高畑寿々男(北山宏光)はかつて,猫を主人公にしたマンガを描き,アニメ化もされたが,結末を描かないまま連載は中断し,ギャンブルに明け暮れる毎日を送っている。

 

 同期のライバルだった浦上栄剛(要潤)はテレビにも出て大活躍しているが,妻奈津子(多部未華子)や小学生の娘実優(平澤宏々路)は,それほど気にせず,だめな寿々男と仲良く暮らしている。

 

 

 寿々男は,実優のお年玉を持ち出してギャンブルに行くが,実優は,お父さんは一発当てて帰ってくると期待している。

 

 

 しかし,寿々男は車にはねられて死んでしまう。

 

 寿々男は,あの世の裁判長(バカリズム)に猫の姿でしばらくの間よみがえらせてやるから,これまでの行いを挽回してこいと命じられる。

 

 

 猫になった寿々男は,野良猫のボスに絡まれたり,ホワイテスト(飯豊まりえ)から飼い主の話を聞いたりするが,特に何かをしようとはしない。

 

 

 ただ,自分の葬式に入り込んだりして,結局,娘の実優に拾ってもらい,自宅で暮らすことになる。

 

 

 寿々男は,その後も特に何かするわけではないが,偶然,奈津子がパート先のスーパーで倒れているところを見つけ,店員たちを呼びに行く。

 救急車で運ばれた奈津子を心配しながら家に帰るが,彼女は普通に帰ってくる。

 

 寿々男は,彼女に無理をさせていたのではないかと何となく感じる。

 

 また実優が自分のマンガの続編を描いているのを見つけるが,その結末は天国からお父さんが迎えに来て,みんなで天国に行くというものだった。

 

 そして,自分の死後も明るく振る舞い,一度も泣くところを見せなかった奈津子が,昔,自分とした約束を守っていることを知り,期限があと数時間に迫ったところで,裁判長に人間の姿に戻して欲しいと頼む。

 

 

 裁判長はあきれるが,気づくと寿々男は,人間の姿に戻っていた。

 彼は未完のマンガを完成させる。

 彼の姿を見た奈津子と実優はふたりとも夢を見たと思っていたが,翌朝,机の上の完成稿に気づく。

 しかし,いかにも寿々男らしく,ベタの塗り忘れやはみ出しがあり,奈津子と実優はふたりでそれを直す。

 

 十数年後,プロの漫画家になった実優は,寿々男のマンガの続編を描いていた。

 

 

 多部未華子が出ていたのに映画館で見逃していた作品がネトフリに上がったので鑑賞。

 

 浅いなぁというのが正直な感想。

 

 寿々男がマンガを描かなくなった理由が,何かのこだわりなのか,才能の枯渇なのかがよく分からない。

 実際のところは,才能の枯渇をこだわりだとごまかしているのかもしれないが,だとすれば苦悩的なものが描かれておらず感情移入できない。

 

 また,実写の猫と猫衣装のちくはぐさが何ともチープで悲しい。

 

 映画館まで行かなくて良かったという感想になってしまうのが辛い。

 せっかく多部未華子が出てるのに。