銀行に勤める私(舛野 バカリズム)は,職場の最寄り駅で仲良しの同期真紀(夏帆)と合流してグチを言い合いながら職場に向かう。

 

 月曜日の憂鬱さを解消するための週給6日制,しかも金曜日は午後から出勤でという話をしながら会社に着く。

 

 

 後輩の紗英(佐藤玲)はブリッコ風だが,空気が読めないだけで悪気はない。

 

 

 入社8年目のコミネ様こと小峰智子(臼田あさ美)は,同僚のために思い切った行動をしてくれることもある勇者キャラ。

 

 

 10年目の酒木法子(山田真歩)は仲間内では一番の先輩だが,お局様キャラではなく私たちと仲良くやっている。

 

 

 日頃の話題は男性社員たちの気に障る言動へのこき下ろしであり,話の途中でそれが誤解と分かっても,「必要なのは真実ではなく矛先」という合い言葉で気が済むまで悪口が続く。

 

 ある日,終業後に嫌な次長からおごると言われてラーメンに誘われてしまった私たちだったが,次長の冗談に乗っかって小峰がジャンボラーメンに挑戦する。

 5人前はある巨大なラーメンを30分で完食すれば無料だが,残せば7000円である。

 小峰は意外なペースで食べ進み,30分を目前にほぼ完食というところまでくるが,急に満腹になったと言いだしてわずかな残りを食べようとしない。

 帰りの電車で惜しかったねという私たちに小峰はわざと残したと告白する。

 みんなが次長に嫌な思いをさせられたという話を聞いていたので,7000円を払わせてやったというのである。

 

 銀行勤めなので防犯訓練が毎年ある。

 警察から毎年同じ人が強盗役としてやって来て,女子行員を人質に取る。

 今年の人質役は真壁香里(三浦透子)だが,ちょっと中途半端な感じに終わった。

 どうも去年,人質役をした紗英が大泣きして強盗役の警察官を困らせたせいで,遠慮がちになったらしい。

 その前の年は真紀が途中で吹き出してしまって,あとで大目玉を食らった。

 訓練後に強盗の扮装のまま警察官が,訓練内容の総括をしてくれるが,更にその後,女子社員たちによる今年の強盗演技の総括があるのだった。

 

 

 そんなある日,小峰が更衣室で大事な話があると切り出した。

 例によって空気の読めない紗英が結婚ですか?と先に言ってしまう。

 仕方なく,話題を少し前に戻してそのくだりをやり直し,小峰自身の口から結婚の報告を受ける。

 

 結婚式当日,披露宴も終わり式場の庭で同僚たちと話していた私は,式場の前の道をある男が歩いているのを見かける。

 式場から出てその男を追いかけた私はそのまま,その男の意識の中に吸い込まれてしまう。

 その男,バカリズムは舛野が勤めていた銀行の窓口をときどき利用していた。

 その銀行には真紀たちが勤めていたが,私の姿はどこにもなかった。

 

 

 

 テレビシリーズの映画化であり,中身も映画だからといって派手になることもなく,テレビシリーズ同様のゆるいネタが続いて行く。

 

 テレビシリーズもこの映画もバカリズム独特の日常のなかのシニカルが効いていて面白い。

 

 客に配るカレンダーを丸めてビニール袋に詰める作業のシーンがあるのだが,映画が終わった後,自分の場合を話している女性客がいたので,かなりリアルな内容のようだ。

 

 バカリズムが,女装らしい女装もせずに女性を演じているところが,必ずしも女性特有の感情を描いているわけではないという感じがして好感が持てる。

 

 

 小峰を演じた臼田あさ美の結構振り切った演技が面白いが,女性だけの中だと臼田あさ美もあんな感じだったりするのだろうか。

 

 映画ということで,架空OLの誕生と消失が描かれているが,ない方が良かったと思う。

 舛野がバカリズムの想像の中に戻り,同僚たちが彼女が始めからいない世界を普通に過ごしているシーンはちょっと寂しい。