大学生の吉森遼一(山田涼介)は,人の記憶を消すという記憶屋についての掲示板を毎日見ていた。

 

 

 彼は澤田杏子(蓮佛美沙子)に大学を卒業したら結婚しようとプロポーズをしてOKを貰ったが,しばらくして彼女が遼一のことを完全に忘れてしまったことを知り,記憶屋の仕業ではないかと疑っていた。

 

 

 それが遼一の思い込みでないことは,杏子のアルバイト先の喫茶店のマスター外山(ブラザートム)が遼一と杏子の関係を覚えていたことから確かめることができた。

 

 そればかりか,遼一の自宅に下宿している幼なじみの河合真希(芳根京子)も子どもの頃,記憶を失っていた。

 彼女は連続幼女誘拐殺人事件の被害者のひとりだったが,無事に救出された。

 だが,彼女は誘拐されたこと自体,全く覚えていなかったのだ。

 

 法学部の学生であった遼一は,講師で来ていた弁護士の高原(佐々木蔵之介)に人の記憶を消すことが可能かと質問をする。

 高原はその質問にまともに取り合わなかったが,意外にもその後,高原に記憶屋のことを尋ね,一緒に調査をすることを提案する。

 

 高原の友人の医師福岡(杉本哲太)の患者で連続強姦事件の被害者佐々操(佐生雪)がやはり事件の記憶を失っていた。

 

 遼一と高原は,真希の事件を調べるために遼一と彼女の故郷である広島へ向かう。

 そこで老人から終戦直後には既に記憶屋がおり,身内の戦死を忘れさせてくれたという話を聞く。

 

 また,認知症が始まり老人ホームに入っている真希の祖父菅原慎一(田中泯)からも話を聞く。

 彼は真希の事件当時,警察官であり彼女を発見して救出したのだった。

 

 

 遼一は,菅原の前で真希の事件のことを謝罪する。

 当時,真希を連れて花火を観に行った遼一は,彼女を置き去りにしてしまい,そのせいで彼女が誘拐されたのだった。

だが,菅原は悲しい記憶を忘れることも必要だと言い,遼一に忘れなさいと諭す。

 

 その後,高原は自分が記憶屋を探す理由を遼一に打ち明ける。

 脳腫瘍で死期が迫っている彼は,離婚した妻が育てている幼い娘から自分の記憶を消して欲しいという。

 

 

 彼は娘を愛しており,娘も父親を愛しているが,そのせいで前妻の再婚相手になじめないのではないかとも思っている。

 また,愛する父親が死ぬという苦しみから救ってやりたいとも思っていた。

 

 その後,高原の調査に協力していたパートナー弁護士の安藤(泉里香)から,佐々が記憶屋に会っており,記憶屋は男性ではなく若い女性だという連絡が入る。

 高原が安藤に詳しく聞きたいので事務所で待つように伝え,事務所に戻ってみると彼女はおらず,電話をしてみると記憶屋に関する調査の事実をすべて忘れていた。

 だが,高原は事務所で,真希が持っていたカープグッズを見つける。

 

 その後,高原は亡くなり,悲しむ娘に真希が付き添う。

 

 一方,遼一は高原の事務所で安藤が調べていた資料から偶然,杏子が佐々と同じ連続強姦事件の被害者だったことを知る。

 遼一は真希を呼び出し,君が記憶屋だったのかと尋ねる。

 

 

 彼女の祖父,菅原は記憶屋であり真希から事件の記憶を消したが,その後,真希にも同じ力が現われ,祖父から悲しい記憶を持つ人たちを救うようにと言われたのだった。

 

 遼一は,真希が杏子の記憶を消したことを許すが,真希は自分の過ちを告白する。

 杏子の依頼は事件の記憶の消去だけだったが,遼一のことを好きだった真希は杏子の記憶から遼一の記憶まで消し去ったのだった。

 真希は遼一から自分の記憶を消して故郷へ帰っていく。

 

 高原の娘は父親の記憶を失っていなかった。

 真希は自分の正体を知った高原から依頼を受けたが,それを実行しなかった。

 遼一は杏子と新たな関係を築き始めていた。

 

 

 

 久々に蓮佛美沙子が出演する映画だったので鑑賞。

 最近,また出始めているけどテレビドラマでは亡くなった恋人の役だったりして,どうも思い出系ポジションが多い気がする。

 

 話としては記憶屋の正体がちょっと意外で面白かったけど,物語の中で繰り返される悲しい記憶でも持ち続けるべきかどうかという議論にはあまり意味がない気がする。

 

 芳根京子は,「累」とかこの作品とかで演技の幅が広がってきているが,テレビドラマの「チャンネルはそのままで」とか「コタキ兄弟と四苦八苦」みたいなとぼけた役をやらせるとすごい破壊力があるので映画でもそういうのも観てみたい。