債務超過M&Aと詐害行為リスクを抑える方法 | 資金繰り 事業再生 M&Aアーク司法書士法人@代表社員 李 永鍋(リ ヨンファ)のブログ
詐害行為リスクを抑え、債務超過M&Aを行う2つの方法

1 民事再生の利用
1つ目は、民事再生きの利用です。
民事再生手続きの過程でM&Aを実施する方法です。
民事再生手続きでは裁判所の監督下、事業を継続し、そこから生じた収益で債務を支払います。
裁判所の許可を得て、M&Aの売却益を債務の弁済にあてることができます。
「プレパッケージ型民事再生」と呼ばれており、あらかじめ買い手側とM&Aの契約を締結しておくことがポイントです。

状況次第では事業価値が下落するリスクもあります。
デメリットは0ではないですが、詐害行為リスクを軽減できるメリットがあります。


2 適正価格でのM&A
債務超過企業のM&Aが詐害行為と見なされる理由は、債権回収が問題になるからです。
もともとの価格を適正なものにするということも1つの手段です。
債権回収が可能である事を示せれば、詐害行為リスクは軽減します。
しかし、適正価格である旨は中々認められません。

そのため、公認会計士や税理士に事業価値報告書を作成してもらった上で、書面でM&Aが適正価格で実施される旨を証明してもらいます。
このような過程を踏むことで、詐害行為リスクを最小限に抑えられるが、それでもなお適正価格でないと判断される可能性もあります。
その場合には買収代金の追加や詐害行為取消権が行使されます。