パチンコ店の会社分割と風営法承継 | 資金繰り 事業再生 M&Aアーク司法書士法人@代表社員 李 永鍋(リ ヨンファ)のブログ

パチンコ店の会社分割に関連する風営法の手続


 風俗営業者である法人について分割又は合併をして、分割後又は合併後の法人に風俗営業を承継させる場合には、あらかじめ都道府県公安委員会から承認を得ることによって風俗営業許可を合併後または分割後の存続会社に承継させることができます。


 承継する法人の役員については人的欠格事由に該当しないことが求められます。「あらかじめ」ということですので、都道府県公安委員会からの承認を受ける前に法人の会社分割又は合併をして営業を承継させてしまっても、風俗営業者としての地位の承継が認めらず、許可が失効してしまいます。


 都道府県公安委員会から承認を得た会社分割又は合併「計画書のとおり」の会社分割又は合併が行われなかった場合には、その承認は効力を失います。


 会社分割や合併の手続には手間と時間がかります。風俗営業許可を取り直すのか、会社分割又は合併・承認申請でよいのか、悩む場合が多いです。


 新規に許可を取り直す場合、保護対象施設(近隣に学校や病院)など「場所の要件」の問題があります、パチンコ店の場合は許可申請中の遊技台の入替が困難な場合があります。

 遊技台の入替時期との兼ね合いが問題となります。保証書等の準備も大きな負担となります。 都道府県によっては、新規許可取得の際に、既存店舗について一度営業を停止しなければならない場合もあります。


 公安委員会からの承認後に会社分割又は合併の効力が発生したら風俗営業許可証の書換え手続をする必要があります。この場合の書き換え手数料は原則として免除されますが、営業所の名称変更などを同時に行う場合は別途手数料がかかります。


会社分割の承認申請における関係書類

1.分割承認申請書

2.分割計画書(新設分割の場合)又は分割契約書(吸収分割の場合)の写し

3.分割後役員(監査役を含む)の氏名及び住所を記載した書面

4.分割後の役員(監査役を含む)の住民票の写し(外国人にあつては外国人登録証明書の写し)

5.分割後の役員(監査役を含む)の登記されていないことの証明書

6.分割後の役員(監査役を含む)の身分証明書(外国人は無し)

7.役員就任予定者の誓約書(法第四条第一項第一号 から第七号の二 までに掲げる者のいずれにも該当しない旨の誓約書


合併の承認申請における関係書類

1.合併承認申請書

2.合併契約書の写し

3.合併後の役員(監査役を含む)の氏名及び住所を記載した書面

4.合併後の役員(監査役を含む)の住民票の写し(本籍入り)

5.合併後の役員(監査役を含む)の登記されていないことの証明書

6.合併後の役員(監査役を含む)の身分証明書

7.合併後の役員(監査役を含む)による法第4条第1項第1号から第号の2までに掲げる者のいずれにも該当しない旨の誓約書


分割及び合併の承認申請の手数料 ¥12,000


認定機に注意

 規則改正により、ホールで保有する認定機の再設置の重要性が増しました。

今の時期に法人の会社分割又は合併を行う場合には、認定を受けた遊技機の承継を明確にしておくことが望ましいです。

特に吸収分割の場合は必須です。



独占禁止法の届出について

独占禁止法により、会社分割又は合併の効力発生前に公正取引委員会に届出を行うべき場合があります。

届出後に分割等の禁止期間が設定されていますので注意が必要です。