有栖川仁乃(中条あやみ)は,小学生の頃,幼なじみで隣に住む榊桃(小関裕太)と仲が良かったが,彼は両親の離婚で引っ越してしまった。
榊は,別れ際,仁乃に君の歌声を目印に探しに来ると言った。
榊がいなくなって落ち込んでいたとき,仁乃は砂浜に書かれた音符を目にする。
それを書いたのはユズこと杠花奏(ゆずりは かなで 志尊淳)だった。
仁乃がそのメロディーを口ずさんだとき,ユズはこの声を自分の声にしたいと思った。
彼はのどの病気で近くの病院に入院中であり,自分で歌うことはできなくなっていた。
しかし,ユズもまた仁乃の前から姿を消す。
高校生になった仁乃は転校するが,転校先の高校でピアノの音を聞いて音楽室に駆け込む。
そのメロディーは,かつてユズが砂浜に書いていた曲だった。
ユズは退院したため,仁乃が待つ砂浜に行くことができなくなったのだった。
ユズは再会に大喜びするが,同じ軽音学部の珠久里深桜(真野恵里菜)は,複雑な想いでいた。
実は深桜とユズたちは,人気急上昇中の覆面バンドin No hurry to shout(イノハリ)としてデビュー直前だった。
深桜はユズのことが好きであり,彼のために歌ってきたが,彼がアリスと呼ぶ仁乃のために曲を書いていることは,以前から聞かされていたのだった。
一方,ユズは仁乃が榊を探していることを知っており,彼女の歌が榊に届けるために歌われていることを知っていた。
そんなとき,仁乃は偶然,榊が高校生でありながら,作曲家,プロデューサーとして活躍しており,彼主催のオーディションがあることを知る。
仁乃は深桜の気持ちを何も知らず,歌の上手い彼女に歌のコーチを頼む。
深桜は複雑な気持ちになりながらも,仁乃に歌を教え,彼女はどんどん上達する。
しかし,彼女のデモテープを聴いた榊は,一瞬で選外にする。
ところが,榊のマネージャーの月果(中島亜梨沙)は,こっそりと書類選考を通過させ,オーディション会場に仁乃を呼ぶ。
彼女が歌い出したのを見た榊は音を止めさせるが,仁乃は榊に気づき彼を追う。
なぜか榊は再会を喜ばず,仁乃に二度と会わないと言う。
失意の仁乃にユズは自分の正体を明かし,イノハリのボーカルになるように頼む。
深桜はユズへの気持ちがかなえられないと分かり,イノハリを脱退したのだ。
テレビでイノハリのデビュー曲が流れたのを聴いた榊は,一瞬でその歌が仁乃だと気づき,また,ギターを弾いているのがスタジオで偶然に会って,初めは気に障ったが,結局,音楽への気持ちが伝わり意気投合したユズだということにも気づいた。
榊は激しく動揺するが,深桜をボーカルにしてイノハリに対抗するようなバンドをデビューさせる。
ユズは,スタジオで意気投合した榊が,有名プロデューサーで仁乃が会いたがっていた榊桃だということは知らなかったが,仁乃とスタジオにいるとき,榊と会い,それを知り,彼が仁乃の気持ちを踏みにじったことをなじる。
ところが,榊は力なく自分には仁乃を迎えに行く資格がないと言う。
それを聞いたユズは,榊が親の借金のために心ならずも商業音楽をやっていることを察する。
そして,榊に仁乃に素直な気持ちを伝えるように勧める。
ユズは,その一方で,昔,砂浜に楽譜を書いた曲を完成させ,仁乃に自分の気持ちを伝える。
榊も仁乃のための曲を書き上げ,彼女に自分のために歌って欲しいと伝える。
ユズは,仁乃が元々,榊と再会するために歌ってきたことを知っているため,榊が仁乃に気持ちを伝えた以上,自分の元に返ることはないと思い,次のライブでイノハリを解散するとメンバーに告げる。
しかし,仁乃はいつも自分を支えてくれたのがユズだったことを想い,榊にイノハリのボーカルとして歌い続けることを伝えてライブ会場に走る。
漫画原作の実写化で,結構,乱暴にストーリーが進む。
しかし,ストーリーの骨組みがしっかりしていて,なかなか面白いためそれほど気にならない。
バンドストーリーとしては,可もなく不可もなくという感じだが,榊があれほど卑下しなければならないほど商業音楽と他に違いがあるかなぁという疑問はある。
中条あやみは,NHKの忌野清志郎のフェィクドキュメンタリー以来,注目していて,ライチ光クラブも良かったが,この作品でも良い。
直情径行型の主人公を上手く演じているし,何よりも一生懸命練習したという歌が素晴らしい。
そこが上手く行かないと,この映画は台無しだが,彼女の努力の甲斐があって,名作になった。
志尊淳は,何をやらせても上手い。
最近,やたら出ているけど,それなりの理由はあるな。
真野恵里菜も歌が上手いが,こんなにちっちゃかったっけ?と思ったら回りがみんなデカかった。





