有名な劇団である「水滸」の次の作品の最終オーディションが,山あいのペンションで行われることになり,主宰の本郷によって7人の役者たちが集められた。

 

 久我和幸(重岡大毅)は水滸のメンバーではなかったが,他の6名笠原温子(堀田真由),元村由梨江(西野七瀬),中西貴子(中条あやみ),雨宮京介(戸塚純貴),本多雄一(間宮祥太朗),田所義雄(岡山天音)は皆,メンバーだった。

 

 

 久我は水滸に憧れており,自分が最終オーディションのメンバーに選ばれたことを喜んでいた。

 

 

 ただ,これまでのオーディションで自分がいちばん素晴らしいと思った麻倉雅美(森川葵)という名女優が最終オーディションに残っていないことが不思議だった。

 

 

 ペンションに入ると食堂のモニターに「大雪で閉ざされた山荘」という架空の密室シチュエーションに従って行動するようにという指示が映し出される。

 

 

 翌朝,メンバーがリビングに集まると「笠原温子が首を絞められて殺された」という設定のメッセージが伝えられるが,笠原の死体はなかった。

 

 残った6人は,次の作品の設定が連続殺人事件で1人目の被害者が笠原という設定だと考え,犯人捜しの演技を始める。

 田所はひとりだけ部外者だと言う理由で久我を犯人だと疑う芝居をする。

 

 

 久我はアリバイ作りのために本多と同じ部屋で寝ることにする。

 

 

 次の朝には,元村由梨江が花瓶で撲殺されたという設定のメッセージが伝えられるが,凶器の花瓶には本物の血痕がついており,5人は本当に事件が起きているのではないかと疑い始める。

 

 

 田所は相変わらず久我を疑い続けるが,なぜか本多は久我を庇ってはくれない。

 

 更にペンションから出て行こうとした雨宮が首を絞められて殺される。

 

 

 本多は警察に連絡しようとするが,田所の持っていた動画によれば3日目の夜は本多以外の全員が同じ部屋で過ごしており,雨宮を殺せるのは本多だけだった。

 

 一方,2日目の夜を久我とともに過ごした本多には元村を殺せない。

 

 7人をペンションに集めたのは本郷ではなく,彼の名を騙った麻倉だった。

 彼女は最終オーディションに落選したが,その後,笠原が東郷と身体の関係を持って役を手に入れていたことが分かる。

 

 

 そのとき,麻倉と笠原が揉み合いになり,止めに入った雨宮が目を怪我してしまった。

 麻倉宅を出た後,笠原は帰り際に「雨宮が目を怪我したために事故を起こした」と麻倉へ嘘の電話をした。

 

 この電話で足を止めた麻倉は車にはねられてしまったのだった。

 

 麻倉は本多に協力させて笠原,元村,雨宮の3人を殺す計画を立てた。

 それが,この連続殺人だったが,麻倉に人殺しをさせたくなかった本多は,笠原らに麻倉のシナリオを渡して殺される姿を演じてもらっていた。

 

 

 本多には麻倉にまた舞台に戻って欲しいという想いがあったのだ。

 そして,その想いは実現し,麻倉は車椅子の女優として本多たちと舞台に復帰する。

 

 

 

 

 タイトルを見て,本当に「ある閉ざされた雪の山荘で」という設定の推理劇かと思ってしまった。

 

 アイディアが出尽くしたと言われる設定の下でどんなトリックを見せてくれるのかと思っていたら,こういう内容で拍子抜けした。

 

 多重構造の話というところは良いのだけど,それをやるとトリックに見えるものが結局,ほとんど無意味になってしまうところが残念。

 特に本物の「ある閉ざされた雪の山荘で」を期待していた者としては割り切れない。

 

 出演者はみんな好きな俳優なんだけど,その良さが発揮できていたかというと,そこも残念。