけるための第一歩です。

 

ご相談の際は、

検討している物件の販売資料、

所在地、築年数、間取り、

希望するリフォーム内容をお知らせください。

 

問い合わせ内容に

「中古住宅の購入前相談」と記載していただくと、

確認事項を整理してご案内しやすくなります。

 

執筆・監修:建築家 山口哲央

やまぐち建築設計室/奈良県橿原市

 

新築、リフォーム・リノベーション、

古民家再生、二世帯住宅など、

建物だけでなく、

土地、予算、家族の価値観を

整理するところから住まいづくりを考えています。

 

参考資料

・国土交通省「既存住宅市場の整備・活性化に向けて」

・公益社団法人近畿圏不動産流通機構「202613月期 市況トレンド」

・奈良県「地価調査・地価公示」

・奈良県「市町村ハザードマップ一覧」

 

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奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
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