愛衣(伊藤沙莉)は,宗教中毒の母親(広田レオナ)の育児放棄により,当時,母親がはまっていた宗教の教団施設に入れられた。

 普通の家庭を知らない彼女にとって,そこでの生活の不自然さに気づくこともなく,それなりに幸せだったが,ある日教祖(マシュー・チョジック)が逮捕される。

 

 そのため,愛衣は中学校に通うことになり,生まれて初めて学校というものを経験する。

 しかし,家には帰らず,付き合うようになった彼氏の家に転がり込む。

 

 その彼氏というのは絵に描いたようなヤンキーで,兄弟たちもこれまた絵に描いたようなヤンキーたちだった。

 彼らは,家に彼女を連れ込み,夜になるとセックスを始める。

 また,全員で協力して万引きをして生計を立てていた。

 愛衣にとっては初めての家族だった。

 

 しかし,愛衣の彼氏の元カノは地元のヤバい奴の妹だった。

 それを知らずに元カノを振って愛衣と付き合いだした彼氏は,その事実を知ると街から逃げ出してしまった。

 愛衣は,元カノのアニキたちに捕まり,山の中に埋められてしまう。

 

 愛衣を助けに来たのは同級生の亮太(須賀健太)たちだった。

 亮太は暴走族に入っており,その仲間たち(アントニー・吉村界人)は,元カノのアニキたちよりもずっとヤバい連中だった。

 

 

 愛衣は彼らと組んで,美人局のようなことをして稼いでもいたのだ。

 

 

 土の中から自力で這い出してきた愛衣は,亮太たちを置いてふらふらと歩いて行った。

 

 その後,愛衣は彼女に同情した同級生の女子の家に同居することになる。

 自分の居場所を確保することに必死な愛衣は,その家で良い子に振る舞い,両親から愛されるが,それが友人を不愉快にさせる。

 しかも,彼女が亮太を好きだということを知って,仲を取り持とうとしたところ,亮太は彼女に自分が好きなのは愛衣だと言ってしまう。

 愛衣は彼女に,水商売をしていることを父親(近藤公園)にばらされて家から出て行かざるを得なくなる。

 

 一方,その後,亮太は人生をやり直そうとして,進学のために真面目に勉強を始める。

 暴走族の仲間はヤクザ(でんでん)に取り込まれそうになるが,水中カメラマンをしている彼女(韓英恵)を薬漬けにされたメンバーがヤクザを殺す。

 

 

 偶然,愛衣に再会した亮太は,彼女がまた母親の元に戻っていることを知り,家を出るように説得するが,愛衣はそれに応じず,亮太にセックスをせがむ。

 

 

 亮太はその場を去り,ふたりの仲は終わる。

 

 やがて愛衣は売れっ子AV女優としてスターになる。

 その握手会は,ファンが愛衣に救いを求める新興宗教の集会のような雰囲気だったが,彼女のマネージャーはかつての教祖だった。

 握手会に来た亮太は,愛衣が自分の居場所を見つけていることを確かめて帰って行く。

 

 

 

 朝ドラ「ひよっこ」で米子として人気が出た伊藤沙莉の主演映画。

 劇場で見逃したけどnetflixに上がったので鑑賞。

 

 タイトルの通り,獣道を行くような人生を歩く少年少女たちの物語である。

 

 一筋縄ではいかないストーリーだし,コメディー要素もあるので単純な感情移入は難しいのだが,友人の家に住むようになって,良い子でいようとするところとやっぱり上手く行かないところが切ない。

 ただ,もう少し愛衣の気持ちに迫るような演出も欲しかった気がする。

 

 伊藤沙莉の雰囲気が好きなので,これからも活躍して欲しい。

 

 意外だったのが芸人のアントニーで,投げやりな生き方と純愛の絶妙なバランスが良く演技も上手い。

 本人は,ずっとドッキリ企画だと疑っていたというけど,今野浩喜みたいに役者としても活躍できるのではないだろうか。

 

 愛衣と亮太の関係は,ずっと謎なのだが,エンドロール後のラストシーンで初めて明かされる仕組になっている。

 感動的と言えばそうなのだが,ちょっと考えすぎのような気もする。