学会から相手にされない歴史学者蘇我宗光(西田敏行)の唱える三國志の真実。

 

 

 蜀の劉備玄徳(大泉洋)は,やる気の無い男だったが,酔うと大言壮語する癖があり,その話に触発された関羽(橋本さとし)と張飛(高橋努)に担ぎ上げられ,黄巾(山田孝之)の乱を鎮圧する。

 

 

 その後,優秀な軍師を求めて関羽,張飛とともに諸葛亮孔明(ムロツヨシ)の元を訪ねる。

 

 

 三顧の礼を尽くすまでもなく,仕事が無かった孔明は軍師になる。

 実は,孔明は景気のいい話をするだけの営業担当であり,実際の戦略は妻,黄夫人(橋本環奈)が考えて指示をしていたのだ。

 

 

 

 劉備は,皇帝の死後の混乱に乗じて権力をほしいままにしていた董卓(佐藤二朗)の討伐を試みる。

 

 

 しかし,董卓には呂布(城田優)という強い部下がおり,簡単にはいかなかった。

 

 

 そんなときイケメンで何かと鼻につく趙雲(岩田剛典)が,絶世の美女を献上して董卓と呂布の仲を引き裂くという。

 

 

 趙雲が連れてきたのは貂蝉(渡辺直美)という女だったが,劉備たちは彼女で大丈夫かと心配になる。

 

 

 だが貂蝉は董卓と呂布の心をつかみ,しかも互いの悪口を告げて仲違いをさせる。

 その結果,呂布が董卓を殺し策略は成功する。

 

 貂蝉は呂布に正体(広瀬すず)を明かして彼に殺される。

 貂蝉の正体は,この顔が美人と言われる時代に生まれ変わりたいと叫んで死んでいく。

 

 劉備は強敵である魏の曹操(小栗旬)に対抗するため,呉の孫権(岡田健史)に同盟を持ちかける。

 

 

 孫権は優柔不断であり臣下の周瑜(賀来賢人)の意見に左右されてコロコロと立場を変えるが,周瑜もバカであり孔明の策に引っかかって同盟を結ぶ。

 

 

 蜀と呉の同盟軍は,今ではがっかり観光地になってしまった赤壁で長江を挟んで魏と対峙する。

 

 

 連合軍3万に対して魏軍は80万であり,それを逆転するため孔明は火攻めを提案する。

 

 

 しかし,孫権と周瑜は,この季節の風は逆風でありこちらが火に追われることになると反対する。

 だが,黄夫人は天候が変わることを予測し,孔明にあくまで火攻めを主張させる。

 

 なかなか風向きが変わらない中,魏軍では疫病が流行り士気が低下しているという情報が入る。

 

 

 その話を聞いて劉備は魏も諦めるだろうと言って撤退してしまう。

 

 そんな中,孔明だけは呉軍とともに残り,風向きが変わると言い続ける。

 そして,斬首になる直前,風向きが変わり魏軍の船団は炎に包まれる。

 

 更に撤退して行く魏軍は劉備たちの軍勢に待ち伏せされ壊滅する。

 

 

 劉備軍は撤退して行く途中で野生の牛が大量に生育している場所を通り,牛肉をたらふく食べて鋭気を養い,酒に酔った劉備の扇動で士気が高まっていた。

 更に余った脂身を大量に赤壁の上流から長江に流し,その脂身に火が着いて火攻めが大成功したのだった。

 

 これはすべて黄婦人の策略だった。

 

 

 

 福田雄一監督作品でおなじみのメンバーが勢揃いしてお馬鹿の限りを尽くす。

 

 新加入の広瀬すずがサプライズゲストとして,予告なしで出演して驚かせてくれる。

 正に広瀬すずの無駄遣いで,その気前の良さに感心した。

 

 例によってグダグダのやり取りを重ねながら話が進んでいくのだが,魏軍の疫病のくだりは,ちょっとコロナを思わせるところがあり,上手く時流に乗っかっている気もする。

 

 似たようなシーンもあるがキングダムなんかと比べるような作品ではないので,頭を空っぽにして渡辺直美のダンスを楽しめば良いと思う。