千葉県の銚子電鉄は,何度も経営危機に陥りながら地元の人たちの援助で経営を維持してきた。
そんな地元の応援活動のひとつとして高校生が駅伝で運行区間6.4㎞の往復を電車と競争するという企画があった。
高校生の椎名杏子(松風理咲)は,実行委員長だったが,同級生たちは協力的ではなく,駅伝のメンバーがどうしてもあと1人見つからなかった。
一方,銚子電鉄側も使用する車両が古く,故障した部品の換えが見つからず,運転士の磯崎洋一(有野晋哉)は困っていた。
磯崎は杏子の母小百合(富田靖子)と亡くなった父の同級生であり,杏子とも親しく話す間柄だったが,最近,杏子は母との仲を疑うようになり,磯崎に冷たい態度を取るようになった。
そんなとき,東京でインチキプロデューサーに金をだまし取られた歌手志望の恵キミエ(植田真梨)が,その男を追って,銚子にやって来る。
杏子のメンバー集めは,幼なじみの男子と憧れの先輩を巡る親友との三角関係を挟んで難航したが,なんとか将棋部の角田祐輔(前田航基)を加入させて頭数を揃える。
また,車両の方も何とか部品の調達ができ,駅伝の開催が可能になった。
一方,キミエは歌手を諦めようとするが,銚子電鉄宅配部の熊神守(前野朋哉)がストーカー扱いされながらも励まし続け,彼女が海に捨てたコンテストの優勝記念ペンダントを探し出す。
キミエが,銚子を出ようとして乗った電車は,駅伝と競争する電車だった。
守は駅伝のランナーにそのペンダントを託し,杏子は折り返し地点でそれをキミエに渡す。
駅伝はタッチの差で銚子電鉄の勝利に終わり,ランナーたちは罰ゲームとして,駅や車両の清掃をすることになるが,青春の一ページになる。
キミエは再び歌手を目指し,杏子は磯崎と再び自然に接するようになる。
ご当地映画らしい,こじんまりした内容であるが,それなりにまとまっていて悪くはない。
ただ,よゐこの有野は,演技は無理じゃないかな。
朴訥とした人柄を表したいのか,有野自身のキャラを生かそうという演出なのかしれないが,いささか悪目立ちし過ぎのセリフ回しだと思う。
普通の人しか出てこない映画であるが,どの映画でも普通の人を演じている役者がいっぱい出ていて,普通感が薄れてしまっているのは皮肉なところである。
前田航基の使い方はちょっともったいない。
実際の銚子電鉄については,また経営が悪化しているという報道もあって,なかなかお話しのようには上手く行かないようなのが残念である。




