田村裕次郎(香取慎吾)と日和(岸井ゆきの)の夫婦は,共働きであり,裕次郎はホームセンターの副店長であり,日和はコールセンターで働いている。

 

 裕次郎の趣味は筋トレであり,自宅でのトレーニングは迷惑そうにも見えるが,仲良くやっているように見える。

 

 

 裕次郎の職場では,後輩の若槻(井之脇海)が近々結婚することになり,裕次郎が祝辞を頼まれる。

 

 

 店長の浦島(的場浩司)は,頼まれることを期待していたようだが,若槻は,離婚歴のある店長は,縁起が悪いと思っていた。

 

 裕次郎は,自分のところは自他共に認める円満夫婦だと思っていたが,職場のベテラン女性職員蓑山(余貴美子)から,ダンナの悪口を投稿する掲示板「旦那デスノート」の存在を知らされる。

 

 

 同僚たちと不幸な夫婦を笑いながら内容を見ていくと,あるチャーリーという人の人気投稿がどう見ても自分のことを書いているように見えた。

 

 

 いつも笑顔でいる妻が,自分のことをそんな風に思っているのかと思うと,裕次郎は恐怖すら感じる。

 

 

一方,日和には出版社の編集者(田村健太郎)から掲示板の内容を本にして出版する企画が持ち込まれる。

 

 

 投稿者が自分だということがバレることはないし,かなりの収入になると言われその気になった日和は,他の投稿者たちとの会合に出席する。

 

 すると,そのなかのひとりは,夫の同僚の蓑山だった。

 知り合いだったふたりは驚くが,蓑山は日和にチャーリーがあなただと知らずに「旦那デスノート」のことを裕次郎に教えてしまったと打ち明ける。

 内容からもそうだし,チャーリーというのは,ふたりが飼っているベットのフクロウの名前なので,裕次郎が気づいていることは明らかだった。

 

 日和は一気に出版に消極的になる。

 

 こうして裕次郎と日和の仲はギクシャクしていく。

 

 

 しかも,ホームセンターの若い女性社員(中田青渚)が裕次郎に急接近し,ふたりで食事をしていたことが日和にばれる。

 一方,日和の上司である葛城(眞島秀和)はやたらと彼女を誘おうとする。

 

 だが,若槻の結婚式では,一応,円満な夫婦の先輩として振る舞わなくてはならない。

 日和もそこは心得ており,ふたりで結婚式に臨む。

 

 

 結婚式は,直前で若槻が逃げだそうとして新婦に首根っこを掴まれて登場するという出だしだった上,裕次郎は祝辞の原稿を落としてきてしまい,しどろもどろになる。

 

 

 そのとき,日和が自分の席から裕次郎にして見せたのは,自分の肘を舐める動作だった。

 ふたりが知り合ったとき,日和は就活生で,面接でどうしても上がってしまうという相談をした。

 裕次郎はそういうときは,自分の肘を舐めれば良いとアドバイスをした。

 自分の肘は絶対に舐めることができないが,冷静になってそのバカみたいな格好を見直すと,いろんなことがどうでも良くなって落ち着けると言うのだ。

 

 

 裕次郎は日和を見て落ち着きを取り戻し,それなりに感動的な祝辞を言い終える。

 又,結婚式の後,裕次郎に近づいていた若い女性社員から真相を告げられ,それが何でもなかったことが分かる。

 

 

 こうして裕次郎と日和の仲は修復されたように見えたが,裕次郎の母千鶴(浅田美代子)の不用意な言葉で,日和は離婚を決意する。

 そもそも,日和の心が裕次郎から離れたのは,日和の流産がきっかけだった。

 一緒に悲しんで欲しかった日和に裕次郎は寄り添うことができず,その慰めや励ましの言葉は更に日和が心を閉ざす結果になった。

 

 そして,日和は流産の事実は裕次郎しか知らないと思っていたが,彼が自分の母親に知らせていたことを知り,日和はもう無理だと思ったのだった。

 

 チャーリーを連れて家を出た日和は淡々と仕事をする日々を送っていた。

 

 一方,裕次郎はふたりが初めて出会った頃のことを思い出しては,どうしてこうなってしまったのかと自問を繰り返していた。

 日和は裕次郎のホームセンターに買い物に来た客だった。

 再会したとき,日和は裕次郎の親切な接客を思い出して彼に好意を持った。

 裕次郎は,周囲に受けの悪い雑学知識を日和が楽しそうに聞いてくれることがとても嬉しかった。

 

 ホームセンターに昔,日和が買いに来た物と同じ物を買いに来た女性を接客している内に,裕次郎はたまらなくなり,日和の職場に乗り込む。

 

 一方,その頃,日和の職場では,あまりのブラックな環境に反乱が起きており,その現場に裕次郎が乗り込んできたことで,ますます混乱は激しくなる。

 

 だが,それをきっかけにふたりは初心に返ってやり直すことができるようになった。

 

 

 

 香取慎吾は特に好きではないが,岸井ゆきのがメインキャストということで鑑賞。

 

 話としては,互いの心を思いやるということにジェンダーギャップ的な問題が絡んで一筋縄ではいかないところが描かれている。

 

 井之脇海の役柄が,ときどきやる瀬戸康史のバッタもんみたいな立ち位置ではなくて,格好を付けていない役だったのは良かったと思う。

 

 日和が裕次郎に尊重して欲しいと思っている自分の仕事が,かなりのブラック環境という割り切れなさもあるし,話全体がギクシャクした感じが拭えない。