「陽だまりの朝食」

 子どもの頃,シャオミンの朝食は,近所の店の三菜ビーフンであり祖母が買ってきては食べさせてくれた。

 

 

 有名な店で働いていた料理人が田舎で店を開いたもので,遠方からも食べに来る客がいるような美味しいビーフンだったが,ある日,突然,閉店になった。

 

 

 いろいろな噂があったが本当の理由は分からない。

 

 シャオミンは学生になり下宿をしたが,やはり近所にビーフンの店があり,朝食はそこで食べていた。

 同級生の家であり,母親が切り盛りをして,シャオミンにはおまけをしてくれたりしていた。

 しかし,ある日,父親が釣具屋に商売替えをしてしまった。

 その店でビーフンを食べているとき,いつも自転車で通りかかる女学生にほのかな恋心をいだいていたシャオミンの恋は終わりを告げた。

 

 

 結局,釣具屋は上手く行かず,同級生も学校内のケンカで足を怪我をして退学し,店は閉まっていた。

 

 大人になったシャオミンは,都会のチェーン店のビーフンを食べている。

 無難で画一的な味だが,仕方がない。

 

 祖母が危篤だという知らせを受け,シャオミンは久しぶりに故郷に帰る。

 祖母はシャオミンと食べたビーフンの味の話しをしながら息を引き取る。

 街に戻る途中でシャオミンは,学生時代の同級生の家の前を通りかかる。

 すると,そこはまたビーフンの店に戻っており,同級生の母親と父親,そして松葉杖をついて同級生が働いていた。

 

 

 そして,あの頃と同じように女学生も自転車で通って行った。

 

 

「小さなファッションショー」

 ファッションモデルのイリンは,妹のルルを引き取り一緒に暮らしている。

 両親が亡くなって別々の親戚に引き取られたが,モデルとして成功した彼女は,幼い頃から仲の良かった妹をほっておくことはできなかったのだ。

 

 

 しかし,毎日が厳しい競争であり,ストレスのかかるモデルの仕事に疲れたイリンは,彼女を労るルルの言葉にさえ刺々しい反応をしてしまう。

 

 

 ついにはショーの最中に倒れてしまったイリンはモデルを辞めると決める。

 

 マネージャーのスティーブは,彼女に友人としてもっと妹の気持ちを考えて上げるように忠告する。

 

 

 そしてルルたちと親しい人たちだけのファッションショーを開く。

 

 

 ファッションデザイナーを目指しているルルは,子どもの頃,自分たちが好きだった洋服をモチーフにしてデザインをし,イリンにそれを着せる。

 

 

 イリンは自分が本当に好きな仕事としてモデルの仕事を再開しようとする。

 

「上海恋」

 リモとシャオユ,そしてパンの3人は,上海の開発から取り残された地区で一緒に育った幼なじみである。

 

 

 リモとシャオユは互いに好意を持っているが素直になれず,いつもパンに冷やかされている。

 

 

 中学生の頃,彼らの楽しみは,カセットテープに好きな曲や伝言を録音して互いに聞かせ会うことだった。

 

 このまま,大人になれると思っていたが,シャオユは名門大学の附属高校を受験すると言い出す。

 

 

 親が期待をかけているのだ。

 

 リモは彼女が自分たちを見捨てるような気がして不愉快になるが,自分も頑張ってその高校に入学しようと努力する。

 しかし,不合格になったらかっこ悪いので,シャオユには地元の普通の高校を受けると言ってある。

 

 それまで成績が良くなかったリモは親が心配するほど一生懸命勉強をし,パンから預かったテープも聞かなかった。

 

 リモは合格し,それを告げにシャオユの家に行ったが,彼女の家族はいなかった。

 シャオユは不合格であり,彼女に期待をかけていた父親が彼女に暴力を振るい警察沙汰になったのだ。

 シャオユは入院しているという。

 附属高校に入学するため,古い街を出て行くリモは彼に向かって手を振る傷だらけのシャオユを見たが,それ以降,彼女とは会っていない。

 彼女はその後アメリカに留学したという。

 

 大学を卒業して建築家になったリモは引っ越すことにし,荷物を整理するが,カセットテープを見つける。

 引っ越しの手伝いに来たパンにそのテープは聞くヒマがなかったと言うと,それはシャオユから預かったものだという。

 

 

 今はラジカセなんてどこにもない。

 

 

 シャオユは,新しい部屋から見えるかつて自分たちが住んでいた開発から取り残された地域へ走る。

 開発は一時中断し,まだそこには祖母が住んでいるし,自分の部屋にはラジカセがある。

 

 ラジカセにそのテープを入れてみると,リモと一緒にいたいから附属高校には行かないというシャオユの声が入っていた。

 リモは失われた時間を思い涙を流す。

 

 しかし,リモはアメリカから帰国したシャオユと再会することができた。

 

 

 

 中国と日本の共同制作のアニメオムニバス作品。

 映画館でも公開中だが,netflixでも観れるのでそちらで鑑賞。

 

 印象としては,どの話しもちょっとどこかで聞いたような内容が多いし,わりあいにに薄味。

 画もきれいだけど心を揺さぶられると言うほどではない。

 

 ふつうの中国の人の生活ぶりを知ることができるのは良いと思う。

 

 ところで,ビーフンは朝食なのか。

 好きだけどすぐにおなかが空いてしまうので,食欲のないときしか食べないのだけど,朝食としてだったら軽くて良いかも知れない。