資金繰り 事業再生 M&Aアーク司法書士法人@代表社員 李 永鍋(リ ヨンファ)のブログ
税金・社会保険料の滞納は債務整理で解決できるか

徴収機関に連絡して対応してもらったが支払いが厳しい、あるいは十分な対応をしてもらえなかった場合、債務整理をすれば帳消しにすることができるのか。

実は、自己破産をした人に公租公課の滞納がある場合は「非免責債権」となります(破産法253条1項)。

これは文字通り、免責にならない債権のことを指します。自己破産をして消費者金融からの借り入れが帳消しになっても、税金や社会保険料が帳消しになりません。

個人再生をした場合は、滞納した税金や社会保険料は「一般優先債権」となります(民事再生法122条1項)。

再生計画に優先して支払いをしなければならない債権のことを指します。

個人再生をした場合であっても、税金や社会保険料は支払わなくてはなりません。

これは任意整理の場合も同様です。

税金・社会保険料を滞納している方にとって、債務整理は全く役に立たないかというと、そうではありません。

公租公課を滞納している方は、それ以外の借金も抱えています。

債務整理でそれらの借金を減額することで、税金や社会保険料を支払う余裕ができます。

アーク司法書士法人では債務整理のご相談をお受けしております。

税金や社会保険料の滞納をされていた方のご対応も数多く経験して参りましたので、どうぞお気軽にご相談ください。

アーク司法書士法人
李永鍋
第二会社(別会社)による事業再生とは
詐害行為として訴えられる可能性はあるのか

事業再生の主な手法は、
1 リスケ(元本返済ゼロ)と経費削減等
経営改善により利益を出し、リスケ期間中に資金を蓄えた後、返済を正常化させる、というものです。

2 リスケ以外の方法として、「第二会社による事業再生」について解説します。

第二会社(別会社)による事業再生について

第二会社方式とは、今ある会社(旧会社)とは別の会社(新会社)を設立し、新会社に得意先・仕入先等の取引先・従業員・優良事業を移し、借金や不採算事業だけを旧会社に残し、旧会社を破産、特別清算等させる、といった手法になります。

新会社にて借入返済負担をなくし、再出発を図ろうというものです。

「そんなこと可能なのか?」
「訴えられたりしないのか?(詐害行為)」
正しい手順で行えば、詐害行為として訴えられることもなく、正常に事業運営を再出発することができます。

国の機関である「中小企業再生支援協議会(2022年3月4日に中小企業活性化協議会に再編)」でも採用されている手法です。
 
第二会社方式を進める際の手順・注意点は以下の通り。

1.資産・負債を正しく評価し、適正金額で新会社が買い取る

不動産や車両などの固定資産等を相場より低い価格で新会社に譲渡すると、当然ながら詐害行為として提訴される可能性がありますので、市場価格・時価に基づいて譲渡をする必要があります。

在庫(棚卸資産)は簿価で旧会社から買い取ります。

得意先の売掛金や仕入先の買掛金も簿価で移す必要があります。

得意先・仕入先の取引自体を新会社に移すことに対する対価は不要です。

※(譲渡対価として旧会社に移動した資金は、清算時に金融機関をはじめとする債権者への分配資金になります。
この資金を隠すような行為は厳禁です。
債権者の立場になって考え、債権者の利益を害しないように最大限の配慮を払う意識を持つことが重要です。)

買取資金がない場合は、第三者(スポンサー)から資金調達を行ったり、リースバック(売却後、賃貸する)会社などを利用することになります。

事業を移す方法として、「事業譲渡型」と「会社分割型」があります。法的、簿外債務リスクの低い「事業譲渡型」をおすすめます。


2.旧会社の代表者は新会社の代表者・取締役・株主にはならない方が安全。

旧会社と新会社が実質同一(法人格否認)とみなされるリスクを避けるため、旧会社の代表者は新会社の代表者・取締役・株主になることは避けたほうが良いです。

建設業の許認可取得で役員にしないといけない場合などはスポンサー方式で出資してもらいます。

新会社の代表者には、代表者の親族や従業員になってもらうのが一般的です。

旧会社の代表者が新会社の従業員や顧問になり、新会社をサポートすることは可能です。過大な給料や報酬を支給することは避けたほうが良いです。


3.旧会社の借入に代表者保証を行っている場合は代表者の自己破産も原則として検討する。

新会社に事業移した後に、旧会社は破産させることが一般的な選択肢となります。代表者が会社借入の連帯保証人になっていることが多いかと思います。

法人破産すれば、その借入は代表者が返済する必要があり、その返済が難しい場合は代表者自身の自己破産も原則として検討する必用はあります。

そのため、代表者として個人資産を残すことが難しくなります。(代表者の個人資産を事前に配偶者や親族に贈与するような行為も詐害行為になります。)

「自分が犠牲になり、取引先・従業員を守る」という覚悟がないと、この決断はできないでしょう。

(なお、住宅ローンの残っている代表者の自宅不動産を守れる場合もあります。リースバックなど)

※アークグループでは法人も代表者個人も破産しない方法の提案もあります。
代位弁済、債権譲渡後の低額和解など

この場合代表者と私は金融機関に何度も訪問する必要があります。

全財産や収入を公開し必要書類を提出することで公正を担保する必要があります。

金融機関の担当者に何度も質問され、ストレスになる経営者もいます。それでも破産を選択せず解決する方法があるということを知ってください
(法的抜道や裏技があるわけでは無い。どちらを選択するかは経営者が決める)

 
4.税金の滞納は事前に極力解消しておく必要がある

第二次納税義務といって、形式的には第三者名義の財産になっていても実質的にみてその納税者の財産と認められれば、その第三者に納税義務を負わせるという制度があります。

二つの条件を満たし、別会社としての要件を満たせれば、新会社はこの第二次納税義務を負う可能性は低くなります。それでも税務署が旧会社やその取引先に調査を行う場合があります。(結構あります)

この調査が取引先からの風評被害にもつながり、最悪取引自体がなくなってしまうリスクもあります。

このようなリスクを避けるためにも税金の滞納は極力解消しておいた方がいいです。
(そもそも、税金、社会保険の滞納が原因で資金繰りに行き詰まる事が多いです。その場合でも再生の可能性はあります。)

5.黒字の事業を移す必要があり、経営改善にも取組む必要がある

第二会社は、「事業自体は黒字であるが、到底返しきれない借金がある」場合に有効です。

黒字の優良事業と赤字の不採算事業の両方があれば、優良事業のみ新会社に移せば良いです。
一つの事業しかなくその事業自体が赤字続きであれば、借金をゼロにしたとしても当然ながら再度破綻します。

第二会社方式は裏技でもなんでもなく、経営改善を行う必要があることには変わりありません。

 
このような方法を知らなかった方も多いのではないでしょうか。
第二会社は「自分が犠牲になり、取引先・従業員を守る」という覚悟が必要です。

実際に第二会社方式による事業再生を行う際には、事業再生に詳しい公認会計士や弁護士のアドバイスを受けながら、慎重に進めることをおすすめいたします。

第二会社 事業再生 
アーク司法書士法人
代表社員 李永鍋(り よんふぁ)
0120-777-123

M&Aによる事業再生とは


1 M&Aによる事業再生は、第三者に事業を譲渡する「第三者から支援による再生」となります。


事業の一部を切り離して売却し、黒字事業は残して会社の生き残りを図ったり、従業員の雇用を維持したまま再生を目指したりできる点にメリットがあります


自力再生ができない場合でも、M&Aを活用することで、廃業することなく事業を存続させることが可能です。


M&Aは譲受企業が見つからなければ実行できないという問題点があります。


譲受企業との交渉がうまくいかなければ、自社にとっては不利な条件でM&Aを行うことになる恐れもあります。


信頼できるM&Aアドバイザーを見つけられるかどうかが非常に重要になります。


2 事業再生か企業再生か?


M&Aを成功させるために、注意すべきポイントがあります。自社にとって必要としているのが「事業再生」なのか「企業再生」なのかということです。


事業再生とは経営状況の思わしくない事業を、債務整理や事業再生計画の実行などによって再生させる手法です。

(会社の部分的な再生)


企業再生とは、破綻状態にある企業に対して、その法人格の維持を目指していく方法です。

(会社の全体的な再生)


事業再生も企業再生も破綻の状態にあり、廃業の危機に瀕した企業が再生するために行うという点では同一です


しかし、「事業が大事なのか」「会社が大事なのか」を判断することでM&Aの手法も決まります。


3 第二会社方式による事業再生


第二会社方式とは

第二会社方式とは、M&A(事業譲渡や会社分割)を活用し今ある会社の収益性のある事業を切り分けて事業再生を行う手法です。


①採算が取れてる事業(黒字事業)と

②採算が取れてない事業(赤字事業)がある場合、


①を新設会社または既存の会社に承継します。

②を残した会社のみ法的整理を進め特別清算などを行うことになります。



4 第二会社方式を成功させるためのポイント


第二会社方式のメリットは、会社を2つに分割することで、不採算事業だけを切り離して処理することができるところです。


債務超過についても不採算事業を残した会社と同時に整理できるため、採算の取れている事業を承継した会社の経営状況に影響することはありません。


会社をどのように分割するかは、第二会社方式によるM&Aを行う際の重要なポイントになります。


分割手続きや譲受企業の選定にも時間を要するため、手遅れになる前に手続きを進める必要があります。


5 M&Aを活用した事業再生をスムーズに進めるために


スムーズに進めるためには、譲受企業との交渉が必要です。


適切な譲受企業を見つけるためには、できるだけ早く動く必要があるでしょう。


実際には、事業再生を検討する段階でM&Aを専門に取り扱っている税理士や仲介会社に相談するのは、敷居が高いと感じる方もいるかもしれません。


早く動き出すべきであるのに、こうした敷居の高さが原因で手遅れになってしまうのは、もったいないことです。


「不安を感じる」という方「具体的に話を進めたい」という方も、アークグループでは無料でご相談を承っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください


アーク司法書士法人

李永鍋(りよんふぁ)





事業再生で重要なこと 


事業再生するために重要なこととして、次の点があります。 


 1.親族・友人などからの借入金や保証人となってもらっての借入金については支払う。 


2.連鎖倒産しないよう、取引先に対して支払う。 


3.従業員の給与を支払う。


倒産をした後に再起を図る場合、現在と同じ仕事をしていく可能性が大きいです。どの業種でもコミュニティは大きくないので、中小の取引先に迷惑をかけないようにするべきです。 


 新たに事業を開始する場合に大切なのは既存の取引先です。

同業者で働かせてもらうこともあります。

付き合いが継続するであろうことを考えれば当然なことです。


 4. 現状を認識し、倒産と向き合う。


新たに生きていくためには、倒産ときちんと向き合うことが必要になります。督促や支払いなど一時的にはつらいこともありますが、事業再生を果たすためには決して逃げ出さないでください。 

 その姿がやがて信用となり、応援に変わります。 


資金繰り 事業再生

 アーク司法書士法人 

 李永鍋



事業再生がらみのM&Aをするなかで


事業譲渡と債務の承継

事業譲渡の場面において、事業を譲り受けた会社が事業を譲渡した会社の商号を続けて使用する場合は、譲受会社は譲渡会社の事業によって生じた債務を弁済する責任を負います(会社法第22条1項)。


事業譲渡を想定している規定ではありますが、屋号を引き続き使用する場合や、会社分割の場面においても類推適用されるとされています。


屋号を続けて使用する場合

例えば、譲渡会社である株式会社Aが、自社でBという屋号を使って営んでいる居酒屋事業を、合同会社Cに事業譲渡したときに、Bという屋号をCが今後も使用して当該居酒屋事業を営んでいくような場合です。

このような場合、Aに対する債権者などの第三者からするとB事業に関する債務をCが承継したような外観が生じるため、Cにつき会社法第22条第1項が適用され得ます。

(譲渡会社の商号を使用した譲受会社の責任等)
会社法第22条

1. 譲受会社が譲渡会社の商号を引き続き使用する場合には、その譲受会社も、譲渡会社の事業によって生じた債務を弁済する責任を負う。

2. 前項の規定は、事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受会社がその本店の所在地において譲渡会社の債務を弁済する責任を負わない旨を登記した場合には、適用しない。事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受会社及び譲渡会社から第三者に対しその旨の通知をした場合において、その通知を受けた第三者についても、同様とする。

3項4項省略

免責の登記とは

会社法第22条第1項のとおり、原則として、事業の譲受会社が譲渡会社の商号や屋号を引き続き使用する場合は、譲渡会社の事業によって生じた債務の弁済責任を負います

譲受会社が譲渡会社の債務を弁済する責任を負わない旨の登記をした場合には、譲渡会社の事業によって生じた債務の弁済責任を負わないとされています(会社法第22条第2項)。


この譲渡会会社の債務を負わない旨の登記のことを、免責の登記といいます。

免責の登記をすることにより、譲受会社の登記簿を見れば譲渡会社債権者は誤解することがなくなるため、その意味においては債権者は保護されたことになります。


免責の登記の添付書類

免責の登記を法務局に申請するときの添付書類は次のとおりです。

事業譲渡の場合
  1. 譲渡会社の承諾書
  2. 譲渡会社の登記簿謄本(譲渡会社と譲受会社の管轄法務局が異なる場合)
  3. 譲渡会社の印鑑証明書(譲渡会社と譲受会社の管轄法務局が異なる場合)
会社分割の場合
  1. 分割会社の承諾書
  2. 分割会社の登記簿謄本(承継会社と分割会社の管轄法務局が異なる場合)
  3. 分割会社の印鑑証明書(承継会社と分割会社の管轄法務局が異なる場合)

免責の登記の登録免許税

登録免許税は3万円(ツ)です。