資金繰りが悪化の原因6つ
資金繰りを改善には、改善の方法ではなく「悪化する原因」もつかんでおく必要があります。原因を把握しておけば、悪化する前に対策を立てることができます。
資金繰りが悪化する原因をご紹介します。
1 収益が少ない
収益が少なくなると、会社の資金繰りは悪化します。一時的に収益が好調であったとしても、流行の変化などで収益が大きく減ると、短期間で資金繰りが悪化してしまう可能性もあります。
2 借入金の返済
借入金の返済も、資金繰りの悪化要因として多く見られるものです。資金不足だからと言って、「借入をすれば乗り切れる」と考えるのは安易です。
過剰な借入は経営の負担を増大させ、その結果さらなる資金繰りの悪化を招く恐れがあり、借入は慎重に行う必要があります。
3 売掛金・受取手形
売掛金や受取手形は、貸し倒れリスクがあるものです。売上から実際の入金までには時間差が生じるので、その期間中に資金繰りに困らないよう注意を払う必要があります。
資金繰りを改善するには、未収金の売上を可能な限り早めに回収することが重要です。
4 売上の急増
売上が急増すると、会社は仕入れや人材確保の必要性に迫られます。売上金をすぐに回収できれば問題ありませんが、売掛金などで入金までに時間差が生じると、仕入れや人材確保のコストによって資金悪化を引き起こす恐れがあります。
発注から納品までの期間を延ばす、商品の数を限定するなどの対策が必要です。
5 設備投資・規模拡大
設備投資や規模の拡大も、資金繰り悪化を招く原因となります。特に融資によって資金を用意し、以下の式に該当する場合は要注意です。
購入資産の減価償却費<借入の返済額
上記の式に該当すると、全ての利益を返済に充てる形になり、最終的には税金のみを支払う状況になってしまいます。そのため、資金投下はより慎重に判断し、過度な資本投下は避けるべきでしょう。
6 在庫の増加
在庫の管理には以下のような費用がかかるので、大量の在庫を抱えるとそれだけで資金繰りは悪化していきます。
① 場所代 |
② 人件費 |
③ 光熱費 |
④ 利息(※借入金で在庫を増やした場合) |
在庫は売却できなければただ負担になるだけです。売却できても長い期間管理していると、管理コストが売上を上回って利益になりません。低価格などに惑わされず、必要以上の在庫は抱えないようにしましょう。
資金繰りが悪化しやすい業種
資金繰りは、業種によって大きく変わってきます。
例えば以下で挙げる特徴に該当する業種は、上記でご紹介した原因が生じやすく資金繰りが悪化しやすい業種と言えます。
① 季節や時期によって売上が大きく変動する。 |
② 天候や災害の影響を大きく受ける。 |
③ 仕入れなどの買掛金が多い。 |
④ 売上1件あたりの単価が大きい。 |
⑤ 入金までの期間が長い。 |
⑥ 機材や車両など大型設備を利用する。 |
⑦ 在庫が多い。 |
具体的にはどのような業種が該当するか?
これから起業を始める方などは、以下の業種を避けることで資金繰りが容易になる可能性があります。
建設・建築 |
製造業 |
アパレル関係 |
ネットショップ |
運送業 |
メンテナンス業 |
卸売業 |
小売業 |
食品加工業 |
エンジニア |
観光業 |
資金繰り
アーク司法書士法人
李永鍋(リヨンファ)