お魚タレントミー坊(能年玲奈)は,子どもの頃(西村瑞季)から魚が大好きで,父ジロウ(三宅弘城),母(ミチコ)はそんなミー坊を優しく見守ってきた。

 

 

 幼なじみのヒヨ(中須翔真)やモモコ(増田美桜)も多少気持ち悪がりながらもミー坊に付き合ってくれる。

 

 

 家族とヒヨやモモコと海に遊びに行ったとき,ミー坊は大きなタコを捕まえたというか絡みつかれた。

 

 

 ミー坊はそのタコを飼いたいと言い出し,母は仕方なく許すが,父はそのタコをコンクリートに叩きつけて柔らかくし,焼いてみんなで食べる。

 驚いていたミー坊もおいしく食べる。

 

 その頃,近所に魚の帽子をかぶったギョギョおじさん(さかなクン)という変なおじさんがいた。

 

 

 ビビりのヒヨは,捕まると解剖されて魚にされると言って逃げ回っていたが,ミー坊には魚好きの人にしか見えず,ある日,ギョギョおじさんの家へ行ってみる。

 

 

 すると沢山の魚の資料があり,ミー坊は楽しく過ごす。

 お魚博士になれば良いというミー坊にギョギョおじさんは,勉強ができなくてなれなかったと悲しそうに答える。

 

 ミー坊とギョギョおじさんは楽しすぎて時間が過ぎるのを忘れてしまい,両親と約束した帰る時間を何時間も過ぎてしまう。

 するとギョギョおじさんの家にパトカーが来て,彼は誘拐犯として捕まりそうになる。

 ギョギョおじさんは逮捕はされなかったが,それ以来,ミー坊の街で見かけることはなくなった。

 

 高校生になったミー坊は,得意な絵で壁新聞を描いて廊下に張り出す一方,相変わらず魚を捕ったりしていた。

 

 

 総長(磯村勇斗)は,やりたい放題のミー坊に凄んでみたりもするが,ミー坊は怖がる様子もない。

 

 

 それどころか,総長はミー坊が鈴木先生(鈴木拓)に頼まれたカブトガニの世話を一緒にさせられて,日本初の人工ふ化に成功して新聞に載ったりもする。

 

 総長は不良高校の籾山(岡山天音)と揉め,乱闘になるが籾山は,狂犬と言われるヤバイ男(柳楽優弥)を連れてくる。

 

 

 

 

だが,それは幼なじみのヒヨだった。

 

 

 知り合いだと言うミー坊に知らないと言い張るヒヨだったが,ミー坊は両校の大乱闘のさなか,子ども時代に習った技でヒヨを押さえ込んでしまう。

 

 

 両校は何となく仲良くなって,ミー坊と一緒にイカを釣って食べたりするようになる。

 

 ヒヨはミー坊にいつまでも狂犬なんてやってられないと言い,勉強して東京に行くと言いそれを叶える。

 

 

 高校を卒業したミー坊は,まず水族館に勤める。

 

 

 だが,魚に見蕩れてばかりで仕事がさっぱりできないミー坊は,先輩飼育員酒井(賀屋壮也)から,向いていないんじゃないかなと言われる。

 

 魚類のペットショップである海人に転職したミー坊は,店長(宇野祥平)からバブリーな歯医者(豊原功補)の待合室の水槽作りを任される。

 

 その頃,幼なじみのモモコ(夏帆)が離婚したと言って子連れでミー坊のアパートに転がり込んでくる。

 

 

 ミー坊はモモコの娘とも仲良くやるが,しばらくしてモモコは出ていく。

 

 

 ミー坊は,意気込んで製作にかかるが,彼が作った水槽はマニアック過ぎ,インテリアとしてはさえない物だった。

 

 失意のミー坊は酔っ払って,閉まっていた魚屋のシャッターに好きな魚の絵を描いてそのまま眠り込んでしまう。

 翌朝,魚屋の人はその絵を気に入ってくれた上,ミー坊は,籾山と再会する。

 

 籾山は高校時代にミー坊の影響で魚が好きになり,寿司屋になる修行をしたという。

 そして,ようやく自分の店を開けるようになったのだが,お金を払うから店の中にミー坊に絵を描いて欲しいという。

 

 

 ミー坊は,張り切って絵を描き,その絵が評判になり,絵の仕事が少しずつ来るようになる。

 

 ミー坊は,籾山の寿司屋に母を招待するが,そこで母から衝撃の告白をされる。

 ミー坊の両親も兄も,全員,実は魚が苦手だったというのだ。

 籾山は困った顔で,何を握りましょう?と聞く。

 

 籾山の店にヒヨがやって来る。

 彼はテレビマンになっていた。

 

 

 ヒヨは魚の番組にミー坊を起用する。

 

 ミー坊は,その番組でどのように振る舞えば良いか考えてみる。

 彼のタンスの中には,子どもの頃,ギョギョおじさんが落としていった魚の帽子があった。

 

 

 ミー坊は,その帽子をかぶりギョギョおじさんと同じような話し方で番組に出て評判になる。

 

 

 

 さかなクンの自伝的なストーリーだと思うのだが,本人がギョギョおじさん役で出ているせいで,話がねじれている。

 この通りだとすると今のさかなクンは2代目になってしまう。

 

 その他の部分はどのくらい事実なのだろうか。

 事実だとすれば,幼なじみや高校時代の友人に恵まれていたんだなぁと思う。

 

 さかなクンを能年玲奈が演じ,幼少期も女の子の子役が演じている。

 冒頭に,突然,「男とか女とかそんなことはどうでもいい」と殴り書きのような文字が出て映画が始まる。

 まぁ,さかなクンはさかなクンだな,と思う。

 さかなクンのある意味での破天荒さが能年玲奈と通じるものがあって違和感なく楽しめた。