会社の廃業 | 資金繰り 事業再生 M&Aアーク司法書士法人@代表社員 李 永鍋(リ ヨンファ)のブログ
会社の廃業とは
廃業とは、経営者が自ら事業をやめること。

会社の場合は、会社をやめるということになります、会社の従業員や取引先など様々に影響を及ぼします。

廃業理由は売上不振や経営悪化だけでありません。

中小企業では、経営者の高齢化、後継者不足など、経営悪化以外の理由で廃業が選択されることもあります。

廃業を選ぶ場合は、会社の清算や、登記などに手間と時間がかかりますので、注意してください。

廃業を選ぶメリットとデメリット
会社の事業を停止させたい場合、完全に終了させたい場合、また事業を継続することができない状態に追い込まれた場合と、会社の事業活動の中止についてはいくつかパターンがあります。

事業を完全に終了させたい場合は、廃業を選択することになります。

会社の廃業とは、経営者が自ら会社をやめるという意味で手続きも必要となります。

廃業を選んだ場合のメリットとデメリットについて説明します。

メリット
廃業を選択した場合、手続きによって会社そのものが消滅しますので、会社の税務や、経営者の業務、責任といったすべてのものから解放されます。

廃業の場合、経営負担から解放というのが一番のメリットではないでしょうか。

廃業の手続きや業務は、手間と時間がかかりますが、きっちりと事業をたたむことで、頭を悩ませる資金繰りや、従業員などの人の問題からも解放されます。

法人が消滅しますので、それまで法人にかかっていた税金負担がなくなります。

休眠を選択した場合、会社が不動産を所有していると固定資産税が課されますが、廃業の場合は、そのような心配もありません。

休眠の場合必要な、毎年の税務申告や、休眠期間にもよりますが定期的な役員変更登記も、廃業すれば、必要なくなります。

会社が赤字経営など、経営状態が悪いまま無理に経営を継続することで、最終的に倒産ということになってしまうと、法人破産の手続きなども必要になります。

法人破産ということになると、会社の資産・負債は清算され、会社にお金は残りませんし、手続きにも費用が発生します。

中小企業の場合、経営者自身が会社の債務(借金)の連帯保証人となっていることが多く、会社の破産は、経営者個人の資産にも影響を及ぼします。

無理に事業を継続することなく、余力のあるときに、廃業を選択することで、会社の資産や、個人の資産を守ることができます。

デメリット
廃業の一番のデメリットは、すべて消滅してしまうということではないでしょうか。

会社が抱える負債も清算されますが、廃業によって、事業用資産、従業員、取引先からブランド、信用といった目に見えない資産もすべて失います。

倒産と違って、資産と負債の清算手続きは、会社主導で行うことができますが、最後に会社が消滅するということは変わりがありません。

廃業する際には、会社が所有する不動産、設備などの資産を処理する必要がありますが、これらの資産は、基本的に売却します。

売却には時間を要する資産もありますが、廃業となると、いいタイミングで売却するということは困難です。

売却価格を低く見積もられるということもあります。

廃業は自ら事業やめて会社を消滅させる手続きですから、休眠と違って、好きなタイミングで復帰させることはできません。

会社が行政庁などから許認可を得て事業を行っていた場合、廃業によって許認可も失いますので、再び同じ事業を始める際には、許認可もすべて取り直すことになります。

そして、会社の廃業の場合、清算手続き費用、解散登記などの登記費用、解散公告を掲載する官報公告の費用などがかかります。

廃業を選択するときには、これらのメリット、デメリットを考慮し検討しましょう。


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李永鍋(り よんふぁ)