鎌倉の古い大きな一軒家に住む3姉妹
 しっかり者の看護師の長女香田幸(綾瀬はるか)
 自由奔放な信用金庫勤務の次女香田佳乃(長澤まさみ)
 スポーツ用品店に勤めるマイペースな三女香田千佳(夏帆)

 彼女たちのもとに父親が死んだという知らせが入る。
 父親は母である佐々木都(大竹しのぶ)を捨て女性と出て行き,その女性と死に別れたのちにさらに別の女性と結婚していたのだ。

 その葬儀で3姉妹は,前の妻との間の娘である浅野すず(広瀬すず)に出会う。
 気丈に振る舞っているが,居場所を失ったように見える彼女に,幸は鎌倉で一緒に暮らさないかと誘う。




 3人を乗せた列車の扉が閉まり,動き出すその一瞬の間にすずは,行きますと答える。
 鎌倉に来たすずは地元の中学校に転校し,サッカーチームにも所属して明るく暮らす。




 しかし,彼女の心の中には,常に自分という存在の意味に対する不安があった。

 また三姉妹も,父親に捨てられた上,母親にも捨てられたというわだかまりがあった。

 そして,長女の幸は,妻のいる医師椎名和也(堤真一)との交際に悩んでおり,次女の佳乃は,いつもダメ男に貢いでいる。




 三女の千佳は,同じ職場の浜田(池田貴史)に好意を持っているが,彼が既にあきらめたと言っている危険な登山に再挑戦するのではないかと不安に思っている。

 祖母の法事に北海道から,14年振りに三姉妹の母が来ることになり,すずは不安に感じ,また,三姉妹もいつまでもこのままの暮らしを続けることができないということを思わざるを得なくなる。





 そんなときに,通い慣れた食堂のおばちゃんである二ノ宮さち子(風吹ジュン)が体調を崩して亡くなる。



 しかし,彼女の死を通じて姉妹の絆は深まることになる。

 三姉妹は,すずは,ダメだった父親が遺してくれた最高の宝物であることにあらためて気づくのだった。


 鎌倉の古い大きな一軒家で,美人三姉妹が暮らしているという,絵になり過ぎる設定であり,しばしば見られる絵葉書のような画作りがこの物語に相応しかったかは少し疑問である。

 また,何も起こらない映画というわけではないが,誰にでも起こるようなできごとばかりが描かれ,誰かが誰かを面と向かって激しく罵倒するような場面もない。

 しかし,仕事や学校生活を含めて,4人の生活を極めて丁寧に描いていることで,十分なリアリティーを得ている。





 そして,すずを慕う同級生風太(前田旺志郎)の思春期真っ只中感が微笑ましい。ここでも過剰な表現はなく,2人の関係が極めて自然に描かれている。



 前田前田は天才漫才コンビから,完全に兄弟で俳優としての道を歩き出している。

 広瀬すずは,あれだけ売り出されているとプレッシャーもすごいだろうが,自然な演技も素晴らしいし,驚かされたのはサッカーのシーンで見事なプレーを披露しているところ。
 まさに国民の妹と言うのにふさわしいキャラクターを得ている。