白岩義男(オダギリジョー)は,妻子と別れ,勤めていたゼネコンを辞め,故郷の函館で職業訓練校に通っている。

義男は人当たりは良いが,無気力に生きているように見える。

たまたま知り合った変わった女,田村聡(蒼井優)と付き合い始めるが,彼女は義男の過去がどうしても気になると言って問い詰める。


自分の過去を話すことを渋っていた義男だったが,聡に周りを見下しているように見えると言われ話し始める。

夜遅く仕事から帰宅すると,妻(優香)が,産まれたばかりの赤ん坊の顔にクッションを押し当てていたのだと。

ところが,聡は義男が奥さんを追い詰めたと責め,オレは普通に生きてきただけだと言う彼を追い出す。

一生懸命,普通に生きてきたことを責められた義男は,ますます,なげやりになるが,思い直して妻と連絡を取ってみる。

ところが,義男に言い過ぎたと思った聡は彼の元に現れ,勤めているバーへの同伴を頼む。

聡と飲みながら,自分には今さら失うものは何もないと気づいた義男は妻と再会し,素直な気持を吐露する。


ところが,それを見いていた聡は,またもや不安定になり,アルバイトしている自然動物園の檻を開けて動物や鳥たちを逃がして回る。


こうして,聡との仲は近づいたかと思うとすぐに離れてしまうが,聡は義男に誘われた職業訓練校のソフトボール大会を見に来る。

そこで義男は,聡のためにホームランを放つ。



過去に負い目を持つ者,どうあがいてもうまく生きられない者,そういう人たちを描いた物語。


普通に生きてきたつもりだったのに上手くいかない。

それどころか,オレは普通にやってるだろという視線が人を苦しめると責められる。

自分だって必死に頑張ってきたのに

そんな想いから生きる気力を失った男。

しかし,だからと言って生きることをやめるわけにはいかない。

例え目の前の小さな目的でも,それを糧にして生き続けるしかない。


それにしても,物語が収斂していく先が,職業訓練校のソフトボール大会とは,いささか渋すぎる。