フリーターでカフェに勤めている安堂美咲(高畑充希)は,教育大生と嘘をついて医学生との合コンに参加し,大病院の跡取り息子の田中久(三浦春馬)と付き合いだした。

 しかし,彼がなかなかデートをしてくれないので,浮気をしてるのではないかと疑い,あとをつけると彼は筋ジストロフィー患者の鹿野靖明(大泉洋)の在宅介護のボランティアをしていた。

 

 

 

 通常は病院で暮らす筋ジストロフィー患者だったが,鹿野は自宅療養を希望し,強引に退院してボランティアを募って生活しているのだった。

 鹿野にボランティア志望と勘違いされた美咲は,そのまま彼の世話をすることになるが,あまりのわがまま振りに切れ,障害者はそんなに偉いんですかと言う。

 鹿野は,自分はみんなと対等だと思っていると答える。

 

 険悪だった美咲と鹿野の関係が変わったのは,彼にデートに誘われたときだった。

 鹿野は美咲のことを気に入っており,久は気を遣って美咲にデートに応じるように言ったのだった。

 

 

 デートといっても,ボランティアたちを引き連れたものであり,二人きりではなかったが,そこで鹿野は腹を下し,美咲がトイレまで必死に車椅子を押したが,間に合わず途中で漏らしてしまう。

 帰りに目に見えて落ちこむ鹿野に,美咲は誰だってウンコぐらい漏らしますと言い,自分が大学受験のときにウンコを漏らしながら試験を受けた話をする。

 

 一方,久は美咲を自分の両親に会わせようとして彼女に話をする。

 しかし,教育大生というのが嘘だと告げると久は途方に暮れる。

 美咲がそのことを鹿野に相談すると,彼女が久と付き合っていたことに驚くが,嘘を本当にすれば良いと言う。

 

 

 今から教育大を受け直して,合格すれば嘘も本当になる,自分なんか,今から英検2級を取ってアメリカに行くのが夢だと言う。

 その話に勇気づけられた美咲と鹿野の仲は近づいていくが,久はふたりの仲に嫉妬するようになる。

 

 

 そんな時,鹿野が倒れ,入院を余儀なくされる。

 彼には筋ジストロフィーの他に心肥大症もあったのだ。

 

 鹿野は自宅に帰ろうとするが,担当医の野原博子(原田美枝子)は,呼吸が困難であり人工呼吸器が必要だからとても無理だと言う。

 久は父である猛(佐藤浩市)の病院に気道切開が不要な人工呼吸器があることを思い出し,父に頼み込んでそこに転院させる。

 しかし,その機械に上手くなじめなかった鹿野は勝手に退院した上,体調を崩し,また野原医師の病院に戻らざるを得なくなる。

 

 体が動かない自分にとっては,声だけが武器だと言っていた鹿野だったが,命には代えられず気管切開を受ける。

 

 こうして鹿野は声を失ったはずだったが,美咲が気管切開を受けていてもしゃべる方法があることを見つけてくる。

 鹿野と美咲たちは野原医師に黙って,その方法を練習する。

 そしてある日,鹿野に声が戻る。

 野原は怒るが,鹿野は自宅に帰ると言い出す。

 

 気管切開をすると痰の吸引が必要になるが,美咲たちは泉看護師(韓英恵)の講習を受けてそれを習得し,鹿野を自宅に戻す。

 

 美咲は受験勉強もはかどり,入試に向けて頑張るが,一方,久は自信を失い,大学を辞めて医師の道を諦めようとしていた。

 

 鹿野は,美咲と久のいない旅行先で倒れ,危篤になる。

 その知らせを聞いた美咲と久は慌てて駆けつける。

 しかし,それは二人の仲を戻そうとする鹿野の命がけの芝居だった。

 

 数年後,鹿野は既に亡くなっていたが,久は訪問診療を行う医師に,美咲は小学校の教師になっており,ふたりは結ばれていた。

 

 

 

 実話だが,話としては20年以上前のことで,十円玉を入れながら公衆電話で話をするようなシーンが出てくる。

 

 予告編では,鹿野のわがままぶりがクローズアップされていたが,実際に映画を観ると,久の要領の悪い感じのほうが目立って,それほどわがままでもないように感じる。

 

 高畑充希はやっぱり上手いし,三浦春馬のウジウジした感じもなかなかである。

 ちょっと冷たい感じを漂わせて,実はすごく良い人という韓英恵の看護師役がとても好感が持てる。

 

 一応,実話に基づいた感動の名作ということになるのだろうが,大泉洋のキャラもあり,あまりお涙頂戴にならないのが良いし,障害者の性の問題にもサラッと触れているところも偽善的でなくて良いと思う。