乗員乗客155名を乗せてニューヨークの空港を飛び立ったA320は,高度850mでバードストライクによって両側エンジンが停止する。
サレンバーガー機長(トム・ハンクス)は,原則通り離陸した飛行場に引き返そうとするが,高度や推力から不可能だと判断し,冬のハドソン川に着水を決意し,卓越した操縦技術で機体の損傷を最小限に留めて着水を成功させる。
周囲のフェリーが着水に気づき救助に向かったため,全員が救助される。
こうしてサリーことサレンバーガー機長は,英雄扱いをされるようになるが,事故調査委員会は,コンピュータシュミレーションの結果,空港に引き返すことや隣接する空港に着陸することが可能であったという結論や,左エンジンは完全に停止していなかったというデータを元に着水という判断の正当性を追求する。
投資用に購入した賃貸マンションに思うように賃貸人が入らなかったため,経済的に苦境にあったサリーにとっては,着水判断を誤りとされて,パイロットの地位を失うことは大きな打撃であった。
それ以上に,42年間,パイロットとして重ねた経験から,自らの判断が誤りであるとはどうしても思えなかった。
空港に引き返すことが可能であったというシュミレーション結果について考えていたサリーは,あることに気づき,公聴会の場でパイロットによるシュミレーションを要求する。
エアバス社と中継をつないで行われたパイロットによるシュミレーションでも引き返す選択や隣接空港に着陸する選択はいずれも成功するが,サリーはそれらの判断が,エンジン停止直後に行われていることを指摘する。
議長はその申し出を考慮し,エンジン停止後35秒間の考慮時間をおいて,引き返すというシュミレーションを実施する。
すると引き返す選択では,滑走路手前に墜落し,隣接空港に向かった場合はビルに激突した。
その後,実際の操縦席での音声再生が行われたが,ふたりのパイロットが何度もエンジンの再始動を試みながら,最善の選択を繰り返していたことが明らかになる。
また川底から引上げられた左エンジンは,完全に停止していたことが証明される。
映画のラストシーンは,実際のサレンバーガー機長と当時の乗客の再会のセレモニーが映し出される。
洋画はほとんど観ないのだが,航空ものが好きだし,そのなかでもエンジンの停止したジェット機を安全に着陸させるというテーマは一番好きなので鑑賞。
数千メートルの高度がある場合は,何とかなることも理解できるが,たった850mの高度からというのは驚きだし,しかもエンジン停止から着水までわずか208秒というのもすごい。
映画でそこだけやったら208秒とは言わないまでも10分程度で終わってしまうだろう。
航空ものとして,満足がいく出来だった。
感動したのは機長が脱出する最後の最後まで,誰か取り残されていないかを真剣に気にしているところで,病院に搬送されて,全員無事を聞くまですごく落ち着かない様子だったところ。
やっぱりキャプテンと呼ばれる人はこうであって欲しい。
ラストシーンでは,実際の機長,機長の奥さん,副機長,キャビンアテンダント,乗客らが映るが,みな映画の登場人物にそっくりで驚く。
一番似てなかったのが,機長のトム・ハンクスだった。




